概要
業務の迅速化により顧客満足度を高めることが最大目標。グローバルSCMシステムの情報を見える化し、素早い経営判断につなげる環境をIBM Cognos® のエンタープライズBIシステムで実現した。
ビジネス・インテリジェンスの導入により情報を素早く経営者層に届け、経営判断にかかる時間を短縮。さらなる飛躍を目指し情報の広範な見える化を検討。業務の改善にグループ企業全体で取り組む体制が視野に入った。
顧客満足度を高めるために
東芝テックは東芝グループの一翼を担う企業であり、POSシステム/電子レジスターの「TEC」、OA機器/家電製品の「TOSHIBA」という2大ブランドを擁している。同社の画像情報通信カンパニーはデジタル複合機などを製造/販売している。競争の激しいデジタル複合機の分野で勝ち抜くためには、顧客満足度
(CS: Customer Satisfaction)を高めるための積極的な取り組みが必要だ。
画像情報通信カンパニーは売り上げの9割を海外で達成しているほか、2005年からは製造もすべて海外で行っている。資材調達から販売までを世界各地のグループ企業が分担しており、調達拠点は香港が中心で、製造拠点は中国やフランスなどにある。販売統括現地法人は主要各国に設置され、その下で販売活動を行うディーラーも直系化されている。こうした世界中に散らばる拠点を束ね顧客満足度を向上させるには、各拠点との情報のやりとりを効率化する基幹情報システムの強化が必須だった。同カンパニーは1999年から各拠点のERP(Enterprise Resource Planning)システムをOracleに標準化する作業を進め、2005年までに主要拠点への導入を終えている。その過程で日本と世界各地の拠点を連携させるグローバルSCM(Supply ChainManagement)システムを構築した。
グローバルSCMシステムのさらなる活用を目指してIBM Cognos製品を導入

画像情報通信カンパニー
IT推進室 室長
中村 耕治 氏
こうした取り組みの結果、生産計画のタイム・バケット(計画期間)を従来の月次から週次に短縮できるようになった。グローバルSCMシステムの導入前は計画確定から出荷まで1カ月以上かかっていたが、導入後は計画確定週の2週間後には生産、3週間後には出荷できるようになっている。週次で生産計画が立てられるようになったため、顧客が求める製品をより的確なタイミングで生産/出荷できるようになり、顧客満足度の向上と同時に在庫削減にもつながった。しかし、東芝テック画像情報通信カンパニーIT推進室室長の中村耕治氏は、基幹情報システムの強化は途上の段階だと語る。
「グローバルSCMシステムを導入した時点で成果があったことは確かなのですが、当初設定した目標には達しておらず、もっとできるはずだという思いがありました。そこで、グローバルSCMシステムのより効果的な運用のために、次の段階、つまり情報の見える化に取り組むことにしたのです。」
グローバルSCMシステムはPSI (Production/Procurement,Sale, Inventory:生産/調達、販売、在庫情報)を数量ベースで管理しており、経営判断に必要な金額ベースの情報をリアルタイムに可視化する仕組みが十分ではなかった。そのため、週次で業務を進めていても、経営者層は相変わらず電子メールで月次報告を受け取っていたのだ。これが経営判断の迅速化を妨げ、グローバルSCMシステムの効果を引き出せない要因の1つになっていた。そこでPSIの可視化を実現するため、同カンパニーは2004年から統合レポート、情報検索、分析のためにIBM CognosのエンタープライズBIシステムの導入を進めた。可視化に使用するシステムの導入にあたっては、いくつかの製品を候補に挙げ、IT部門のメンバーと一般社員で構成されるチームが30以上のチェック項目を評価している。
「一般社員を含むチームで評価したところ、GUIの美しさ、操作性の良さ、大量のデータを扱ったときの処理の軽快さといった点でIBM Cognosの製品が高い評価を得たのです。」(中村氏)
戦略立案・・・・・戦略立案に必要な統計データ・時系列データを適時提供できる環境
実行段階・・・・・ビジネス・プロセスの中で発生するデータを多次元の視点で分析する環境
結果測定・・・・業務のパフォーマンスを測定し、制約工程問題を定量化する仕組み
共有環境・・・・必要な人が必要な時に目的に合ったデータを取得・共有できる環境

データ分析・活用環境の姿と標準化
バリュー・チェーンから最大の価値を
PSIの可視化が一段落した2006年からは、営業、マーケティング、品質管理、経理などのさまざまな情報を可視化し、多角的な業務改善につなげる取り組みが始まっている。同カンパニーの業務には多数のグループ企業が関係するため、事業の全容をリアルタイムに俯瞰することが難しい。従来は月次の経理情報を集め全体像を把握していたが、刻々と変化する状況に合わせより的確な経営判断をするには、業務情報の広範な見える化が必要と判断された。
「従来は月次でしか把握できなかったさまざまな要因が素早く可視化され、一部の担当者にしか分からなかった問題がより多くの関係者に把握されることで、これまでにない新しい改善策が生まれることを期待しています。現在は各部門の担当者を交え見える化の方向性を検討している段階で、効果的な業務改善につながるように知恵を絞っています。IBM Cognosの製品は比較的少ない工数で開発できるので、我々IT部門としても積極的にシステムを試作し、各部門から新しい視点を引き出していきたいと思っています」(中村氏)
米国の経営学者マイケル・ポーターは、その著書「競争優位の戦略」の中で企業の活動をバリュー・チェーン(Value Chain:価値連鎖)と定義し、各活動段階での価値の積み重ねが最終的に顧客に届く価値になると説いた。東芝テック画像情報通信カンパニーは、多数のグループ企業がかかわるバリュー・チェーンに見える化の光を当てることで顧客に届く価値が最大になる道を探り、最終的に顧客満足度が向上することを真摯に追求している。それをシステム面で支えているのが IBM CognosのエンタープライズBIシステムなのである。
お客様情報
東芝テック株式会社画像情報通信カンパニーは、ネットワーク接続されたデバイスやソフトウェアと連携し、ユーザーに新たな価値を提供するデジタル複合機「Net-Ready MFP」の開発/販売を行っています。印刷速度がモノクロ45枚/分、カラー35枚/分のカラーデジタル複合機「e-STUDIO3510c」、モノクロ85枚/分のデジタル複合機「e-STUDIO850」など多彩なNet-Ready MFPを取り揃え、国内外で高い評価を得ています。
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事例は特定のお客様での事例であり、すべてのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
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