検証日 : 2010年9月1日
「新しいデジタル・メディア・ソリューションの導入により、NFLは豊富なコンテンツ資産を十分に活用するうえで極めて有利な立場を手に入れました。このソリューションの品質とパフォーマンスこそが、デジタル・メディア管理の分野において IBM に勝るものはないという当社の見解を立証するものです。」- National Football League、IT 担当副社長、Joe Manto 氏
お客様情報
National Football League(以下、NFL)は、米国で最も大きな観客動員力を誇るプロアメリカンフットボールリーグです。NFL Films はリーグ所有のメディア制作会社であり、長年にわたりNFLの主要プロモーション・チャネルとしての役割を果たしています。今シーズン、NFL Network は 8 本の NFL の試合を放映し、そのメディア活動は拡大基調にあります。
ビジネス上の課題
NFLが掲げる放送と番組を巡る今後の拡大計画を実現するには、コンテンツを新しいベンチャー、チャンネル、番組経由で配信する柔軟性が必要でした。また新規に利用可能になったメディアとデジタル・コンテンツ・パートナーシップを有効に活用するため、システムとプロセスを再構築する必要性にNFLは迫られていました。
ソリューションと実現したメリット
NFL は、NFL Films によるコンテンツの取り込み、保存、アクセス、配信方法を合理化するデジタル・コンテンツの管理/配信システムの構築を IBM に依頼しました。
ソリューション導入により実現したメリット
- 高度なデジタル検索/編集機能を通じてビデオ制作のサイクル時間を大幅に短縮
- 既存のメディア配信網を活用してより強力かつ説得力のあるビデオ・コンテンツを配信
- 新しく利用可能になったメディアとデジタル・コンテンツ・パートナーシップの活用能力を向上
- NFL のブランド力を全世界規模で強化
- NFL コンテンツの潜在的な価値の活用と収益化する能力の向上
- NFL Network で放映する試合など、新規の番組制作アウトレットをサポートする能力の向上
ソリューション導入の背景
通信ビジネスは、「コンバージェンス」と呼ばれる静かな変革の渦中にあります。マルチメディア・テクノロジーと標準規格の進歩によって、あらゆるデバイスやメディア経由で豊富なマルチメディア・コンテンツを配信できるようになります。プレミアム・コンテンツに対する需要の急増が見込まれており、NFL などのコンテンツ所有者には、コンテンツ (ビデオ・ゲーム・クリップなど) を無線、ケーブル、その他の種類のサービス・プロバイダー経由で配信する絶好のチャンスが訪れています。NFL のファンは、時間や場所を選ばずお気に入りのゲーム・クリップを観戦したいと望むようになっており、NFL が導入した新しいデジタル・コンテンツ管理ソリューションによって、今後ますます盛んになっていく真のオンデマンド・コンテンツの配信が可能になります。
主なコンポーネント
ソフトウェア
- IBM DB2®
- IBM DB2 Content Manager (現在はContent Managerに名称変更)
- IBM WebSphere® Application Server
- IBM Tivoli® Storage Manager
- Ancept Media Server
ハードウェア
- IBM BladeCernter®
- IBM System p®
- IBM System x®
- IBM TotalStorage LTO Tape Drives
サービス
- IBM Global Business Services
ビジネス・パートナー
- 先行診断およびソリューションの計画:6カ月間
- 試験導入:4カ月間
- 拡張導入:進捗中
設立からほぼ 90 年を経過した National Football League (NFL) の人気は、かつてないほど高まっています。観客動員数、視聴者数、テレビ収入は史上最高、あるいはそれに近い水準になり、NFLのブランド力は世界規模で大きな高まりをみせています。選手の技量は絶えず向上し、試合はより面白くなり、プレゼンテーションも巧みになっています。しかし、これは NFL の驚異的な成功の一面でしかありません。最大の要因は、NFL が舞台裏で実践してきた戦略、戦術やプログラムにあります。それは、リーグの指導の下、慎重かつ入念に行われた非常に意欲的なものだったのです。NFL は、フランチャイズ、選手、コーチ、オーナーの単なる集まりではなく、世界で最も高い需要を誇るエンターテインメント・コンテンツを製作し、これを所有する組織なのです。
成功している他のメディア/エンターテインメント会社と同様に、NFL は保有するメディア資産から最大の価値を引き出そうとしています。資産の中核は、関係メディア会社である NFL Films によって設立、管理されているビデオとオーディオ・クリップのアーカイブです。1960 年代初頭に設立された NFL Films は、試合映像の品質、奥深さ、完全さ、さらにはフィルム作品 (合計で 1 億フィート、現在も増加中) にあらわれている試合に対する敬意の念によって名声を獲得しました。同社は NFL の最も重要なプロモーション・チャネルとなっています。NFL Films は、米国ニュージャージー州マウントローレルに新設された 200,000 平方フィートの最新式のスタジオを拠点に、「Playbook」や「State Farm NFL Matchup」などのテレビ番組を制作しています。このような番組を通じて、NFL Films は NFL の顔となっています。同社が制作するコンテンツの品質と豊富さが重要な意味をもっている理由はまさにこのためです。
優良資産を持つ NFL であっても、メディア業界が抱える根本的な課題に同じように直面しています。その課題とは、コンテンツをできる限り説得力のあるものにし、コンテンツの制作と配信を極力効率的にすることです。また、メディア市場への参入と競争がかつてないほどの高まりを見せるなか、NFL Films では、新しいビジネス・チャンスの出現に合わせて、コンテンツを新しいベンチャー、チャネル、番組経由で配信する柔軟性の確保が必要になりました。技術的な観点からこれが意味すること、それはNFL Films がコンテンツをライフサイクル全体 (コンテンツの記録から編集、放送、アーカイブまでの一連のプロセス) を通じて管理する環境を整えるということになります。
毎週記録される生の試合映像の一部は、コーチと選手達自らの視聴用としてチームが撮影したビデオテープです。「Playbook」などの「X's and O's」プログラムでこの映像のなかで使いたい部分 (特定の選手や状況を特集したもの) を取り込むには、制作スタッフ・メンバーは、手作業で時間のかかる検索を行う必要がありました。この中には、試合に関する印刷物を目視で確認する、特定のビデオテープでプレーに索引を付ける、ビデオテープのリールを最初から順番に確認するなどの作業が含まれていました。ストレージも課題の1つでした。NFL Films では試合映像をデジタル化しましたが、ストレージの制限により、コンテンツは短期間しかデジタル形式でとどまらず、長期保存用にアナログ形式に戻されている状況でした。
「NFL コンテンツに対する需要は今でも強く、今後もさらに強くなります。この需要から収益を確保し、将来にわたって継続する基盤を構築する必要がありました。」― Joe Manto 氏
番組制作活動をさらに活性化させ、ブランド力を強化するには、貴重な資産の一部に関わる管理方法を再構築する必要があるとNFLは考えました。既存のプロセスは直線的で制限があり、ボトルネックが生じやすいため、普遍的で柔軟性がありインテリジェントなプロセスの導入が求められていました。いくつかの番組で使用されるコーチング映像の取り込み、保存、アクセス、配信方法を合理化することで、NFL では、番組をより豊かで強力なものにする一方、より活発な活動を促す基盤を確立しようとしました。NFL Films の既存の制作プロセスは、これまでに十分に調整され、その有効性は実証済みでした。新しいコンテンツ管理プロセスは、既存プロセスの土台となり、既存プロセスとの接点としての役割も担う必要があるという意味でも「基盤」という比喩は適切でした。NFL はこの構想を実現するため、IBM に支援を依頼しました。
制作フローの再構築
IBM Global Business Services 主導による IBM チームは、NFL のコンテンツ資産とプロセス・ フローの診断分析を行い、コンテンツのカタログ化、プロセス改善の可能性の特定とマッピングを行いました。NFL が日々作成していた100種類を超えるコンテンツを特定した後、チームはプロセス改革に取り組みました。まずNFLとIBM は、新しいソリューションの有効性を実証する手段として、テレビ番組の「State Farm NFL Matchup」と「Playbook」を選択しました。IBM は、これらの番組に影響を与えるプロセス・フローに関するマッピングを詳細に行い、それに基づいて制作プロセス全体におけるコンテンツの処理方法を根本から再定義しました。
鍵となる違いは、新しいアプローチのインテリジェンス、柔軟性、自動化機能です。たとえば、プロセスのフロントエンドでは、最初にビデオテープの取り込み、デジタル化、メタデータの索引付け作業が行われるようになりました。そのため、プロセスごとにテープを繰り返しコピーする必要性はなくなりました。デジタルの試合映像に豊富なメタデータが追加されたため、制作スタッフが映像を検索すると、高度なクエリを実行して必要な試合の状況を素早く検索できるようになりました。コンテンツを探し出したら、制作スタッフは再生リストを作成できます。このリストは、番組を編成する制作エディター宛にデジタル形式で自動的に発送されます。制作スタッフがビデオテープを最初から順番に確認する代わりに柔軟な検索を実行できるということは、上位のプロセスにも直接的な影響を与えます。プロデューサーやエディターはより説得力のあるコンテンツの配信が可能になり、番組のホストはより洞察に満ちた分析を提供できるからです。このソリューションは最終的に、番組の制作に使用される重要な試合映像の検索と取得に要する時間を短縮して、編集時間を 以前の10分の1に、そして番組の完成量を4倍にしました。
このすべてを可能にしたのは、NFL が Digital Foundation と呼ぶ集中デジタル・メディア管理/配信ソリューションです。ソリューションのコアとして、IBM DB2 Content Manager が使われており、フロントエンドの Ancept Media Server と連動して、中核のコンテンツ管理機能を提供します。2つのコンポーネントは、IBM WebSphere Application Server 上で実行されます。IBM WebSphere Application Server は、コンテンツ管理ソリューション向けにセキュリティーとスケーラビリティーを備えたランタイム環境を提供します。IBM BladeCenter ブレード・サーバーは、コンテンツ管理機能向けにハードウェア基盤を提供します。IBM TotalStorage ストレージ・エリア・ネットワーク (SAN) の管理に使用される IBM Tivoli Storage Manager は、NFL のデジタル資産インベントリーを管理する IBM DB2 と同様に、IBM System p サーバー上で実行されます。ビデオテープ・ベースのコンテンツを迅速に取り込むにあたり必要となる大きな処理負荷に対処するため、このソリューションでは、多数の IBM System x サーバーを採用しています。
将来への準備
今後の成長と多様化を計画していた NFL は、最上級のコンテンツ管理機能を最良のタイミングで配備することができました。たとえば、いくつかの NFL の試合については関係会社の NFL Network を通じて独占放送権を獲得するという最近の決定は、画期的なものでした。単にコンテンツ・ソースであるだけでなく、コンテンツ・アウトレットにまでビジネス・モデルを拡張することで、NFL はこれまでとは異なる、新しい課題の数々に挑戦しています。その中でも重要なのは、対象を絞った適切なコンテンツを大量に提供して、放送を充実させ、視聴者の高い期待に応えることです。
NFL にとって、高品質のマルチメディア・コンテンツのダウンロードを目的とした無線デバイスの使用が拡大していることも、大きなビジネス・チャンスとなっています。通信サービス・プロバイダーは、コンテンツの配信に必要なネットワークに現在投資していますが、将来は顧客が満足する高品質のビデオ/オーディオ・コンテンツのソースが必要になります。大量のコンテンツ群 (クリップ、スコア、番組など) にアクセスしそれを配信するうえで極めて効率的な手段を持つ NFL は、いつでもコンテンツを配信でき、世界中で NFL のブランド力をさらに強化することができるのです。
NFL の IT 担当副社長である Joe Manto 氏は、Digital Foundation プラットフォームへの投資を、リーグが掲げた2 つの構想が成功を収めるにあたり必須であると考えています。また、新しいチャネルの追加から他のコンテンツ会社やメディア会社とのパートナーシップに至るまで、その他の将来の構想を実現する上でも主要な要因であると考えています。Manto 氏は、次のように述べています。「新しいデジタル・メディア・ソリューションの導入によって、NFL は豊富なコンテンツ資産を十分に活用できる極めて有利な立場を手に入れました。より強力なコンテンツをより効率的に制作、配信する手段が確保されたことが、最終的には NFL のブランド力の強化と目的の達成につながります。このソリューションの品質とパフォーマンスこそが、デジタル・メディアの管理という領域において IBM に勝るものはないという当社の見解を立証しています。」
本情報は、USの事例サイト (US)の抄訳です。
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