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【B-3】
「事例に学ぶビルド→リリースでの課題と解決」

日本IBM
ソフトウェア事業 Rationalテクニカルセールス
田中 陽子

本セッションでは、ソフトウェア開発を取り巻く状況とビルド~リリース工程における問題点を指摘し、国内および海外の事例紹介を通してその改善策と効果を解説した。また、Build Forgeを用いたソリューションとソフトウェア開発プロセスの自動化シナリオ例も紹介した。

ソフトウェア開発においては、UMLによるモデル駆動型開発やIDE(統合開発環境)を用いたコード開発のように、上流工程や個別の工程では様々な取組みが実践されている。しかし、下流工程の効率化や最適化についてはまだ十分とはいえない。海外の事例では、ビルド~リリース工程の改善によって、ビルド時間が24時間から3時間に短縮され、新たに作業に割り当てられる時間が50%~100%と増加し、効率化と品質向上を同時に実現したというケースも見られる。

2005年のRational製品自体の開発においては、3拠点、350名の開発者による大規模分散開発を行い、8種類のプラットフォーム、124台のサーバーを管理し、ClearCase/ClearQuestおよびSuite製品の開発を行った。当時、開発のボトルネックはリリース・チームであり、手作業でビルドを行っていたため長いビルド時間がかかっていた。そこで、自動化のためのフレームワークとしてBuild Forgeの評価を行った。Build Forgeのアーキテクチャーは集中管理と分散実行が特徴で、ブラウザー・ベースの管理コンソールによりすべての担当者が情報を共有できる。Rational開発にBuild Forgeを採用した結果、ボタン1つでビルド・プロセスを実行でき、複数サーバー上で作業の並行実行や作業の分散を行えるなど効率的な自動化を実現できた。ビルド~リリース工程の可視性向上と集中管理、メトリックス取得による現状把握や改善等の効果もあがった。

海外事例として、Build Forgeを導入した18社の調査データ(調査会社:Hurwitz & Associates)によると、顧客満足度は期待通り、もしくは期待以上と回答した会社が18社中14社あった。ROIについては半年程度で回収できる会社が多くあり、ビルド・リリースサイクルが5倍から20倍になった例も見られた。この調査データから、Build Forgeの導入は、業種や規模に関係なく早期の効果が期待できることが見てとれる。

ソフトウェア開発プロセス自動化シナリオには、パートナーからの受入れ時の品質検証に重きを置く「受入中心シナリオ」と開発そのものを行うための「製品開発シナリオ」とがある。受入中心シナリオでは、リアルタイムに受入品質検証を行い、納品内容によって個別に対応したプロセス実行、検証結果を記録した文書が求められる。Build Forgeを用いたソリューションによって、構成管理を監視して納品時に自動検証を行い、個別に検証内容の組み替えを行うこともでき、自己文書化により状況把握を行えるようになる。
製品開発シナリオでは、複数バージョンを頻度高くリリースすること、分散したチームのコミュニケーション向上、各開発プロジェクトの傾向やボトルネックを把握することが求められる。Build Forgeを用いたソリューションによって、分散型並行実行による時間短縮、プロセス自動実行と結果情報の受け渡し改善、集中管理による可視性向上、意思決定の促進を実現できる。

最後に、変化に迅速に対応するためには、上流工程だけでなく、ビルド~リリース工程を自動化し、ソフトウェア開発ライフサイクル全体を効率化することの重要性を強調して、セッションを締めくくった。

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