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いま、求められる ビジネス視点による継続的なプロセス改善

ソフトウェアデリバリープロセスの最適化

変化の激しい今日のビジネス環境にあって、ビジネスを支えるITシステムやソフトウェアは、高い品質を求められると同時に、その開発はますます短期化しています。そして、厳しい経済状況の中、企業のコスト意識もさらに高まっています。

いま、ソフトウェアやシステムのビジネスへの貢献に焦点を当て、ビジネス視点でソフトウェアデリバリープロセスを継続的に改善し、最適化することが求められているのです。

ビジネス視点での ソフトウェア&システム効果測定が求められる


日本アイ・ビー・エム株式会社
ソフトウェア事業 ラショナル事業部
畑 秀明
ソフトウェアやシステムの成功は、対象とするビジネスの目標を達成できているかにかかっています。ソフトウェアやシステムのビジネスへの貢献度を把握するためには、ソフトウェアデリバリープロセスが可視化され、的確に状況把握・分析を行えなければなりません。日本のIT部門におけるプロセス可視化の取組みは、欧米に比べてまだまだ遅れているといえましょう。ビジネス目標と照らし合わせ、ソフトウェアやシステムの効果を測るというところにまでは至っていないのです。

昨今の低迷する経済状況から、企業におけるコスト意識はますます高まっています。お客様からも、ソフトウェアやシステムの適正コストを測る手段がない、という話をよく耳にするようになりました。単にコストを抑えるだけではなく、そのコストが「適正か」を判断する材料がほしい、といわれます。

これらの判断において、企業のIT部門には3つの要素が関係します。1つ目は現在稼働あるいは使用している「システムやソフトウェア」、2つ目はそれらを構築、拡張、保守する「プロジェクト」、3つ目はこれら2つをよりよくする「改善活動」です。これらすべてがコストに直接関係し、コストの適正化に影響を与えます。

プロジェクトの活動もビジネス視点で見れば改善活動の1つと言えます。いずれの改善活動にもそこにはビジネスへの貢献度という視点が必要になってきます。やるべきか否か、どのくらいのコストをかけてどのくらいの効果を見込むべきか、これらの判断は全体のなかのバランスの問題があるため組織レベルで取り組まなけれななりません。それに対し、これまでプロジェクトごとでのさまざまな指標の測定、評価は行ってきてはいるものの、それらを束ねて改善活動として、さらにはビジネス視点で組織全体として総合的に判断するための仕組みや手段がないというのが実状です。

個々のプロジェクトごとではなく、組織全体としてビジネス視点でソフトウェアやシステムの効果を把握することが求められています。

測定から分析、予測へ。 IT組織全体として継続的にプロセスを改善する

IBMは、プロセスを測定し、継続的なプロセス改善によってビジネス目標を達成するためのフレームワーク、MCIF(Measured Capability Improvement Framework)を用意してお客様の改善活動を強力に支援します。

ソフトウェアデリバリープロセスをビジネスプロセスとして捉え、MCIFを適用し、継続的に改善することで、プロセスを最適化し、ソフトウェアデリバリーの早期化や品質向上といったIT部門全体の改革につなげることができます。標準化されたフレームワークを適用することで、人に依存しない一貫した改善アプローチとトレーサビリティを実現できます。ここで大切なのはこれらの改革がビジネス目標に紐づけられていることです。すなわち、ビジネス目標から改善活動、そしてその結果との間のトレーサビリティを明確にすることがこのフレームワークの価値です。

「アセスメント」として、まずお客さまに対してヒアリングを行い、直接関与するビジネス目標と現状を把握することからスタートします。何を解決したいか、課題を洗い出します。改善活動のゴール(目標)を設定し、定量的な指標を明確にした上で、施策の優先順位付けを行います。

「アクション」では、必要に応じて適切なプロセスの見直し、手法やツールを導入・使用し、アセスメントで設定した施策を実施に移します。

「ステアリング」では、進捗をモニターし、ゴールに照らし合わせて微調整を行うなど、ビジネス視点でプロセスを最適化します。可視化ツール(Rational Insight:後述)を用いて、ビジネス目標に照らしながら、プロジェクトにまたがってさまざまな視点から分析を行い、状況を把握し、意思決定を行います。

これら「アセスメント」、「アクション」、「ステアリング」のサイクルを繰り返すことで、IT組織全体として継続的なプロセス改善を行うことができます。ポイントは、ゴール設定のときに、計測できる定量的な指標を定めておくことです。そして、アクションとしての施策が終わってから評価を行うのではなく、施策を適用している複数のプロジェクトを横串にみて、組織全体として総合的にモニターし、計測された指標に基づいてこまめに評価し、調整すること、つまり「ステアリング」が大変重要になります。

何のために測定するか、それは「予測」するためです。プロジェクト単位の測定では、組織全体のトレンドは見えてきません。これまでプロジェクト単位でしか行ってこなかったことを、「ステアリング」では経営視点で行うことができます。予測することによって、意思決定の精度もスピードも高めることができます。


Measured Capability Improvement Framework

鍵はトップの強い意志。 定量的判断の重要性を認識すること

IT組織全体として継続的にプロセス改善を行うには、そのための体制が必要になります。組織レベルの改善には、トップの強い意志が重要です。実際に私どもが接するお客様は、多くの場合CIO、IT企画、経営企画などの方々ですが、最近は、プロセス改善モデルCMMI(Capability maturity model integration)のソフトウェアプロセス改善組織SEPG(Software Engineering Process Group)のような、プロセス改善を専門に行うチームを組織されているお客様も見受けられるようになってきました。ビジネス視点で継続的な改善を行うために、現場から一歩離れた第三者的立場の専門チームの組織化は有効な手段です。

いくら優れたツールを導入しても、目標設定があいまいだとプロセス改善はうまくいきません。定量的な指標をもつこと、そして何よりIT部門のトップが定量的判断の重要性を認識することが重要です。定量的な目標を立てて、定量的な計測を行っていてもトップがそれを判断に用いなければ徒労に終わります。トップの理解があって初めてプロセス改善に着手できますし、ツールも活きてきます。

ビジネス目標達成を支援するパフォーマンス測定/分析/可視化ソリューション

これまで、各プロジェクトのレベルでは、それなりにデータを集め、分析し、品質向上や効率化のための取組みがなされてきています。しかし、ビジネス視点でのIT組織全体としてのプロセス改善の取組みはまだこれからといえましょう。プロジェクト運営の日々のオペレーションの中で、個々のデータは集まっています。それらを1つのリポジトリーに集め、標準的な見方に落とし込む、そのことで組織全体としての生産性や品質の状況が見えてきます。それがパフォーマンス測定/分析/可視化ソリューションRational Insightのポイントです。経営者、部門長、プロジェクトマネジャー、それぞれの役割や組織に応じて、必要な情報をタイムリーに入手し、ビジネス目標達成のための方向性を導き出すことができます。

いま企業では、コスト削減とともに意思決定のスピードも求められています。製品開発サイクルも短期化しています。例えば3~ 4カ月でリリースするのに1ヶ月前のデータを参照していたのでは、的確な意思決定を行うことはできません。週次あるいは日次の正確なデータに基づいて、分析・判断を行うことが必要です。グローバルに分散開発を行い多様なRational製品を提供しているIBM Rational開発部門自身も、Rational Insightを使用して、ソフトウェアデリバリーのプロセス改善を行っています。Rational開発の統括リーダーは、Rational Insightによっていつでも状況把握ができるようになり、「以前は、月次の定例会議で現状の報告を聞くことに時間がとられていた。いまは会議前に状況把握ができてしまうので、アクションの検討のために時間をかけることができている」と話しています。

Rational Insightは、多くの実績をもつBI &パフォーマンスマネジメントソフトウェアCognosをエンジンとしています。Rationalソフトウェア群との連携はもちろんのこと、Excelをはじめとして他ツールからのデータの取り込みも簡単に行えますので、技術的にも安心してご利用いただけます。

多くのデータソースからさまざまな形式のデータを自動的に収集し、標準的な指標に自動的に加工・集約し、様々なロールの視点に応じた情報をリアルタイムに提供することがRational Insightの価値です。どのような情報をどのように判断に用いればよいか、というところにIBM Rationalが永年ソフトウェアデリバリーにおいて多くのお客様と問題解決に努力してきた知見が蓄積されています。「プロジェクトの情報をもとにビジネス視点で貢献や改善効果を計測する」点もまさにそういった知見から導かれているものです。

この領域は得てして短期的な効果が見込めない分野ですので、多くのお客様で優先度が低くされているのが残念ですが、長い間には必ず大きな効果をもたらす分野であることは間違いありません。


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