仮想化のメリット
近年、急速に普及し続ける仮想化技術は、IT業界だけではなく、ビジネスの世界においても大きな話題となっています。このトッピクでは、仮想化環境に対応しているWebSphere製品を紹介します。
まず初めに、仮想化とはサーバー、ストレージ、ネットワーク・リソース、OSなどの物理リソースを抽象化し、その仮想リソースを統合、または分割されているように見せかけ、新たな利用形態を可能にする技術のことです。

図1:仮想化の概要
仮想化技術によって企業や組織は、物理リソースを柔軟に、効率良く活用でき、ビジネス状況の変化に適応できる拡張性の高いシステムを構築することができます。リソースの効率的な利用は、サーバー台数の削減につながり、更にITコストの低下という利点をもたらします。
しかしながら、仮想化技術のメリットはシステムの物理リソースを最適化することだけではありません。今後、企業のシステム基盤においてより重要になってくるのは、アプリケーション・インフラストラクチャーの仮想化でしょう。アプリケーション・インフラストラクチャーの仮想化では、アプリケーションを固定された場所ではなく負荷状況に応じて最適な場所に移動して稼働させ、サーバー・リソースの使用率をより改善することでサーバー台数を更に減らすことができます。言い換えれば、アプリケーションの高可用性とアプリケーション・レベルでのリソースの最適化が同時に実現可能になります。
サーバーの仮想化とアプリケーション・インフラストラクチャーの仮想化の違いを明確にするために、比較してみましょう。例えばサーバーレベルの仮想化技術において、ホスト OSの障害を検知した時に仮想マシンを他のホスト上で再始動させるという機能があります。但し、アプリケーションサーバーの障害は検知できず対応しません。一方、アプリケーション・インフラストラクチャーの仮想化では最小のアプリケーションサーバー台数を常に確保し、アプリケーションが常に稼動していることを保証します。
ここで、仮想化環境に対応しているWebSphere製品を紹介します。
IBMが提供するWebSphere Application Server(WAS)は、Java EEアプリケーションを稼動させるための基盤となる製品であり、仮想化テクノロジーに完全対応しています。IBM Workload DeployerとWebSphere Virtual Enterpriseを用いると、WAS用サーバーを仮想化し、更にアプリケーション・インフラストラクチャーの仮想化も可能にします。
IBM Workload Deployerのご紹介
IBM Workload Deployerは、WASの仮想環境を構成・配布するハードウェア・アプライアンス製品です。
アプライアンスとは、特定の目的に特化した機能だけを持ち、OSや他のソフトウェアに依存せず、導入後に最低限の設定をしてすぐ使用できる機器のことです。
IBM Workload Deployerから配布されるWASの仮想イメージは、WAS Hypervisor Editionと呼ばれます。なお、WAS Hypervisor Editionは、IBM Workload Deployerからの配布だけでなく単体での利用も可能です。

図2:IBM Workload Deployerの基本的な機能
IBM Workload Deployerを使えば図2のように、大規模な環境上に複数台のアプリケーションサーバーを効率的に、圧倒的な速さで構築することができ、これは導入・構築の手間やコストの大幅な削減に繋がります。IBM Workload Deployerは、サーバーレベルの仮想化をサポートする位置付けになります。
WebSphere Virtual Enterpriseのご紹介
更に、WASの仮想環境を管理・監視するWebSphere Virtual Enterpriseという製品を使えば、アプリケーション・インフラストラクチャーレベルの仮想化を実現できます。

図3:WebSphere Virtual Enterpriseの基本的な機能
WebSphere Virtual Enterpriseでは、アプリケーションサーバーの一元的な運用・監視を行い、負荷状況に応じて動的にリクエストを分散させリソースを最適化する、障害時に自動回復させる、などといった仮想化されたアプリケーション基盤に対する最高レベルの管理・監視機能が提供されます。WebSphere Virtual EnterpriseはWAS以外に、Oracle WebLogic Server、JBoss、Apache TomcatなどHTTP リクエストを受信可能なあらゆるアプリケーションサーバーと連携可能です。他ベンダーのアプリケーションサーバーを起動・停止させる管理コマンドをWebSphere Virtual Enterpriseがテンプレートとして持っているため、これらのアプリケーションサーバーの稼動状況をブラウザー画面から確認でき、起動・停止などの操作の一元管理ができるようになっています。
クラウド・コンピューティングについて
更に、仮想化されたIT基盤そのものおよびその上で動くソフトウェア製品を、ネットワーク経由でサービスとして提供又は利用する、いわゆるクラウド・コンピューティングが最近注目を集めています。ネットワークを介するという特徴から、実際のシステムがどういう構成になっているかを意識することなく雲の向こう側からITサービスを利用するという意味で、クラウド(雲)コンピューティングと呼ばれています。

図4:クラウド・コンピューティングの概要
クラウド・コンピューティングの利用形態として、企業内のネットワーク環境範囲で利用可能なプライベート・クラウドと、インターネット上で提供されるパブリック・クラウドがあります。パブリック・クラウド・サービスの代表として、Amazon.comの「Amazon Web Service」、Salesforce.comの「Force.com」、Microsoftの「Windows Azure」、IBMの「IBM Smart Business Cloud」等があります。
クラウド・サービスは以下の3つの種類にカテゴライズされます。
Software as a Service:
ソフトウェアをネットワーク経由でサービスとして提供
Platform as a Service:
ソフトウェアを構築・稼動させるための基盤環境をネットワーク経由で提供
Infrastructure as a Service:
仮想化されたメモリー、CPU、ストレージ、OSなど、システムを構成するためのハードウェア・リソースをネットワーク経由で提供
WASの場合は、上記の3カテゴリーの内PaaSとしてパブリック・クラウドでも、プライベート・クラウドでも活用することが可能です。Amazon EC2サービスやIBM Smart Business CloudサービスではWASのイメージ・ファイルがPaaSとして提供されています。WAS以外にもWebSphere Portal Server、WebSphere sMash、IBM DB2などの製品イメージが提供されています。
WASはパブリック・クラウドだけではなく、プライベート・クラウドでも活用することが可能であり、上に紹介したIBM Workload DeployerとWebSphere Virtual Enterprise製品を使い企業内のパブリック・クラウド上にアプリケーション基盤を効率良く、速く、安く構築および管理することができます。
IBM、IBMロゴ、ibm.com、DB2およびWebSphereは、世界の多くの国で登録されたInternational Business Machines Corporationの商標です。他の製品名およびサービス名等は、それぞれIBMまたは各社の商標である場合があります。現時点でのIBMの商標リストについては、www.ibm.com/legal/copytrade.shtml(US)をご覧ください。
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