IBM WebSphere MQ File Transfer Edition V7.0は、ファイル・サイズに関係なくITシステム間でファイルを転送できる、信頼性の高いマネージド・ファイル転送(Managed File Transfer: MFT)ソリューションを提供します。
概要
- WebSphere MQによる信頼性の高いマネージド・ファイル転送(MTF)を提供します
- メッセージング用とファイル転送用のインフラストラクチャーを1つのバックボーンに集約できます
- サイズに関係なく複数のファイルを一括転送できます
- 監査のために転送アクティビティーをログに記録します
- ITシステム間でのファイル転送を自動化し、制御できます
- 転送の構成と進捗の監視をリモート環境から実行できるように、MQ Explorerのグラフィカル・ユーザー・インターフェースを拡張します
- プログラムによって転送を制御するための、オプションのスクリプト機能をサポートします
- SOAに対応したアプローチにより、Enterprise Service Bus(ESB)にファイルを転送できます
- MQとConnect:Directの複合ソリューション全体でMFTを実現します
- 既存のConnect:Directネットワークとの間でファイルを転送できます
- 既存のConnect:Directネットワークとの間で転送されるファイルに対する可視性を提供します
- IBM AIX、HP-UX、Linux on x86、Linux on System z、Oracle Solaris、Microsoft Windows、z/OS オペレーティング・システムをサポートします。詳細はシステム要件のページに記載されています。
IBM Sterling Connect Directとの統合
WebSphere MQ File Transfer Editionを導入することで、企業は総合的なマネージド・ファイル転送(MFT)環境を構築し、MQ FTEとC:Dエンドポイントの間でファイルを転送できます。結果として、企業は既存の社内 MFT(MQ FTE)と外部のMFT(Connect:Direct)を活用できるようになり、コストを削減し、単一メッセージング・バックボーンへの統合をサポートできます。
ITコストの削減
多くの企業は、アプリケーション間でデータをファイルとして転送するシステムの構築と保守に貴重なITリソースを費やしています。これらのソリューションの大半は、シンプルかつ無償で利用できるファイル転送プロトコル(FTP)をベースとしています。FTPは、時々更新され、一元的に管理されるソース・ファイルに対して複数のアプリケーションがアクセスするようなファイル共有には適していますが、多くの企業が求めているのは、ビジネス・プロセスの一部としてアプリケーション間で転送されるファイルに適用できる別のソリューションです。転送量が急増し、ビジネス・データの誤転送に起因するエラーが増えている状況では、信頼性が高く、柔軟で、コスト効率に優れたマネージド・ファイル転送(MFT)ソリューションの重要性は、あらゆる規模の企業において、かつてないほど高まっています。FTPをベースにファイル転送ソリューションを自社開発するアプローチが一般化している現状について、業界アナリストは次のように述べています。
「驚いたことに、最も広く採用されているアプローチがカスタムビルトの自社開発ハードコーディング AI(アプリケーション統合)ソリューションであり、その大半で無償のFTPソフトウェアが使用されていることが判明しました。このようなリンクの構築には2倍から4倍の時間と労力がかかり、メンテナンスやサポートについても同様の手間がかかります。また、安全性が低く、不安定でぜい弱です。このアプローチに大きく依存している企業は現在も数多く存在するようですが、これらの企業が自社のアプリケーション・インフラストラクチャー内に構築したリンクは、本質的に弱いものです。開発とサポートのための貴重なリソースを理由もなく無駄にしてきたことにもなります。」
ファイル転送のバックボーン
WebSphere MQ File Transfer Editionは、構成、管理、監査の簡略化に役立つ、ファイル転送のバックボーンを提供します。ファイルを転送する上で、ソース側のシステムとターゲット側のシステムを直接接続する必要はありません。ファイルの転送先は、構成ツールやファイルのソース側に直接接続されないように構成できます。WebSphere MQは、リモート・キュー・マネージャーによる解決結果を利用して、ファイル・データがたどるべき最適パスを決定します。WebSphere MQ File Transfer Editionでは、転送先の名前としてWebSphere MQの使用経験が浅いユーザーでも理解できる適切な名前(「Head Office」など)を付けることができます。ソース側とターゲット側の間のネットワーク・パスは、バックボーンによって決定されます。WebSphere MQは、WebSphere MQ トランスポートのこの特性を利用して、バックボーン上の任意のポイントから別のポイントへのファイル転送を実現しています。この特性により、一連のシングル・ホップを調整/監査するのではなく、バックボーン上の複数のホップによってファイルを転送/追跡できます。これにより、任意のポイントから制御と監視を実行できるようになり、たとえば、バックボーン上の中間のポイントから行うこともできます。転送の監査ログは、実際の論理ソース/ターゲットで記録されるため、一連の不連続な転送からの監査証跡をつなぎ合わせる必要はありません。バックボーンにより、可用性やパフォーマンスなどのパラメーターに基づいてファイル・トラフィックをインテリジェントにルーティングできます。
ソース側/ターゲット側で監査可能なファイル転送
WebSphere MQ File Transfer Edition V7.0.4では、ファイル転送のログを参照できます。これにより、企業はファイル内のビジネス・データがソース側からターゲット側のファイル・システムに確実に転送されていることを確認できます。複数のキュー・マネージャーによるサブスクライブに対応しているので、監査ログを複数の場所で保存できます。監査ログは、WebSphere MQ Explorer用のプラグインを使用してリモート環境から表示できます。1つまたは複数のアプリケーションを監査ログのサブスクライバーとして登録し、ログ・レコードのデータを抽出して任意の場所に保存させることができます。たとえば、監査ログをSQLデータベースにロードできます。
随時のファイル転送
WebSphere MQ File Transfer Edition V7.0.4では、ユーザーが Web 2.0 RESTful アプリケーションまたは Eclipse グラフィカル・ツールを使用して、任意のタイミングでファイル転送を実行できます。また、事前に指定した時刻にファイル転送が自動的に実行されるようにスケジューリングしたり、ファイル・システム・イベント(ディレクトリ内での新規ファイルの作成など)の発生に応じて実行させることもできます。Eclipseベースのグラフィカル・ツール以外にも、プログラムとスクリプトの作成に対応したインターフェースを使用すれば、あらゆる種類の転送を作成して利用できます。
信頼性の高いファイル転送
ファイル転送の信頼性が高ければ、ファイル・データの整合性が維持され、ビジネスの中断が減少します。基本的なFTPには、データの確実な伝送に必要な機能が不足しています。受信側に整合性チェック機能がないため、受信したファイルが完全であるかどうかを検証できません。ファイル転送の中断は、チェックポイント/再始動のメカニズムによって検出され、転送は成功するまで手動操作なしで自動的に再試行されます。IBMのマネージド・ファイル転送(MFT)は、接続性のバックボーンで業界をリードするWebSphere MQから始まっています。MQ トランスポートの信頼性は、特許を取得したテクノロジーと、確固とした2段階コミットの手法に基づいています。MQは、すでに世界の10,000カ所以上のサイトに導入され、毎日何兆ドルもの価値のデータの転送に利用されており、メッセージング接続性の分野のリーダーとして15年以上にわたって確かな信頼性を獲得しています。
時間に依存しないファイル転送
時間に依存しないファイル転送は、ファイルを生成/使用するアプリケーションの生産性を向上させる上で役立ちます。時間に依存しなければ、ソリューション・コンポーネントをいつ利用できるかに関係なく、ファイル転送を実行できます。たとえば、ネットワーク障害などが原因でアプリケーションがビジー/使用不能/切断状態になることもありますが、ファイル転送アプリケーションは、送信側、受信側、ネットワークが常に利用可能であることを前提にすることができます。WebSphere MQ トランスポートの主要特性であるこの非同期的動作により、ITアーキテクチャーの各要素間の結合をより緩やかなものにすることができます。送信側アプリケーションがリモート・コンピューターにファイルを送信する上で、受信側は必ずしも利用可能な状態である必要はありません。送信側アプリケーションは、ファイルの転送中も作業を継続できます。ネットワークが中断されている場合の処理と、ネットワーク復旧後の転送の再開は、バックボーンによって行われます。送信側と受信側は、どちらも転送の完了を待たずに作業を継続できます。
イベント駆動のファイル転送
イベント駆動のファイル転送では、ファイル・データ、監査ログ、進捗、アラートを柔軟に配布できます。ファイル、転送ステータス、進捗、監査データの送信先は、関心事が登録されているアプリケーションに基づいて動的に決定できます。この機能は、WebSphere MQに組み込まれているパブリッシュ/サブスクライブ・テクノロジーを利用しています。これにより、構成が簡単になるだけでなく、ファイル転送のソース側とターゲット側の存在と詳細がコーディネーション・センターにパブリッシュされ、ファイル転送のソース側とターゲット側の宛先をツール環境が自動的に検出できます。また、関心事が登録されているアプリケーションやツールに対し、関連するステータスや監査ログ情報をブロードキャストすることで、イベントの発生に応じてアラートを生成することもできます。これらの情報を複数の場所にブロードキャストし、たとえば、監査ログのバックアップとして利用できます。
一元的な構成
MQのEclipseベースのグラフィカル・ツールであるWebSphere MQ Explorerを使用することで、論理的に一元化された環境からリモート分散バックボーンを構成できます。これにより、z/OS上の部分も含め、MQバックボーン全体をリモート環境から表示/構成できます。WebSphere MQ File Transfer Editionでは、グラフィカル・ツールはWebSphere MQ Explorer環境に統合されており、このツールの対象は、ファイル転送の構成、監査ログ、進捗ステータスにまで拡張されています。WebSphere MQ Explorerとファイル転送用プラグインは、Linux x86とMicrosoft Windowsでサポートされます。MQ Explorerを使用することで、WebSphere MQをリモート構成することができ、ファイル転送用プラグインを適用すれば、ファイル転送をリモート環境から構成/追跡できます。
ゼロ・コーディング
ゼロ・コーディングのアプローチは、ソリューションの迅速なデプロイと必要スキルの軽減を通じて、より多くの部門でのインフラストラクチャーの活用に役立ちます。WebSphere MQ File Transfer EditionにはWebSphere MQ Explorerベースのグラフィカル構成ツールが用意されており、プログラミングなしで迅速かつ簡単に転送を定義できます。このため、統合ミドルウェアやメッセージング・ソフトウェアの概念に詳しくないユーザーもファイル転送を構成できます。
ファイル転送の監視
WebSphere MQ File Transfer Edition V7.0は、ファイル転送のステータスをキャプチャーし、グラフィカル・ツールのインターフェースを介してリモート環境のダッシュボードに現在のステータスを表示します。転送ステータスと進捗メッセージはアプリケーションによるサブスクライブに対応しているので、カスタム仕様の進捗モニターを作成したり、転送停止などのイベントに対する具体的な対応を作成できます。
プログラムによる制御のためのスクリプト作成
プログラムによって転送を自動制御できるように、上級ユーザー向けにスクリプト言語が用意されています。WebSphere MQ File Transfer Edition V7.0には、サポートされるオペレーティング・システムのシェル環境から呼び出すことができる、一連のコマンドがあります。開発者は、これらのコマンドを実行できるOS上で、任意のネイティブ・スクリプト言語を使用できます。
WebSphere MQの段階的拡張
分散プラットフォームでは、WebSphere MQ から WebSphere MQ File Transfer Edition V7.0へのライセンス・トレードアップを利用できます(WebSphere MQ V7.0のフル・ライセンスを含みます)。このトレードアップでは、WebSphere MQ File Transfer Edition V7.0がサポートしているバージョンであれば、WebSphere MQの再インストールは必要ありません。WebSphere MQ File Transfer Edition V7.0では、WebSphere MQ V6.0とWebSphere MQ V7.0がサポートされます。IBM System z で z/OS上でWebSphere MQ File Transfer Edition for z/OS V7.0を使用するには、WebSphere MQ for z/OSが必要です。
集約されたトランスポート・バックボーン
メッセージング・ベースのマネージド・ファイル転送(MFT)を導入することで、ファイル、文書、メッセージング・トラフィックのそれぞれに対応した個別のメカニズムを、すべてのトラフィック・タイプに対応した単一トランスポートに集約できます。信頼性の高い1つのバックボーンを使用することで、メッセージ用とファイル用の個別のネットワークをデプロイ/管理する手間が軽減され、業務効率の向上につながります。WebSphere MQ File Transfer Edition V7.0は、集約された1つのインフラストラクチャーでメッセージとファイルを転送するための複合ソリューションを提供します。これにより、ファイル転送に関する現在の問題を解決するのと同時に将来の基盤を構築するという、二重の効果が得られます。WebSphere MQ ファミリーは、メッセージ用の1つの汎用接続性バックボーンを提供し、ファイル、文書、メッセージ、サービス間相互作用、イベント、Web 2.0 トラフィックを1つに統合します。
ESBへのファイル転送
WebSphere MQ File Transfer Edition は、Enterprise Service Bus(ESB)との間で信頼性の高い方法でファイル/文書を送受信できるようにすることで、IBMのESB ポートフォリオを補完します。これにより、メディエーション、変換、ルーティングなどのESBの機能をファイルに適用できるようになります。IBM WebSphere Message Broker V6.1には包括的なファイル処理機能が用意されていますが、これはマネージド・ファイル転送(MFT)用のものではなく、変換/メディエーション/高機能化によってMFTを補完するための、ファイル・データ用に特別に設計された処理機能です。WebSphere Message Brokerは、マネージド・ファイル転送(MFT)やFTPなど、どのメカニズムでファイルをブローカーのローカル・ファイル・システムに転送したかに関係なく、これらの処理機能をファイルに適用できます。WebSphere Message Brokerは、大規模ファイルの処理にネイティブ対応しているため、ストレージを過度に使用することなく、大規模で複雑な、繰り返されるファイル・レコードをシンプルに処理できます。ファイルは、FTP経由、またはWebSphere MQ File Transfer Edition V7.0によるマネージド・ファイル転送を通じてWebSphere Message Broker V6.1に転送できます。WebSphere Message Broker V6.1でのファイル処理の詳細については、IBM WebSphere Message Broker V6.1とIBM WebSphere Message Broker for z/OS V6.1の発表レターを参照してください。
WebSphere MQ FTEに関するダウンロード
- Redbook: IBM WebSphere MQ File Transfer Edition Solution Overview(US)
- インタラクティブ・カタログ: FTPの先にあるもの ‐ WebSphere MQ FTE(US)
- ホワイト・ペーパー: ビジネス・リスクの軽減、IT生産性の向上を実現するSOA対応のマネージド・ファイル・トランスファー・ソリューション(568KB)
- Redbook: IBM WebSphere MQ File Transfer Edition Solution Overview(US)
- ガートナー社のレポート: Gartner 2009 Magic Quadrant for Managed File Transferでリーダーとして位置付けられたIBM(US)
- Redbook: WebSphere MQ V7.0 Features and Enhancements(US)
IBM、IBMロゴ、ibm.comおよびWebSphereは、世界の多くの国で登録されたInternational Business Machines Corporationの商標です。他の製品名およびサービス名等は、それぞれIBMまたは各社の商標である場合があります。現時点でのIBMの商標リストについては、www.ibm.com/legal/copytrade.shtml(US)をご覧ください。


