効率的なビジネス処理を実現する統合ミドルウェア
IBM i 稼働環境におけるデータベースとミドルウェアの統合設計により、固有のビジネス価値がもたらされ、UNIX® やWindows® のようなコンポーネント稼働環境とは区別されます。この固有の価値は、ビジネス・アプリケーションの実行に必要な大部分の基礎ミドルウェア・コンポーネントをIBMがあらかじめ統合し、テストすることにより得られます。例えば、IBMは、SQL 標準ベースのDB2® for i データベースをインストールし、先進のデータベース管理ユーティリティーと統合します。さらに、複数のファイル・システム・オプション、ディレクトリー機能、Apacheで稼働するHTTP Webサーバー、Webサービス環境などのミドルウェア・コンポーネントも追加します。また、IBMは、Webベース J2EE アプリケーション・サービス用に、WebSphere® Application Server ExpressもIBM iで提供します。通常、企業は、DB2機能を内蔵したIBM iを購入しますが、IBMは、DB2 データベースを使用しないワークロードを導入する企業向けに、IBM iのアプリケーション・サーバー・ライセンスも用意しています。
IBM DB2 for i は、トランザクション処理アプリケーションとビジネス・インテリジェンス・アプリケーションの背後で、ビジネス・データ用に拡張と保護が容易な環境を提供します。DB2は、IBM i、Windows、UNIX、またはLinux® のいずれで実行されるかにかかわらず、SQL、.NET、DRDA/CLI、ODBCおよびJDBCなどの標準ベースのインターフェースを介したアクセスで、アプリケーションにデータを提供するのに使用できます。
DB2 for i は、ビジネス・アプリケーションのパフォーマンスと信頼性の向上に役立つ幅広い機能を提供します。例えば、DB2は、オブジェクト・リレーショナル・テクノロジーを提供します。これは、データベース内の大型の非リレーショナル・オブジェクト (イメージ、オーディオ、XML文書など) の管理を可能にするテクノロジーです。また、SQL 業界標準に基づいて照会を管理するための幅広いツールも提供します。DB2 拡張並列処理および照会最適化手法は、分析目的に非常に大規模なデータベースの利用もサポートします。
IBM iにおける DB2 データベースは、オペレーティング・システムにおけるその他の多くのコンポーネントと同様に使いやすいグラフィカル・インターフェースを使用して管理されます。オンライン・データベース保守は、ユーザーがデータベースにアクセスし、利用している間に実行されるよう設計されているので、定期的な保守のための停止をスケジュールしなくて済むというメリットがあります。高度なデータベース監査ユーティリティーも、レポートとデータ準拠要件に従うのに必要な情報を収集します。
DB2 リレーショナル・データベースに保管されているデータの処理に加えて、IBM iには、WindowsおよびUNIX オペレーティング・システムと同じような方法でファイルのストレージ管理をサポートする統合ファイル・システムもあります。この統合ファイル・システムは、11個の異なるファイル・システム (UNIX、WindowsおよびNFSを含む) との階層ディレクトリー構造と管理インターフェースを提供します。それぞれに、ストレージ内の情報と対話するための独自の論理構造とルールのセットがあります。独自のネイティブ・ファイル・システム・テクノロジーのみを重視するシステムと比較すると、IBM i 統合ファイル・システムにより、企業は、さまざまな稼働環境から一連のオープン・アプリケーションとの統合をはるかに柔軟に行うことができます。
仮想化による、複数のアプリケーションとプロセスの管理
IBM i 環境の効率にとって、複数のビジネス・プロセスとアプリケーションを高い信頼性と安全性で実行できることが重要な要素です。実際、複数のオペレーティング・システムを使用する大企業の調査で、IBM i ベース・サーバーでの使用率が、インテル® プロセッサー・ベース・サーバーと比較すると10倍を超え、UNIXやその他のミッドレンジ・ベース・システムの2倍を超えることが判明しました。この高いIBM iの使用率は、実績のあるさまざまな仮想化テクノロジーの使用により達成されています。例えば、サブシステム (複数のワークロードが単一のオペレーティング・システム・イメージで管理される) や、論理区画 (複数のワークロードが独立したオペレーティング・システム・イメージで管理される) などです。
サブシステムはIBM i インスタンス内の独立した稼働環境であり、これを使用して、システムはジョブ、プロセスおよびアプリケーションに対するワークフローやリソースの使用を調整し、自動的に管理します。システムには複数のサブシステムが含まれ、各サブシステムに、指定されたシステム・リソース (メモリー・プールやプロセッサー優先順位など) を割り当てることができます。また、複数のWeb、バッチおよびトランザクション処理アプリケーション・コンポーネントの分離に日常的に使用されます。このサブシステムは、特定のワークロードに合わせて手動で調整できますが、大部分の企業では、IBM iに日常のサブシステムの優先順位付けやワークロード・バランシングを自動的に処理させています。
マイクロ・パーティショニングによる仮想化により、IBM i、IBM AIX® またはLinuxの複数のイメージを同一システムで実行することができ、リソースはIBM POWER™ Hypervisorによって自動的にバランス調整されます。UNIXおよびインテル・プロセッサー・ベース・システム上における大部分の企業の仮想化実装環境とは異なり、POWER プロセッサー・ベースのマイクロ・パーティショニング™ は、直接、実績のあるIBM メインフレーム・ハイパーバイザー・アーキテクチャーをベースにしています。POWER Hypervisor実装環境では、オペレーティング・システムの機能が、システム・ハードウェア・リソースの管理を扱うパフォーマンス最適化ファームウェア層から実際に分離されることが確実になります。POWER Hypervisorは、各オペレーティング・システム区画 (IBM i、AIXまたはLinuxのいずれか) が完全に独立し、保護されていることを保証します。プロセッサーごとに最大10個の区画を定義可能であり、区画間でプロセッサー・リソースの動的または自動的なバランス調整が行われます。IBM iを導入している企業は、論理区画を使用してビジネス・アプリケーションを日常的に導入し、過去10年間にわたるIT操作を最適化してきました。
優れたビジネス回復力を実現するための最適化
多くの企業にとって、ビジネス・プロセスの回復力、および複数のビジネス・ユニットの厳しいサービス・レベルに対応し、それを超える能力が、最優先課題です。長年にわたり多くの企業で、IBM i は、回復力のあるアプリケーション導入に対して、業界最高の稼働環境の1つとして高く評価されてきました。企業は、最も重要なビジネス・アプリケーションの導入にIBM i 稼働環境を安心して日常的に利用しています。
最も厳しい回復力の要件に対処するために、IBM i はクラスタリング・アーキテクチャーを備え、アプリケーション処理の連続した可用性を提供する複数の導入オプションがあります。例えば、IBM iには、リモート・データベース・ジャーナリングとサイト間ミラーリング機能のオプションが組み込まれています。これは、トランザクション・レベルとディスク・レベルの両方でシステム間のクラスター化を行います。これらの機能は、回復力を専門とするISVから利用可能な幅広いビジネス回復力ソリューションによって拡張され、強化されてきました。また、これらのISVは、IBM i クラスター・アーキテクチャーを利用し、追加のクラスター管理ツールをインプリメントしてきました。
監査と準拠ツールを使用した信頼性の高いセキュリティー
WindowsとUNIX ベース・サーバーを実行する企業にとって、セキュリティーとウィルス管理は時間とコストの点で大きな課題となっています。secunia.comによると、IBM iへのセキュリティー勧告は、Microsoft® Windows Server® やUNIX 稼働環境よりもかなり少ないという長期的な実績があります。
導入しやすいオブジェクト・ベースのIBM iセキュリティー・モデルは、非常に安全なシステム環境の導入と管理を行うための総合的な機能を提供します。そのオブジェクト・ベースのアーキテクチャー設計は、(ハードウェア・ストレージの保護による) オペレーティング・システム・コードが変更されないように保護するほか、ウィルスの一般的な原因であるファイルに保管されている実行可能な命令の実行を防止することによって、ウィルス耐性を提供します。また、IBM i は、内蔵の侵入検出機能によりハッカーからデータを保護するのにも役立ち、セキュリティーの変更と違反を追跡する監査ジャーナルを備えているので準拠と監査に役立ちます。もちろん、IBM i は、データ暗号化オプションと一般的なネットワークのネットワーキング標準 (SSLおよびVPNを含む) をサポートしています。さらに、ビジネス・セキュリティー・ポリシーの作成、導入、および準拠に役立つ、IBMやISV ツール・プロバイダー製の追加ツールも複数サポートしています。
オープン・アプリケーション設計を選択可能
IBM i は、幅広いオープン・アプリケーション・オプションをサポートする統合言語環境を提供し、最善の組み合わせのIBM Rational® 開発ツールと共に、IBM ツール・パートナーからの幅広いオプションも備えています。IBM i用に作成されたISV ソリューションは、通常、トランザクション処理用に最適化された開発言語の組み合わせ (C、RPG、COBOLおよびC++など) と共に、Webベースおよびオープン・ソース・アプリケーション用に最適化された環境 (Java™、PHP および MySQL データベースなど) を使用して導入されます。
IBM iの統合言語環境により、企業は、既存のアプリケーション資産を利用すると同時に、さまざまなオープン・テクノロジーを使用した新しいビジネス機会を活用することができます。さまざまなテクノロジーを使用して、サービス指向アーキテクチャー (SOA) を実装し、従来のトランザクション処理言語環境を今日のオープン・ソース・テクノロジーと統合することができます。また、従来の言語アプリケーションをWebサービスとして提供したり、他のシステムで実行されるWebサービスに容易に接続することもできます。JavaおよびPHPは、多数のアプリケーションやコンポーネントを使用してIBM iで強力なオープンWeb アプリケーション環境を提供します。PHPはその使いやすい開発方法により、IBM iに投資してきた企業に自然に適合して、迅速な配置および既存のビジネス・アプリケーションとの簡単な統合を実現します。
IBM iには、AIX アプリケーション用のランタイム (ポータブル・アプリケーション・ソリューション環境) も組み込まれているので、システムへのUNIX アプリケーションの移植がさらに簡単になります。PASE ランタイム環境では、UNIX システム全体の複雑な管理なしに、選択されたUNIX アプリケーションを実行できるようになります。これは、強力なスクリプト・ツールを提供する業界標準および事実上の標準のシェルやユーティリティーに付属しています。
また、IBM iには、強力なコマンド言語 (CL) も付属しています。CLは、バッチ処理やジョブ・スケジューリングの導入などの、複雑な操作の自動化に一般に使用されます。
シンプルな操作とストレージ管理
IBM i は、使いやすく強力なシステム管理機能で高く評価されています。通常、企業は、UNIXやWindows ベース・システムと比較して、IBM iの管理に必要な管理者数の削減を求めています。IBM i Navigatorは、Windowsまたはブラウザー・ベースのグラフィカル・インターフェースであり、最小限のスキルとリソースでシステムの管理を可能にします。さらに、IBM iに付属しているIBM Directorも、異機種混合システムの管理に役立ちます。
ストレージ管理ソフトウェアも、IBM i 稼働環境の主要要素であり、UNIXやWindows ベースのシステムと比較して、根本的な稼働メリットがあります。UNIXやWindowsとは異なり、IBM iで実行されるアプリケーションは、ディスク・ドライブに直接アクセスしません。代わりに、IBM i は、複数のディスク・ドライブ全体でデータのストレージを自動的に管理し、バランスを取ります。自動化されたストレージのバランス調整により、パフォーマンスが最適化されると共に、企業はディスク装置の再編成や、未使用スペースの再利用のためのディスクのデフラグをしなくても済みます。もちろん、IBM iでは、RAID-6やミラーリングを含めて、各種回復力オプションにより、ディスク・ストレージの保護も可能です。
また、AIXおよびLinux 論理区画、またはIBM BladeCenter® で稼働するWindows ベース・ブレード用のストレージをホスティングすることによって、IBM i 拡張ストレージ管理機能の価値を他の稼働環境にも広げることができます。
スムーズなビジネス拡大を可能にする拡張容易性
IBM i は、企業がそのIT投資回収率を最大化するのに役立つ、さまざまな拡張オプションを備えています。スムーズな拡大に最も重要なのは、IBM i Technology Independent Machine Interface (TIMI) です。これは、アプリケーションとハードウェア (プロセッサーやディスクなど) との間に保護層を提供します。IBM i TIMIは、長年にわたりテクノロジー世代で実績を収め、アプリケーションがハードウェアやプロセッサー・テクノロジーの変更の影響を受けないように保護し、再コンパイルなしにアプリケーションのアップグレードを可能にしてきました。また、IBM i は、直前の2つのIBM i リリースからのソフトウェア・アップグレードを直接サポートします。システムは、システム・データ構造やその他のオブジェクト特性を新しい稼働レベルに自動的に変更します。
Capacity on Demandは、スムーズなビジネス拡大の追加援助機能です。業務処理を中断することなく、追加の内蔵プロセッサーを活動化することができます。IBM iでCapacity on Demandを使用する場合は、パフォーマンス向上を利用するために稼働環境も、データベースまたはアプリケーションも再起動する必要はありません。
