景気の低迷、顧客ニーズの多様化の中、激変する市場のなかでの生き残りをかけ、企業は今、新たなビジネス構造への改革を迫られています。
今回は、そのなかの一つの手法として注目をあびているカスタマー・リレーションシップ・マネジメント(以下CRM)を取り上げ、企業として実際にどのように取り組んでいけば良いのかを解説していきたいと思います。
1.カスタマー・リレーションシップ・マネジメント(CRM)の背景
CRMの背景

1970年代、そして1980年代を通じて、日本の企業は品質の高い製品を大量に販売することで、ビジネスを拡大してきました。高品質な製品の提供により顧客の満足度や市場での競争力を高め、いかにしてこのような製品を効率よく大量に生産し市場に出していくかといったことを、経営者は最大の課題としてきました。
ところが、1990年に入ると市場に大きな変化が見られるようになりました。
消費者のニーズが多様化し、それぞれの要求にあった付加価値を求め、製品を「選んで」購入する傾向が出てきました。
消費者は気に入ったものを、しかも気に入ったところで買い求めるようになり、企業からみると、「作った分だけ売れる」時代から「消費者の望む物しか売れない」時代が到来したのです。
又、価格や品質改善による他社との差別化も限界に達し、スピードや、顧客にとっての何らかのバリューがビジネスを左右する大きな要素になりました。加えて、インターネットに代表される情報技術の発展や規制の緩和などの社会的要因に影響され、企業を取り巻く環境そのものが大きく変化してきたのです。
これまでのような「製品志向」のままでは生き残りが厳しい時代に突入したのです。
企業は顧客とのリレーションを深める事により、顧客の満足度を高める製品・サービスを提供し、生涯を通じて愛顧を得るような「顧客中心」の志向、すなわち『なじみ客』をつくり、それを維持していくような経営に変革していく必要がでてきたのです。
それを実現するのがカスタマー・リレーションシップ・マネジメント(CRM)です。
最近の情報テクノロジーの発展により、ますますその実現性が増しています。
更に、「顧客中心」の観点でビジネスをおこなっていくことは、企業が最小限のコストで、効率よくビジネスを展開していくことを可能とします。
CRMは消費者と企業双方にメリットをもたらす仕組みであると言えます。
次回は、CRMとは具体的にどのような経営手法なのか、について詳しく触れてみたいと思います。
