第2回目の今回は、CRMの考え方、目的、そしてそのメリットについて触れてみます。
先ず、下の図をみてください。
<CRMの原点>

これがCRMです。
この寿司屋は、「3丁目の田中」と聞いて、「どこに住んでいるどの田中さん」か特定し 、「いつものとおり・・・」という言葉から今回の注文が何であるのかを察知します。 また、これまでの取引きにより「そのうち2つがわさび抜き」であるという顧客の構成や好みなどの 細かい情報まで把握しています。更にはこれらの情報を、「ご主人の好きなマグロ」を追加で入れておくといった新たなサービスに結び付けているのがわかります。
田中さんは、この寿司屋なら自分の事を十分に把握してくれており、より木目細かいサービスが受けられるという信頼感を持っているので、お寿司を食べる時は必ずこの寿司屋に注文を します。一方、寿司屋にとってもすっかり「なじみ客」となっている田中さんの事は、どこに住んでいるといったことはもちろん、家族構成や、いつどのような注文をこれまでに受けたか、どのような魚が好みなのかまで把握しているので、田中さんが喜ぶサービスを提供し、更なるご愛顧の獲得に結びつける事が可能になります。
CRMとは、顧客を『個』としてとらえることから始まります。顧客のことを十分に理解し、その顧客一人一人にあった製品ないしはサービスを提供することにより継続したビジネスへとつなげていくことを目的とした経営手法です。
この考え方は新しいものではなく、日本では古くからお米屋さんやお酒屋さんなどの「お得意様」相手の商売で長い間実施されていました。
商品の質や価格のみを競争力とするわけにはいかなくなった今、顧客の視点にたったCRM型ビジネスプロセスへと変革し、一人の顧客から『最小のコストにて最大限の利益』を得る仕組みをつくることが、企業の勝ち残りのために必須となってきます。
CRMを実施することにより得られるメリットをまとめてみます。
顧客にとってのメリット
- 自分の好みがわかってもらえる安心感がある
- 「個」の客として扱ってもらえる満足感がある
企業にとってのメリット
- 継続した売上げが見込める
- 顧客毎の販売戦略が可能になる → ターゲット・マーケティング
- 市場や顧客のニーズに迅速に対応できる
過剰在庫の削減、仕入れ予測などの精度の向上 → 利益率の向上
CRMは、「なじみ客になり」納得のいくサービスを受けたいと願う消費者と、「なじみ客を増やし」継続したビジネスに結び付けたいとする企業側の、双方の価値を一致させる仕組みです。 それでは、実際のビジネスの中で「なじみ客」を作るにはどうすれば良いのでしょうか?
次回は、「なじみ客」を生み出すCRMの基本的な仕組みをご紹介します。
