目次
- 1. "ERP"ってなに?
- 2. ERP出現の背景
- 3. TO BE OR NOT TO BE ? ERPにするべきか、否か?
- 4. ERPをとりまく情報システムのひろがり選択中,
- 5. ERP導入を成功させる為に

これまでも繰り返し述べてきました通り、ERPは生産、販売、会計など企業の基幹業務全体を対象とした情報システムではありますが、勿論ただそれだけで企業の業務の全てを網羅できるわけではありません。例えば製造業の場合、設計段階のCAD/CAMといったシステムや生産段階でのFAや各種プロセス・コントロール、物流業務でも自動化倉庫といったように、ERPのカバーする基幹業務以外にも数多くの情報システム・ニーズが存在します。これらの情報化へのニーズをすべてERPで充足することは難しく、またERPの本来の目的からも外れてしまうとも考えられます。多くの場合、ERPパッケージではまず基幹業務の核になる部分を対象とし、こういった専門的なニーズには周辺の既存の情報システムとの連携で対応しています。
また、ERPシステムとの連携には、こういった専門的な分野以外にも、新たな付加価値の創造を目指したものもあります。
現在、インターネット・ユーザーは全世界で8000万人以上ともいわれ、日本国内においても100万人程度のユーザーが存在するとされています。 また、企業内の情報ネットワークとしてのイントラネットも盛んになっています。これらインターネットを利用した商取引・決済などの経済活動を行うエレクトロニック・コマースが、情報技術の革新に支えられて急速に拡大しています。ERPパッケージでは、ブラウザーから直接ERPパッケージを操作できるようにする連携(SAP社のJAVA GUIなど)に加え、オンライン・ショッピングや企業間連携のEDIなどのエレクトリック・コマース分野との連携も進んでいます。
一方ノーツ ドミノのような優れたグループウェア製品により、ドキュメント志向・複合文書のデータベース化に加えて、ワークフロー管理、セキュリティー管理機能などが提供されるようになりました。これにより、企業内において部門枠を超えた横方向の情報共有と、現場レベルから経営のトップまで縦方向の情報共有を実現し、企業間・業界全体のエクストラネットによる双方向の情報共有が可能となっています。その結果、意思決定の時間はこれまで以上に飛躍的に短縮され、ますます基幹業務システム=ERPとの連携が重要となります。
また、昨今注目を集めるビジネス・インテリジェンス、その一手法であるデータマイニングは、複雑な要素が絡み合う大量の生データを解析して、そこに隠された戦略的に重要なルールを見つけようとするものですが、生の伝票データをそのままのかたちでデータベースに登録するERPの「大福帳型データベース」はこの元データとしてまさにうってつけと言えます。ERPパッケージそのものの中で、例えばデータウェアハウスでよく用いられる多次元データベース機能まで備えているものはまれですが、第三者の提供する既存のデータウェアハウス製品との連携を図るインターフェース等が多く提供されています。
また、より大きなスコープとして、ERPとサプライチェーン・マネジメント(SCM)との融合というテーマも今一番の注目を集めている分野です。ERPは企業全体の経営資源の最適化をめざすシステムですが、ビジネス・プロセスの最適化が「同一企業グループ内で完結」だけでは、昨今の多様化したグローバル・レベルでの需要供給体制に対応していくことが難しい状況にあります。そこで、原材料の調達から生産・物流・納品まで一連の業務の流れを「企業全体、関連会社群を含めたグローバル規模で、ひとつの統合されたプロセスとして取り扱う」ことによって、より効率的な需要供給体制の実現を目指すSCMとの融合が必要となってきているわけです。ERPとSCMを情報処理の面から見ると、ERPは実際に発生したデータの処理や伝票発行といった「トランザクション」システムであるのに対し、SCMは主として、需要予測、生産/物流計画と納期回答、スケジューリングなどのサプライチェーンにおける計画立案を支援するシステムであると言えます。つまり、ERPパッケージで基幹系業務のトランザクション・データの適切な一元管理を行い、その上でグローバル・レベルまでを視野に入れた資源の最適化を図るため、SCM機能による効率的なプランニングを行うといった連携が今後は更に加速するものと思われます。この業務連携に関しては、ERPパッケージのなかにSCM機能まで自社開発で取り込んでいるものもある一方、他の多くのパッケージはSCMパッケージ・ベンダーの買収による機能組み込み、あるいは既存有名SCMソフトとの連携インターフェースを提供するもの、等とさまざまの方法があります。
こういった形で、ERPパッケージは現在では業務アプリケーションの屋台骨としてさまざまな広がりを見せています。
