今回はSystem i のディスク上のオブジェクトを別なディスクへ移動させることのできるSTRASPBALコマンドについてご紹介します。 以下にご紹介する内容の詳細は、Web版マニュアル「System i インフォセンター」にも記載されておりますので、ぜひご覧ください。
※ インフォセンターは、i5/OSの各バージョン、日本語、英語をはじめとする各国言語にてマニュアル情報を参照する事ができます。

オブジェクト再配置の開始
STRASPBALコマンドで使用方法を指定できます。下記のコマンドは、システムを制限状態にすることなく、通常のシステム稼動時に実行する事ができます。(ただしディスクI/O増,CPU負荷増などシステム資源をある程度消費しますので、業務のピーク時期・時間帯に実行することは避けたほうがいいでしょう。)
- STRASPBAL TYPE(*CAPACITY) : ディスク使用率の平準化
指定されたASPに属するディスクの使用率を平準化する事ができます。
例えば、ディスク障害などでディスクを交換した後や、新規にディスクを増設した場合など、そのディスクの使用率が低くなります。i5/OS(OS/400)はテーブルのデータが更新されたり、オブジェクトを再作成したタイミングで、ディスクの使用率を徐々に平準化するので、最終的にはディスク使用率は平準化されますが、ある程度の時間が必要になります。STRASPBAL TYPE(*CAPACITY)を実行すると、ディスク使用率の平準化を短時間に完了させる事ができます。 -
STRASPBAL TYPE(*USAGE) : ディスクアーム・ビジー率の平準化
指定されたASPに属するディスクのアームビジー率を平準化します。一般的な環境では、i5/OS(OS/400)がオブジェクトの配置を自動化しており、特定のディスクのアームビジー率が極端に高くなることはありません。しかし、特定の条件下やシステムの使用状況によっては、特定のディスクでアームビジー率が高くなってしまう事がありえます。このような場合にSTRASPBAL TYPE(*USAGE)を指定すると、ディスクアームビジー率を平準化させる事ができます。
STRASPBAL TYPE(*USAGE)コマンドを実行する前に、TRCASPBALコマンドを実行してディスク使用状況の統計データを収集します。統計情報を収集した後、直ちにSTRASPBAL TYPE(*USAGE)コマンドを実行することで、統計情報に基づいてディスクのアームビジー率を均等化するようにオブジェクトの再配置を実行します。 -
STRASPBAL TYPE(*MOVEDTA) : ディスク上のオブジェクトを別なディスクへ移動
まず最初にSTRASPBAL TYPE(*ENDALC) コマンドで特定のディスク装置を指定します。*ENDALCを指定すると、該当ディスクにはそれ以降新規のオブジェクトのアロケーションはされなくなります。(ただし、ディスクの使用率がASPしきい値を越えた場合には、オブジェクトのアロケーションがなされます。)その後STRASPBAL TYPE(*MOVEDTA) を実行すると該当ディスク上のオブジェクトを別なディスク上に再配置しなおすことができます。これにより、例えば既存ディスクを除去したい場合などにシステム停止時間を最小化する事が可能です。
オブジェクト再配置の終了
ENDASPBALコマンドを指定すると、該当ディスクに対するオブジェクトの再配置操作を終了させる事ができます。
STRASPBALコマンドのパラメーター
STRASPBALコマンドのパラメーターは以下のとおりです。(i5/OS V5R3)
- TYPE : 実行する平準化のタイプを指定します。
*CAPACITY, *USAGE, *HSM, *MOVDTA, *ENDALC, *RSMALCを指定できます。
- ASP : 対象となるASP番号を指定します。
*ALL または ASP番号を指定します。
- ASPDEV : ASP全体ではなく特定の iASP (独立ASP) に対して処理をしたい場合には、ASPDEVパラメーターに
iASP の名前を指定する事ができます。
- UNIT : 特定の(一台一台の)ディスク装置に対して処理をしたい場合には、UNITパラメーターに対象ディスクの装置番号を指定します。装置番号はWRKDSKSTSコマンドやiSeriesナビゲーターから調べる事ができます。
- TIMLMT : 処理時間の制限値を指定。
STRASPBALコマンドを実行する処理時間を分単位で指定します。処理時間を指定すれば、例えば昼休みなど処理が少ない時間帯1時間だけ処理を行い、残りはまた別の時間帯というように何度かに分割してSTRASPBALコマンド処理を実行することができます。また*NOMAXを指定することもできます。
コマンドの実行例
-
STRASPBAL TYPE(*CAPACITY) ASP(1) TIMLMT(60)
ASP1に属するディスク装置のディスク使用率の平準化処理を60分間実行します。 -
STRASPBAL TYPE(*USAGE) ASPDEV(IASP1) TIMLMT(*NOMAX)
IASP1というASPに属するディスクのアームビジー率を平準化します。 -
ディスク除去の準備
STRASPBAL TYPE(*ENDALC) UNIT(3)
まずディスク装置番号 3 のディスクへの新しいオブジェクトの割り振りを停止します。
STRASPBAL TYPE(*MOVEDTA)
次に 上記のコマンドを実行すると、*ENDALCとマークされたディスク装置(例では装置番号 2)上のオブジェクトを別のディスク上に移動します。このコマンドはCPUなどシステム資源を必要とするため、業務ピーク時期とは別な時間帯に実行することをお勧めいたします。
(参考)ディスク装置番号の調べ方
iSeriesナビゲーターでディスク装置番号を調べる方法は下記のとおりです。
iSeries アイコン → 構成およびサービス → ハードウェア →
ディスク装置 → すべてのディスク装置 から 装置番号 というカラムの値が装置番号になります。
*ハードウェアの処理画面にアクセスするには、DSTのパスワードを入力する必要があります。

また、ディスク装置のアイコンを右クリック → プロパティを開くと下記のような情報を参照できます。
一般 - 装置番号やH/W型式、シリアル番号など

状況 - 保護レベル、ディスク使用率など

物理ロケーション - ディスクの物理スロット位置

