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System i スペシャリストが教えるV5 ちょっと、イイ話

第31回 TCP/IP設定のいろは

i5/OSのTCP/IPの設定を再確認しよう

今回はi5/OS(OS/400)のTCP/IPの設定について説明します。TCP/IPはIPアドレスさえLANアダプターに割り当てすれば使用できてしまうので、間違って設定されているケースもしばしば見受けられます。TCP/IP設定が正しくないために発生する不具合の例としては、以下のようなものがあります。

この機会にTCP/IPの設定をきちんと見直してみましょう。


TCP/IPの設定は CFGTCPコマンドから

TCP/IPの設定はiSeriesナビゲーターからも実行できますが、今回はi5/OSコマンドラインを使用して行います。QSECOFR など

*SECOFRクラスのIDでログイン(サインオン)して CFGTCP コマンドを実行します。以下の画面が表示されます。

*参考 iSeriesナビゲーターから実行する場合は ネットワーク → TCP/IP構成を右クリック → プロパティ の画面と TCP/IP構成 の下のIPv4 以下の画面 から設定します。



TCP/IPの設定は基本的にこの画面からすべて行います。

TCP/IPインターフェースの設定

LANアダプターに対してIPアドレスを割り当てます。
IPアドレスを追加するには OPT 欄 に1を入れて実行キーを押します。


TCP/IP インターフェースの処理
システム : LUCY03
オプションを入力して,実行キーを押してください。
1= 追加 2= 変更 4= 除去 5= 表示 9= 開始 10= 終了

  IP   回線 回線
OPT アドレス サブネット・マスク 記述 タイプ
1        
  127.0.0.1 255.0.0.0 *LOOPBACK *NONE
  192.168.1.30 255.255.255.0 ETHLINE *ELAN
         

終わり
F3= 終了 F5= 最新表示 F6= リストの印刷 F11= インターフェース状況の表示 F12= 取り消し F17= 先頭 F18= 最後


以下のような画面が表示されます。


TCP/IP インターフェースの追加 (ADDTCPIFC)
選択項目を入力して,実行キーを押してください。

IP アドレス・・・> '10.0.0.1'  
回線記述・・・> ETHLINE 名前 , *LOOPBACK...
サブネット・マスク・・・> '255.255.255.0'  
別名・・・> *NONE  
関連した
ローカル・インターフェース・・・>
*NONE  
TYPE OF SERVICE・・・> *NORMAL *MINDELAY,
*MAXTHRPUT...
最大送信単位・・・> *LIND 576-16388,
*LIND
自動開始・・・> *YES *YES, *NO
PVC 論理チャネル識別コード・・・>   001-FFF
値の続きは+    
X.25 アイドル回線タイムアウト・・・> 60 1-600
X.25 最大回線接続・・・> 64 0-64
X.25 DDN インターフェース・・・> *NO *YES, *NO
TRLAN ビット順序づけ・・・> *MSB *MSB, *LSB
 

終り
F3= 終了 F4=プロンプト F5= 最新表示 F12= 取り消し F13= この画面の使用法 F24= キーの続き
すでに区域の最後が表示されている。


IPアドレス 割り当てしたいIPアドレスを指定します

この例ではETHLINE というLANアダプターに既に192.168.1.10のアドレスが割り当てされていますが、別のネットワークアドレスを同じLANアダプターに割り当てして同時に使用可能です。

回線記述 割り当てするLANアダプターの*LIND名を指定します。
* ここで *VIRTUALIP と指定すると仮想IPアドレスを指定することが出来ます。
仮想IPアドレスを使用すると、例えば一つの仮想IPアドレス対して複数のLANアダプターから通信が可能になります。

サブネットマスク サブネットマスクを指定します。

自動開始 IPL後などにSTRTCPコマンドが実行された際にこのIPアドレスをアクティブにする場合は*YESを指定します。IPアドレスを個別に開始したい場合には*NOを指定します。

指定が完了したら実行キーを押します。完了すると以下の画面が表示され、IPアドレスの追加が完了します。


TCP/IP インターフェースの処理
システム :LUCY03
オプションを入力して,実行キーを押してください。
1= 追加 2= 変更 4= 除去 5= 表示 9= 開始 10= 終了

  IP   回線 回線
OPT アドレス サブネット・マスク 記述 タイプ
  127.0.0.1 255.0.0.0 *LOOPBACK *NONE
  192.168.1.30 255.255.255.0 ETHLINE *ELAN
  10.0.0.1 255.255.255.0 ETHLINE  
*ELAN        
 

終わり
F3= 終了 F5= 最新表示 F6= リストの印刷 F11= インターフェース状況の表示 F12= 取り消し F17= 先頭 F18= 最後



TCP/IP経路の処理

経路とはルーティングのことです。ここでは、ゲートウェイのルーターアドレスなどルーティング設定を行います。 この設定はオプションです。遠隔地などルーターを介して別のネットワークアドレス上のコンピューターと通信が必要な場合のみ設定します。一つの建物内などで異なるネットワークアドレスとの通信がない場合(この例では通信の相手先が192.168.1.1~254 と 10.0.0.1~254 以外に無い場合)は設定する必要がありません。ルーティング情報を追加するには OPT 欄に 1を入力して実行キーを押します。


TCP/IP 経路の処理
システム : LUCY03
オプションを入力して,実行キーを押してください。
1= 追加 2= 変更 4= 除去 5= 表示

OPT 経路の宛先 サブネット・マスク 次のホップ 優先 インターフェース
1        
  *DFTROUTE *NONE 192.168.1.1 *NONE
  10.1.1.0 255.255.255.0 10.0.0.1 *NONE
 

F3= 終了 F5= 最新表示 F6= リストの印刷 F11=サービス・タイプ の表示 F12= 取り消し F17= 最上部 F18= 最下部


以下の画面が表示されます。


TCP/IP 経路の追加 (ADDTCPRTE)
選択項目を入力して,実行キーを押してください。

経路宛先・・・> *DFTROUTE  
サブネット・マスク・・・> *NONE  
TYPE OF SERVICE・・・> *NORMAL *MINDELAY,
*MAXTHRPUT...
ネクスト・ホップ・・・> '192.168.1.10'  
優先バンド・インターフェース・・・> *NONE  
最大送信単位・・・> *IFC 576-16388, *IFC
経路メトリック・・・> 1 1-16
経路再配分・・・> *NO *NO, *YES
重複経路優先順位・・・> 5 1-10
 

終り
F3= 終了 F4=プロンプト F5= 最新表示 F12= 取り消し F13= この画面の使用法 F24= キーの続き
すでに区域の最後が表示されている。


経路宛先 通信相手先のネットワークアドレスを指定します。
デフォルトゲートウェイを指定する場合には *DFTROUTE を指定します。

サブネット・マスク 通信相手先のサブネットマスクを入力します。 デフォルトゲートウェイの場合には*NONEを指定します。

3. ネクスト:ホップ 経路宛先(通信の相手先)へのゲートウェイのアドレスを指定します。通常ゲートウェイはSystem i と同じLAN(同一のIPネットワークアドレス上)に存在しているはずです。したがってここで指定可能なIPアドレスは 1. TCP/IPインターフェースの設定でSystem i のLANアダプターに割り当てたIPアドレスと同じネットワークアドレス上のものだけ(この例では192.168.1.1~254 と 10.0.0.1~254 ) になります。

指定が完了したら実行キーを押します。完了すると下記の画面が表示され、ゲートウェイの追加が完了します。


TCP/IP 経路の処理
システム : LUCY03
オプションを入力して,実行キーを押してください。
1= 追加 2= 変更 4= 除去 5= 表示

OPT 経路の宛先 サブネット・マスク 次のホップ 優先 インターフェース
  *DFTROUTE *NONE 192.168.1.1 *NONE
  *DFTROUTE *NONE 192.168.1.10 *NONE
  10.1.1.0 255.255.255.0 10.0.0.1 *NONE
 

F3= 終了 F5= 最新表示 F6= リストの印刷 F11=サービス・タイプ の表示 F12= 取り消し F17= 最上部 F18= 最下部


*デフォルトゲートウェイの注意事項
これはSystem iに限らずあらゆるコンピューターに共通ですが、デフォルトゲートウェイは通常一時点でひとつしか有効になりません。上記の例では *DFTROUTEが2行、すなわちデフォルトゲートウェイが2つ登録されていますが、一時点では片方のアドレスしかデフォルトゲートウェイになりません。どちらのゲートウェイが使用されるかはその時々の状況によって変わるため 通常、複数のデフォルトゲートウェイを設定することは推奨いたしません。

12. TCP/IP ドメイン情報の変更
ここではi5/OSの ホスト名やドメイン名、DNSサーバー・アドレスなどを指定します。この画面は重要です。この画面で設定がきちんと行われていないとWASの導入が正常に出来ないなど、TCP/IP関連の不具合が発生することがあります。通常はあまり意識しませんが、アプリケーションやミドルウェアによってはここで指定したシステムのホスト名やドメイン名を使用して動作するものが多いのです。このため必ず設定をしておきましょう。

*参考 CHGNETA/DSPNETA コマンドでのホスト名
CHGNETA / DSPNET コマンドで表示されるシステム名などは、主にSNA環境で使用されるシステム名です。TCP/IPでは使用されません。


TCP/IP ドメインの変更 (CHGTCPDMN)
選択項目を入力して,実行キーを押してください。

ホスト名・・・> 'LUCY03'  
ドメイン名・・・> 'IBM.CO.JP'  
ドメイン検索リスト・・・> *DFT  
ホスト名検索優先順位・・・> *LOCAL *REMOTE, *LOCAL, *SAME
ドメイン・ネーム・サーバー :    
IP アドレス・・・> *NONE  
 

終わり
F3= 終了 F4=プロンプト F5= 最新表示 F10= 追加のパラメーター F12= 取り消し F13= この画面の使用法 F24= キーの続き


ホスト名
このi5/OSのTCP/IP上のホスト名を指定します。

ドメイン名
このi5/OSのTCP/IP上のドメイン名を指定します。通常は同一ネットワーク上の他のサーバーやクライアントなどと同じドメイン名を指定します。

ホスト名検索優先順位
TCP/IP通信上でTCP/IPのホスト名を検索する必要が発生した場合にi5/OS上のローカルのHOSTSを先に検索するか、リモート(またはローカルi5/OS上の)DNSサーバーを先に検索するか、を指定します。i5/OSのHOSTS は10. TCP/IP ホスト・テーブル項目の処理 で指定します。例えばここで *REMOTEを指定したにも関わらず このi5/OSからアクセス可能なDNSサーバーが無い場合などは、DNSの名前解決に数秒単位の長い時間が必要となりTCP/IP通信が非常に遅くなったり、タイムアウトしたりしてしまう場合があります。DNSサーバーが無い(またはDNSサーバーを必要としない)場合には *LOCAL を指定します。

ドメイン・ネーム・サーバー:IPアドレス DNSサーバーが存在している場合、DNSサーバーのIPアドレスを入力します。ここでも複数のDNSサーバーアドレスを指定できますが、通常エントリーの上のDNSサーバーから検索されますので登録順序に注意します。

10. TCP/IP ホスト・テーブル項目の処理
これはi5/OS の HOSTS ファイルです。DNSサーバーが存在しない場合や、DNSサーバー上に登録されていないサーバーなどのホスト名とIPアドレスをこの画面で登録します。ホスト名・IPアドレスを追加するには OPT 欄に 1 を入力して実行キーを押します。以下の例のように、自分自身のIPアドレスとホスト名を登録することも出来ます。


TCP/IP ホスト・テーブル項目の処理
システム : LUCY03
オプションを入力して,実行キーを押してください。
1= 追加 2= 変更 4= 除去 5= 表示 7= 名前変更

OPT インターネット・アドレス ホスト名
1    
  192.168.1.30 LUCY03.IBM.CO.JP
    LUCY03
  127.0.0.1 LOOPBACK
    LOCALHOST
 

F3= 終了 F5= 最新表示 F6= リストの印刷 F12= 取消し F17= 位置指定


次の画面が表示されます。


TCP/IP ホスト・テーブル 項目の追加 (ADDTCPHTE)
選択項目を入力して,実行キーを押してください。

IP アドレス・・・> '192.168.1.50'
ホスト名:  
名前・・・> LUCY05.HAKOZAKI.IBM.COM
値の続きは+ +  
テキスト ' 記述 ' ・・・  
 

終わり

F3= 終了 F4=プロンプト F5= 最新表示 F12= 取り消し F13= この画面の使用法F24= キーの続き


IPアドレス
追加したいホストのIPアドレスを指定します。

ホスト名
追加したいホストのホスト名を指定します。 ホスト名を2つ以上つけたい場合は 値の続きは+ の欄に + を入力して次画面に2つ目以降の名前を指定します。

実行キーを押すと設定が完了します。


TCP/IP ホスト・テーブル項目の処理
システム : LUCY03
オプションを入力して,実行キーを押してください。
1= 追加 2= 変更 4= 除去 5= 表示 7= 名前変更

OPT インターネット・アドレス ホスト名
1    
  192.168.1.30 LUCY03.IBM.CO.JP
    LUCY03
  192.168.1.50 LUCY05.IBM.CO.JP
    LUCY05
    I5_TEST1
  127.0.0.1 LOOPBACK
    LOCALHOST
 

終わり
F3= 終了 F5= 最新表示 F6= リストの印刷 F12= 取消し F17= 位置指定


i5/OSでのPING
i5/OSでも他のサーバーなどと同様にPINGコマンドで接続の確認が出来ます。
下記はPINGでホスト名を指定した例です。ホスト名はDNSサーバーに登録されているか、10. TCP/IP ホスト・テーブル項目の処理に登録されている必要があります。


すべてのメッセージの表示
LUCY03
ジョブ : QPADEV0006 ユーザー : QPGMR 番号 . . . : 211316
5>>PING LUCY03
アドレス 192.168.1.30 でホスト・システム LUCY03 への接続を検査中である。192.168.1.30 からの PING 応答 1 は 0 ミリ秒の 256 バイトです。 TTL は 64です。
192.168.1.30 からの PING 応答 2 は 0 ミリ秒の 256 バイトです。 TTL は 64 です。
192.168.1.30 からの PING 応答 3 は 0 ミリ秒の 256 バイトです。 TTL は 64 です。
192.168.1.30 からの PING 応答 4 は 0 ミリ秒の 256 バイトです。 TTL は 64 です。
192.168.1.30 からの PING 応答 5 は 0 ミリ秒の 256 バイトです。 TTL は 64 です。

往復(ミリ秒)最小 / 平均 / 最大 = 0/0/0 。
接続検査の統計: 5 の 5 は正常に実行された (100 %) 。


終わり
続行するためには,実行キーを押してください。
F3= 終了 F5= 最新表示 F12= 取消し F17= 最上部 F18= 最下部


PING でIPアドレスを指定する場合は指定方法が独特なので注意が必要です。


TCP/IP 接続の検査 (PING)
選択項目を入力して,実行キーを押してください。

リモート・システム・・・> *INTNETADR
リモート・インターネット・アドレス・・・> '192.168.1.30'

終わり


F3= 終了 F4=プロンプト F5= 最新表示 F10= 追加のパラメーター F12= 取り消しF13= この画面の使用法 F24= キーの続き


リモートシステム欄に *INTNETADR と指定し、リモート・インターネット・アドレス欄に IPアドレスを入力します。(PING RMTSYS(*INTNETADR) INTNETADR('192.160.1.30') と指定します。)

補足事項 複数のアドレスを持つi5/OSでの考慮事項
この例ではLUCY03というi5/OSの2つのIPアドレスが割り当てられています。(192.168.1.30 と 10.0.0.1)どちらのIPアドレスを使用しても通信は可能です。しかし上の例のように10. TCP/IP ホスト・テーブル項目の処理 でどちらかひとつのIPアドレスに対してホスト名を指定すると、i5/OSはそのホスト名を指定されたIPアドレスと関連づけて扱います。上の例ではi5/OSからPING LUCY03とすると必ず192.168.1.30に対してPINGを実行します。このような設定を行った場合、例えばiSeriesナビゲーターマネジメント・セントラルの一部機能などは、10.0.0.1を使用してWindows側でiSeriesナビゲーターの接続アイコンを作成した場合、一部機能が正しく動作しない場合があります。(ホスト名LUCY03と関連づけている 192.168.1.30で接続アイコンを作成している場合は問題ありません。)i5/OS上に複数のIPアドレスを持っている場合には10. TCP/IP ホスト・テーブル項目の処理での登録で注意する必要があります。