第2回:iSeries Siteの特長
前回は、「iSeries Siteとは何か」について説明しました。今回はそれを受けて「iSeries Siteの特長」について説明します。主な特長として、
1. Web環境や従来のネットワーク環境でのGUI画面による操作が可能
2. 容易なカストマイズ
3. 各業務に共通するデータを一元管理、各業務で共通の操作性
4. 企業の成長に合わせた、業務の優先順位で段階的にiSeries Siteを導入可能
といったものがあります。それでは、それぞれについてわかりやすく説明していきます。
1. Web環境や従来のネットワーク環境でのGUI画面による操作が可能
(CUI画面による操作も可能)
iSeries SiteはWeb環境、つまりイントラネット環境(イントラネットとは インターネット技術に基づく企業内ネットワークのことです。)でご使用いただくことができます。従来ですと遠隔地にエンドユーザーがいる場合には、専用回線など会社独自のネットワークを介さなければならず、ネットワークの構築に労力と費用がかかっていました。それに対して、イントラネットですと基本的には電話回線を利用できるため、安価に効率的に社内ネットワークを構築することができます。このWeb環境では、GUI画面が必須になりますが、従来の会社独自のネットワークを利用する場合や、ネットワークを使わずに構内だけで利用する場合には、GUI画面の他にCUI画面でご利用いただくことも可能です。
ところで、CUI画面とGUI画面という言葉が出てきましたが、理解できましたでしょうか?少し噛み砕いて説明しましょう。
CUIとは、Character User Interface の略で、文字だけの画面を意味します。つまり、一つの画面に横に半角文字で80文字、縦に24行の文字を表現できる画面のことです。それに対して、GUIとは、Graphical
User Interface の略で、画面上に文字の他に図や絵などイメージ情報も扱える画面を意味しています。現在のパソコンですと、Windowsなどマウスを使用するものをGUI画面と考えていただいて差し支えありません。
ところで、iSeries Siteは、GUI画面の他にCUI画面をサポートしているのですが、なぜだかわかりますでしょうか?実は、現状の世の中の主流はGUI画面ですが、CUI画面も根強く残っているのです。例えば、新幹線の予約や航空機のチェックインなどでは未だにCUI画面が使われていますし、基幹系の業務もCUI画面で操作していることがめずらしくありません。なぜでしょう?実は、GUI画面はマウスでの操作を前提としているためなのです。データをどんどん素早く入力する場合には、GUI画面よりCUI画面の方がマウスを使わずに操作する分早く入力できるからなのです。つまり、文字や数字はキーボードを使い、選択するボタンなどはマウスを使用するためにいったん手がキーボードから離れてマウスを握り、それからまた手をキーボードに戻すという繰り返しが、GUI画面の場合に必要なのです。従って、多くの伝票を打ち込むなどの処理をする場合には、このほんのちょっとしたマウスを握ったり、キーボードに手を戻す作業が、入力効率悪くしてしまうのです。その点、CUI画面は、手は常にキーボード上にあるので、入力効率がいいわけです。もちろん、GUI画面は、イメージ的にとらえられるので操作員にとってとっつきやすいなどメリットもありますので、一概にどちらがいいという事はなく、ケースによってCUI画面とGUI画面の使い分けができることが一番良いわけです。
その意味で、iSeries Siteは、GUI画面とCUI画面の両方をサポートしているので、業務特性や使用する人の特性に合わせて使いわけていただけます。しかも、同じ入力用の端末で、ある時はGUI画面で入力し、またある時はCUI画面で入力することも可能です。もちろん端末ごとにGUI画面専用や、CUI画面専用にして使うといったことが可能なのです。

1) プログラムは開発生産性の高い、RPG/400で書かれており、iSeries Siteのプログラム構造は、スケルトン・プログラムで標準化されています。
前回、ソース・プログラムが含まれていることのメリットを説明しました。もちろん、ソース・プログラムがあるだけでも多くのメリットがあるのですが、正確には、わかりやすいソース・プログラムである必要があるのです。例えば、画面入力で何かのエラー・チェック(正しくないデータが入力されるのを防止する機能)を増やそうとした場合、どこに、どのようにその機能を追加すればいいのかがわかりにくければ、それだけ時間と労力がかかることになります。そのために、iSeries
Siteでは、プログラム構造の標準化をしているのです。プログラム構造の標準化とは、一定の骨組み(スケルトン)に従ってプログラムを作成することで、例えば、「入力プログラムはこのパターンで、第一画面のチェックはここで、第二画面のチェックはここで、最後のファイルへの書き込みはここで行う。」というような骨組みに従ってプログラムを作成することです。こうしておきますと、例えば、勘定科目マスター登録のカストマイズを経験した人は、他の内訳マスター登録のカストマイズをするときに、同じようなプログラム構造となっているため、大変効率よくカストマイズすることができるのです。
もっとわかりやすい例で説明しますと、分譲マンションの各部屋を想像してみてください。今のマンションというのは、部屋ごとに独特の設備などを付ける事が可能になっているものもあり、同じマンションの部屋でも個性を出す事が可能になっていたりします。例えば、壁紙一つ変えることで違う印象の部屋になります。でも、一定の規定によって作られていますので、エアコンや流し台、クローゼットなどの設備を変更する場合でも、業者の方はどこに電源があるとか、給水設備はどうなっているとかが、各部屋共通の仕様になっていることで作業効率を高めているわけです。多分、数回経験することで電源や給水設備がどうなっているかが頭の中に入ってしまい作業すればするほど作業効率が向上するでしょう。
もしも、これらが各部屋ごとに違っていたらどうでしょうか?過去の経験は生かされることなく、それぞれ別のものとして扱うため作業効率が向上することはないでしょう。そういった意味で、プログラム構造が標準化されているということが、いかに大きなメリットであるかを理解していただけると思います。
2) GUIパネルはJWalkで作成されており、ノン・プログラミングでカストマイズを行うことができます。
つぎに、GUIパネルについてですが、これはJWalkデベロッパーという開発ツールを使って変更することが可能です。これは、プログラムを変更するよりももっと容易に変更することが可能で、通常数日の研修で習得することが可能です。
1) 取引先情報、社員や組織といったさまざまな業務で使用するデータは重複することなく、一元管理されています。
人事、給与、経理、などで共通するマスターファイルの一元管理の必要性について少し考えてみましょう。一番わかりやすい例として社員マスターを例にあげて説明します。10人の新入社員が入社した場合、「人事システム」に入社した社員の社員番号や名前などの情報を10人分登録する必要があることはもちろん理解できると思います。一方、月々の給与をめにも「給与システム」に10人の新入社員の情報を登録する必要があります。また、「経理システム」にも立替払いなどが発生した場合に備えて、10人の新入社員の情報を登録することが必要です。人事、給与、経理、だけを考えた場合でも、10人分×3、つまり30人分の情報を登録する労力がかかるわけです。もちろん、新入社員の場合だけでなく、中途入社の社員の登録や、社員が結婚して姓がかわった場合にも同様な労力が発生します。
しかし、iSeires Siteの場合には、データを一元管理していますので、何かで一度登録していただけば結構です。例えば、iSeries Site給与で登録した社員情報は、iSeries Site経理や人事などでも利用できるように設計されていますので、同じ社員情報を再度登録する必要はありません。iSeires Siteは二度手間の労力を極力避けるように考えられているのです。ここでは、「社員マスター」を例にとって説明しましたが、同じように「組織マスター」や「取引先マスター」など、各業務をまたがって使用される情報も「社員マスター」同様に一元管理されていますので、二度手間の登録の必要がありません。
2) 各業務で使用する画面の操作性は共通化されています。
これも、重要な特長の一つです。操作性が共通化されているということは、操作の習得を容易にします。例えば、「プログラムを終了するには、このボタン」、「コード検索するには、このボタン」、「前の画面に戻るには、このボタン」と全てのプログラムで共通化されているわけですから、それぞれのプログラムではそれ以外の共通化されていない機能について集中して習得すればよいわけです。
この他にも、メリットがあります。それは、人材の有効活用をすることができる点です。実務において、業務のピークがあることは珍しくありません。経理ですと、決算の時期が忙しいでしょうし、給与であれば給与支払い前の給与計算の時期が忙しいでしょう。このとき、経理の決算期の忙しい時に給与担当者が伝票入力などを支援することも可能となります。つまり給与担当者は経理側と給与側の共通化された操作部分については、すでに習得しているので、共通化されていない部分についてのみ習得すればよく、効率的な対応が可能となるわけです。
もちろん、これは業務のピーク時だけでなく人材の有効活用の観点からも、「この社員しかこの業務はできない」といった事を無くすことができるので、人材のローテーションを可能にして、様々な業務を社員に経験させることによって企業の活性化につなげることができるのです。 4.企業の成長に合わせた、業務の優先順位で段階的にiSeries Siteを導入可能
段階的に各業務アプリケーションを導入することに、どのようなメリットがあるか考えたことがありますでしょうか?実は、これは現実問題としてたいへん切実な問題なのです。
普通、企業は通常の業務をこなすための人的資源を有しています。特に、現在のような経済環境では、余裕をもった人員を配置している事は少ないでしょう。ところが、業務をシステム化する場合には、通常の業務のほかにシステム化の準備のための作業が増えることになります。この通常業務以外のシステム化の業務が、それほど大きくなければ時間外勤務などで吸収できるでしょう。ところが、これらの負荷が大きければそれも不可能になり、休日出勤で対処をするとか、外部へ業務を委託せざるをえなくなったりします。また、その負荷が大きければ大きいほど、余裕が無くなってしまいますからミスや不測の事態が発生した場合に適切な対処ができなくなってしまいます。
どんな人でも、忙しすぎれば正常な対処ができなくなってしまうのは当然のことですね。こう考えると、そのシステム化の準備のピークを分散する必要があることがわかるでしょう。つまり、業務システムを構築する際には、まとめて一気に全てをシステム化するのではなく、段階的に構築していく事が大切なのです。具体例をあげると、販売管理、生産管理、経理、給与、人事を一気にシステム化するのは、負荷が過大になり、適切なシステムを構築できない場合もあります。それに対して、その企業の優先順位を決めたシステム化によって負荷を分散化する方法、例えば、販売管理を最初にシステム化して、それが完了したら、生産管理をシステム化する、次に経理、給与、人事の順に段階的に、確実に構築していくことが完成度の高いシステム化を構築するための秘訣なのです。
なお、ここでiSeries Siteを段階的に導入する場合の利点をもう一つ述べておきます。それは、先ほどデータを一元管理していると述べた事に関連しているのですが、共通化されているマスターについては再入力の必要が無いのです。例えば、経理を導入する際に社員マスターの設定を済ませていれば、あとから給与などの導入をする際に社員マスターの設定を再度入力する必要はありません。これも、段階的な構築をする際のメリットであることがおわかりになると思います。
さて、今回はiSeries Siteの特長について説明しました。前回、そして今回とiSeries
Siteサービスの全体的なことを述べてきましたが、次回以降は各業務ごとの説明に入ります。(図2参照)
次回は、「iSeries Site経理」について説明する予定です。
図2
