第3回:iSeries Site経理(その1)
今回は、iSeries Siteの中でも一番人気のiSeries Site経理について説明します。(説明するにあたり、経理業務特有の言葉も用いなければなりませんので、経理業務についてご存知ない方にとっては理解しにくいところもあるかと思いますが、どうかご容赦ください。)iSeries
Site経理は、多くの機能があるため今回は、財務会計(仕訳業務・決算業務)を中心に説明します。ところで、iSeries Site経理には、iSeries Site経理(ベース)とiSeries
Site経理(プレミア)があります。経理(プレミア)は、経理(ベース)の機能を拡張したりファームバンキング、PCインターフェース等の新規機能を追加したりしたものです。その違いを明確にするため、本文中、iSeries
Site 経理(プレミア)独自の機能については太字で記述します。それ以外の部分は、(プレミア)と(ベース)共通の機能です。【画面1参照】
下の画面がiSeries Site経理(プレミア)のメイン・メニュー です。
【画面1】

経理の日常業務である「財務会計」の仕訳業務・決算業務 およびマスター保守、PCインターフェース、ファームバンキング、連結決算、「個別会計」の手形管理、固定資産、「管理会計」の部門配賦、予算管理、経営分析、資金繰から構成されています。
iSeries Site経理は、会計業務に対する機能要求の高度化及び多様化に応えるシステムです。iSeries Site経理は会計業務の細部に対応しています。具体的に仕訳業務・決算業務から説明します。
A.伝票登録、帳票出力処理機能の充実
経理システムでは、仕訳の入力に手間がかかります。iSeries Siteでは、まずこの負荷のかかる仕訳入力にいろいろな工夫がしてあります。
- 経理業務における機能を実務にあわせ、最大限用意しました。伝票入力の種類は、7種類(入金、出金及び3種類の振替伝票、簡易振替、本支店振替)あり、用意された伝票のタイプに合わせて使い分けることにより、スムーズに入力処理ができます。
- 消費税を自動的に仕訳し(自動仕訳)、入力の手間を省けます。
- 仕訳の明細行単位のコピーや行摘要のコピーがあり、同じような仕訳を複数入力する時に威力を発揮します。
- 財務処理では月末などに決まって発生する仕訳(家賃の支払いなど)があります。これらの決まった仕訳をあらかじめ登録しておき、必要なときに呼び出して仕訳伝票入力を省力化する仕訳パターン機能があります。
- 本支店振替では、本店・支店勘定を自動的に仕訳しますので、入力の手間を省くことができます。
- 帳票も仕訳帳から決算報告書、消費税計算書まできめ細かく用意しています。キャッシュフロー計算書、税効果会計(貸借対照表、損益計算書)にも対応しています。
一般的な帳票(総勘定元帳、銀行勘定帳、補助元帳、貸借対照表、損益計算書、キャシュフロー計算書、合計残高試算表など)は、手作業の大幅軽減になります。 - 照会機能も伝票検索、帳簿照会など豊富に準備されています。たとえば、日付の範囲指定や金額などで特定の伝票を検索する機能、さらにその検索された伝票を締め日前であれば変更する機能もあります。
- 組織ごとや日付指定で出力できますので、仕訳データと経理残高マスターのデータが存在すれば、××組織の××年××月××日のデータをいつでも帳票出力することや照会する事ができます。
- さらに会社のトップや外部提出用に使える簡易型の要約貸借対照表、要約損益計算書も出力できます。これは、全ての勘定科目を出力するのではなく、使用する人が必要な勘定科目のみを出力するもので、通常の貸借対照表、損益計算書、の他に、それぞれ3種類の要約貸借対照表、要約損益計算書を出力することができます。
- また、部門別の売上げ、経費などを比較するのに便利な一覧型の帳票、(一覧型損益計算書、一覧型製造原価報告書、一覧型一般管理費内訳書)もあります。
部門別の売上げ、経費比較帳票は、部門の業績比較に最適です。 - 帳票のタイトルを出力時に指定可能で多目的に使える科目別一覧表もあります。
科目別一覧表は,特定の科目のデータを出力する為に作られた一覧表で,ある科目についてちょっと見たい場合などに大変便利に活用できます。帳票タイトルは条件指定画面で指定したものが出力されます。 - 消費税申告が楽になる以下の消費税関連の帳票を完備しています。
税区分別明細表,税区分別売上高/仕入高一覧表、科目別仮払消費税額一覧表、科目別仮受消費税額一覧表、消費税計算書、消費税仕訳帳。 - 帳票自動出力は、あらかじめ出力したい帳票についてその条件指定をファイルに登録しておくと、毎回同じような条件指定を繰り返しているような場合、有効に活用できます。例えば合計残高試算表と損益計算書、販売費及び一般管理費内訳書を毎月毎月出力しているときがそうです。この3つの帳票を出力するという情報と、出力条件指定の内容を定義名として登録しておけば、あとは毎月毎月、登録した定義名と日付の指定だけで、これらの帳票はまとめて出力されます。
- 決算データをPCインターフェース機能でパソコン側にダウンロードして、自由にデータを加工し各管理資料を作成する事が可能です。具体的には、貸借対照表,損益計算書、合計残高試算表,仕訳貸借データ、総勘定仕訳データ、科目残高データのPC用データ作成を行います。例えば、これらのデータを利用して表計算ソフト等によりお客様のお好みのスタイルにパソコン上で自由に加工することが出来ます。
- ファームバンキングにも対応しており、ファームバンキングで受信した入金データより入金処理を行ない、仕訳データを作成します。ファームバンキングの入金システムは、入金された銀行からの情報を得意先ごとに仕訳し、その情報を仕訳データとして受け入れます。
またファームバンキングの総合振込業務は、次の2つの方法から選択できます。1つ目の方法は、仕訳データから振込予定を自動作成する方法です。
2つ目の方法は、振込予定を直接入力する方法です。そしてこの振込予定データから自動仕訳用のデータを作成しますので、あとで伝票入力の手間がかかりません。
このように作成された総合振込予定のデータは、ファームバンキングで送信される振込データ作成に使用されます。 - 他システムからの仕訳データの受取の機能も用意されています。
例えば、普通は(経理処理のための)給与データ は、経理システムで手入力しますが、iSeries Site経理では、iSeries Site給与 等の他システムからのデータを取り込んで自動的に仕訳しますので、手入力の必要がありません。これは、適用業務変換ファイルという他システムからの受け口を用意している適用業務自動仕訳という機能ですので、iSeries Siteだけでなく、自社開発のシステムとの連動も可能にしています。
B.多業種のお客様のご要望にきめ細かく対応
- より多角的に組織管理を行う業種に対応して、組織レベルは全社・本部・本支店・部門の4レベルの管理を行います。
- 管理組織の階層(*1)は最大4レベルの(全社?本部?本支店?部)運用ができますので、プログラムの変更なしでほとんどの会社の組織体系に適合します。
*1 組織は、iSeries Siteシリーズの共通データです。この組織コードは、本部(1桁)~本支店(2桁)~部(3桁)~課(2桁)の4階層です。
iSeries Site経理では、部レベルまで使用しています。
iSeries Site給与では、課レベルまでの使用ができます。
- 組織自由集計は、組織という切り口ではなく、例えば、地域別、営業内容別いうような切り口で損益を把握することが出来ます。具体的には、東京、名古屋、大阪に事業所があるとき、それぞれの事業所ごとの損益計算書や貸借対照表を出すことは、もちろん可能ですが、この他に、それぞれの事業所の営業部門を合算した損益計算書を作成したりすることを可能にしているのです。
また勘定科目集計は、例えば固定費、変動費、という新たな集計方法を勘定科目自由集計マスターに設定し、その集計結果を勘定科目集計表という帳票へ印字することが出来ます。例えば売上高、変動売上原価,変動製造マージン、変動販売費、固定費等の集計により直接原価計算による損益計算書を作成することが出来ます。 - iSeries Site経理は、製造業および流通業向けをベースに大規模製造業、中小規模製造業、大規模商業、中小規模商業向け4種類の業種別勘定科目のサンプル・データをあらかじめ用意し、提供しています。この勘定科目のサンプル・データをベースに、不要な勘定科目は削除し、不足している勘定科目は追加して効率よく自社にあった勘定科目マスターを容易に設定することができる科目マスター生成支援機能があります。
- 管理帳票(損益計算書,貸借対照表、キャッシュフロー計算書、製造原価報告書、販売費及び一般管理費内訳書 など)の出力も、組織階層ごとに作成できます。
C.経営支援機能の充実
管理帳票を一層充実しました。製造原価報告書、販売費及び一般管理費内訳書等を用意するとともに、部門別損益を見るための帳票(損益計算書は部門コードまで指定できます。)や、プロジェフト管理のための帳票(プロジェクト別経費報告書)など、目的別に幅広く用意しました。また、横並びの比較表として、組織レベルに応じた一覧型の帳票を各種用意(一覧型損益計算書、一覧型製造原価報告書、一覧型一般管理費内訳書)しています。
D.容易な本支店会計処理
仕訳伝票登録時に本支店振替伝票専用の入力画面が用意されており、この処理により本支店自動仕訳が行われますので、各本支店間の金額バランスをくずすことなく、簡単に本支店間の振替処理ができます。
更に、本支店振替仕訳パターン機能は、月末などに決まって発生する本支店をまたがる仕訳をあらかじめ登録しておき、必要なときに呼び出して仕訳伝票入力を省力化する仕訳パターン機能です。この機能を利用するとより本支店振替がスムーズに行えます。なお、本支店別に出力できる帳票として、貸借対照表、損益計算書、製造原価報告書などがあります。
E.柔軟な仮締処理
日次の締処理は不要ですので、毎日の伝票登録は日付を気にすることなく行えます。
月次決算、年次決算時は仮更新が容易に、しかも何回でも行えます。これにより過去の伝票訂正や複数回の締処理など、柔軟な運用ができます。さらに一枚の伝票を入力した後に、締処理などを行わなくても、すぐにその伝票の内容が反映された管理帳票(損益計算書,貸借対照表、合計残高試算表 など)が出力できます。
iSeries Siteでは、決算業務の機能の中で月次処理と半期/期末決算処理を行うことができます。
- まず月次処理ですが、とっても簡単です。仕訳業務で仕訳が正しく入力されていれば、必要な帳票を出力し確認するだけです。もちろん、正しくない仕訳も先ほどの伝票検索機能を使えば効率的に探し出し、訂正することができます。出力した帳票の結果が正しければ月次更新処理を行い合計残高試算表をはじめ一般的に必要とされる帳票を出力します(損益計算書,貸借対照表、キャッシュフロー計算書、製造原価報告書、販売費及び一般管理費内訳書 など)。全社で出力することもできますし、組織別に出力することもできます。手作業と比べると天と地ほどの差がでます。先に述べたように、月次更新処理は仮締め、本締めの選択ができ、仮締めは、何回でもできますので伝票の入力もれにも容易に対処できます。
- 一年を締めくくる期末決算処理(年次処理)及び半期決算処理もiSeries Site経理を使えば恐れることはありません。財務諸表作成のための便利な機能が盛り沢山です。
月次処理で使用した帳票のほとんどが決算帳票としても出力できますので、同じ感覚で操作し、同じ感覚で帳票を読み取ることができます。決算特有の決算整理仕訳も通常の仕訳と別処理できるようになっていて、しかも使い方は通常の仕訳を入力する画面と変わりませんので、年1、2度しか使わない画面でもまごつくことはありません。そのままでも会社のトップや外部へ提出用として使える表紙まで付いた決算報告書も出力できます。この中に、手作業で作成すると時間のかかる取引先ごとの売掛、買掛などの残高一覧(科目別明細表)も含まれていますので、決算報告書作成の手間を大幅に削減できます。 - この他、翌年分の仕訳を年次処理と関係なく自由に入力できますので、年次処理が終わらないために翌期分の仕訳が入力出来ず伝票が溜まって身動きが取れなくなることもありません。また、年次更新は仮締めと本締めの併用が出来ますので、伝票の間違いに後で気づいてどうにもならなくなるということもありません。
要するに、iSeries Site経理は経理担当者に優しいシステムなのです!
F.連結決算支援機能もあります。
iSeries Site 経理にて複数法人の会計処理を行なわれている環境において、連結決算用帳票(連結科目別一覧表、連結貸借対照表、連結損益計算書)を出力します。連結決算支援サブシステムは、同一のiSeries(AS/400)上で管理されている、親会社と複数の子会社を集計し、連結財務諸表の作成を支援するサブシステムです。任意の指定期間(1年以内)で、連結決算処理を行えます。手作業では大変手間のかかる合算作業 などを軽減することができます。
以上、iSeriesSite経理の「財務会計」の仕訳業務、決算業務について説明しました。
次回は、iSeriesSite経理の「個別会計」の手形管理、固定資産と「管理会計」の部門配賦、予算管理、経営分析、資金繰 について説明する予定です。【図1参照】
【図1】
