第5回:iSeries Site給与
今回は、使いやすく、給与システムの早期構築を支援するiSeries Site給与について、詳細に説明します。
ところで、iSeries Site給与には、iSeries Site給与(ベース)とiSeries Site給与(プレミア)があります。給与(プレミア)は、給与(ベース)の機能を拡張したり生損保管理、退職金計算 等の新規機能を追加したりしたものです。その違いを明確にするため、本文中、iSeries
Site 給与(プレミア)独自の機能については太字で記述します。それ以外の部分は、(プレミア)と(ベース)共通の機能です。【画面1参照】
【画面1】

上の画面がiSeries Site給与(プレミア)のメイン・メニューです。
給与の「基幹業務」である月例給与計算、昇給差額計算、社会保険料算定、賞与計算、年末調整計算、「拡張業務」の生・損保・財形、随時処理(有給休暇・退職金計算)、管理資料作成、照会、賞与シミュレーション、経理データ処理、マスター保守から構成されています。
iSeries Site給与は、お客様のニーズに応える給与のエキスパートシステムです。【図1参照】
【図1】

iSeries Site給与は給与業務に柔軟に対応しています。具体的に月例給与計算から説明します。
A. 月例給与計算
- 月給者、日給月給者、時給月給者に対する給与計算ができます。月給者では、遅刻、早退、不就労の回数または時間により欠勤1日とみなす不就労欠勤や、遅刻、早退、不就労の時間による不就労時間減給を行うこともできます。また、アルバイトやパート等の臨時雇用者を雇用しており、正社員とは支給日が異なる場合にも対応しています。中途入社や中途退職者の場合の日割計算にも対応しています。
- 支払い方法は3行まで振込口座の指定ができ、現金、銀行振込、郵便局預入れの併用も可能です。支払い方法の設定には優先順位づけができます。例えば、「優先順位1位のA銀行に100,000円、優先順位2位のB銀行に50,000円、優先順位3位のC銀行に20,000円、優先順位4位の現金支給には残りの金額」といった指定が可能です。現金支給の場合には金種表が出せますし、振込の場合は振込テープまたはPCファイルにカナ小文字変換処理により適正な振込データが作成されます。住民税の振込み処理にも対応しています。
- 月々の「勤怠データ入力」及び「変動支給控除データ入力」はポップアップ・ウィンドウ、社員番号の自動送り、前月データのコピーなどの便利な機能が利用できるので、入力は容易です。外部で入力した勤怠データをPCファイルから取り込むことや、変動支給控除の一項目について下記の画面のように複数社員を一括して入力することもできます。【画面2参照】通勤費の入力については、マスターに6ヵ月ごとや3ヵ月ごとなどの支払いサイクルや金額を設定すれば、該当月に自動的に支払うことができますので、手入力の手間が省けます。また、2つの異なるサイクル、例えば電車とバスを併用している場合、電車の定期代は6ヵ月ごと、バスの定期代は3ヵ月ごとの支払いにも対応しています。通勤費の非課税額も自動的に処理します。
【画面2】

- 給与計算に使用する項目は、固定支給、控除項目はそれぞれ20項目まで設定することができます。固定支給項目ではコード(会社独自の等級・号棒など)を入力するとあらかじめ登録しておいた金額を自動表示させることもできます。変動支給、控除項目はそれぞれ14項目まで設定することができます。また、非課税の変動支給項目は5項目まで設定することができます。その他の支給項目としては時間外手当が16種類、宿直手当、日直手当が各1種類、食事手当が2種類、精勤手当、皆勤手当が各1種類、交替手当が3種類、計算手当が1種類あります。時間外手当等の1円未満の処理を計算式のどこで行うかについては、中間丸め、最終丸めの設定ができます。不就労減給の算出式等に使われる基準労働時間は小数点以下2桁まで対応しています。
- 給与明細書は、印刷のレイアウトを自由に設定することができますので、いままでお使いになっている会社独自の様式にあわせることができます。
給与明細書を出した後の処理も簡単です。組織ごとや職位ごとの給与総括表も出せますし、PCに給与明細書の項目をダウンロードして、表計算ソフトで自由に2次加工することもできます。 - 月例給与計算後の給与明細ファイルをもとに給与データを仕訳し、iSeries Site経理に受け渡せます。
B. 昇給差額計算
- 昇給対象年月の範囲と支給月を入れるだけで、めんどうな時間外手当、不就労減給、日割等の再計算も含めて自動的に計算し、差額の合計は計算を行った月の月例給与に含めて支払います。例えば、4月に昇給するはずだったのが5月にずれこみ、昇給差額分を6月に支給する場合、対象期間に「自?××年4月」、「至?××年5月」、支給年月に「××年6月」と入力するだけで対応できます。この2ヵ月間の残業代等は昇給した金額で再計算し、8月の社会保険料定時改定の処理では、昇給差額分修正平均を自動的に求めることができます。なお昇給差額の計算は12か月まで遡って計算することができます。
- 外部で入力した昇給データをPCファイルから取込むことができますので給与マスターにあたかも入力したようになります。固定支給項目については、どれを差額計算の対象にするかを自由に設定することもできます。
- 昇給差額計算期間内の月ごとの差額明細を把握できる昇給差額一覧表や、新給与と旧給与の差額や昇給率が把握できる昇給差額明細一覧表も出力することができます。
C. 社会保険料算定
- 健康保険、厚生年金保険の社会保険料を自動的に算出します。5、6、7月の3ヵ月間の報酬を基にその年の10月以降の標準報酬月額を新たに決定する「定時決定」はもちろん、昇・降給などで、固定支給額の著しい変動等があった場合、その月以降の3ヵ月間の報酬を基に4ヵ月目以降の標準報酬月額を決定する「随時改定」にも対応しています。さらに、支給項目毎に社会保険料の算定に含めるか否かを自由に設定することもできます。また、標準報酬月額計算は、現物支給、年4回以上の賞与の金額修正、遅配月の除外、従前の標準報酬額の適用等を考慮しています。
- 「随時改定」に該当する人が一人でもいれば、画面にメッセージを出してお知らせします。8月の定時決定を行う時点で、すでに随時改定該当者と分かっている人に対しては随時を優先させることができますのでとても便利です。また、随時改定予定者一覧も出力できますので、確認することができます。
- 「算定基礎届」や「月額変更届」のデータは画面で確認でき、必要に応じて変更も可能です。この際、現在の保険料や新しい保険料を表示する等わかりやすくなっています。
- 法改定で社会保険料率が引き上げ(下げ)られた場合、画面から容易に社会保険料率ファイルの変更処理で改定後の新しい保険料と置き換えることができます。
- 厚生年金基金についても健康保険、厚生年金保険と同様に、定時と随時の改定処理や法改定時の変更が行えます。
D. 賞与計算
- 賞与計算も月例給与計算と同じ使い方で操作できるため、月例給与計算の操作を覚えると賞与計算もすぐに操作できます。賞与の入力には「個人別支給率による方法」、「会社一律の支給率による方法」、「支給額による方法」の3つの入力方法が選択できます。また、賞与シミュレーションを行った場合は、シミュレーション結果をそのまま反映することができ、変動支給額・変動控除額はPCデータから取込むこともできますので手間がかかりません。
- 前月給与がない人に賞与を支給する場合や、前月給与の10倍を越える賞与を支給する場合にも、自動的に所得税計算を行うので手計算をする必要がありません。
- 賞与時の支払方法を月例給与と別に設定することができます。
月例給与とは別に、3行まで振込口座の指定ができ、現金、銀行振込、郵便局預入れの併用も可能です。また、銀行、郵便局への賞与振込テープまたはPCファイルの作成も可能で、カナ小文字変換処理により適正な振込データが作成されます。 - 賞与明細書は、印刷のレイアウトを自由に設定することができますので、いままでお使いになっている会社独自の様式にあわせることができます。
賞与明細書を出した後の処理も簡単です。組織ごとや職位ごとの賞与総括表も出すことが可能です。 - 賞与計算後の賞与明細ファイルをもとに賞与データを仕訳し、iSeries Site経理に受け渡せます。
E. 賞与シミュレーション
- さまざまな条件を加味することによって、個人ごとの賞与額がどのくらいになるかを知りたい場合、あるいは、その個人額を積み上げた結果の全社の総額を知りたい場合に使うと便利です。シミュレーションですので条件をいろいろ変えて試すことができ、その結果は画面や帳票で確かめられます。
- 賞与算定基礎額、支給率、人事考課査定、出勤率、在籍率を基に賞与支給額のシミュレーション計算をします。考課査定、出勤率、在籍率のすべてが必要というわけではなく、選択が可能です。また、考課査定については金額か率のどちらを使用するかが選べます。
F. 年末調整計算
- 年末調整の処理を本年最後の月例給与計算と同時処理するか、本年最後の賞与計算と同時処理するか、最後の給与計算および賞与計算後単独で処理するかの3通りの方法が選択できます。単独処理の場合、還付明細書が出力でき、還付額あるいは不足額を打ち出すことが可能です。また、還付についての金種表も出力できます。
- iSeries Site給与では、ほとんどの社員は、生命保険料や損害保険料の入力だけです。中途入社の社員の方は、前職分を入力する項目がありますので、容易に入力が可能です。また、年間の生命保険料、個人年金保険料、その他の累計を取り込む機能もあるので、入力の手間も省けます。iSeries Site給与では今までの給与や賞与の総支給額や所得税の累計を持っているので、あとは自動的に計算します。(年の途中で導入した場合は、追加入力分の入力で対応できます。)
- 源泉徴収票は、全国12自治体の源泉徴収票のレイアウトをサンプルデータとして提供しておりますので、それを基にしてプログラムを変更することなく容易に印字位置を調整することができます。また、摘要欄に出力したい場合、摘要欄の打ち出す内容を個人別に摘要マスターに登録しておけば、各人の源泉徴収票に出力することができます。摘要欄の内容が変わる場合は、マスターを変更するだけでとても簡単です。さらに、年末調整非対象者についても、年間の総支給額、徴収税額などを源泉徴収票に出力できます。休退職者についても随時、源泉徴収票を出力することができます。
G. 生・損保・財形管理
- 支払い方式(月払い、賞与払い、年払い、一時払い、月・賞与払い)、保険料、対象月などを入力するだけで、給与・賞与での控除が可能になり、なおかつ年末調整にも連動します。保険料控除申告書への出力も可能です。
H. 退職金計算
- 乗率と支給率をあらかじめ登録しておくだけで、簡単に退職金が計算できます。
乗率(月数)は入社日別、勤続年数別に指定が出来ます。支給率は勤続年数ごとに7種類まで指定が可能です。退職金の計算は、いつでも計算したい時に、全社員の退職金を計算でき、ある社員の退職金だけを計算したい、ということも可能なのでとても便利です。また、「退職金乗率マスター一覧表」で設定にミスがないか確認することができ、退職金計算後は「退職金計算リスト」が出力されます。
I. 管理資料作成
- 給与マスターや月々の給与計算処理などで作成されたデータをもとに、社員名簿、住所録、年齢別・勤続年数別・職位別・組織別といった人員構成一覧表、人事異動年月日一覧表などを作成できますので、人事関連の管理資料としてお使いいただけます。
J. 経理データ処理
- 月例給与計算および賞与計算の結果を仕訳データに変換し、iSeries Site経理へ受け渡せます。データを経理に受け渡すとき、単純にはいかずに製造関連の人や、役員の勘定科目を変える必要が発生する場合があります。これにも対応可能です。
また、会社によっては全社で仕訳を起こさずに、部門単位で仕訳を起こすこともあります。こういった仕訳の組織レベルも、iSeries Site給与で選択することができるように作られています。つまり、お客様に合わせて色々な設定が用意されているのです。
以上、iSeries Site給与について説明しました。
なお、法改定時などに迅速に対応するためのiSeries Siteケア・サービスも発表されています。iSeries
Siteケア・サービスの内容は次の通りです。
1 お客様が使用されている「iSeries Site」に関する問い合わせに対し、インターネット経由またはファックス にて技術支援します。
2 「iSeries Site」の設定や機能の更新情報を提供します。
3 「iSeries Site」に関する最新情報や更新情報を提供します。
次回は、iSeries Site人事について説明する予定です。
