第7回:iSeries Site販売管理(その1)
今回は、多様な卸売業の販売物流戦略をサポートするiSeries Site販売管理について説明します。iSeries
Siteでは、お客様が扱っている商品の特性にきめ細かく対応するため、iSeries
Site販売管理生産財とiSeries Site販売管理消費財の2種類のシステムが用意されています。
(画面1,2参照)
下の【画面1】がiSeries Site販売管理生産財および【画面2】がiSeries Site販売管理消費財のメイン・メニューです。

【画面1】

【画面2】
iSeries Site販売管理は、卸売業の販売物流業務に必要な機能を汎用化したシステムで、業務の標準化・効率化を推進します。特に、iSeries
Site販売管理生産財は、見積、組立品管理、貸出等、生産財卸特有の機能が強化されており、電気・電子部品、機械工具、建材などを主要取扱商品としているお客様に最適なシステムです。また、iSeries
Site販売管理消費財は、特売品管理、ギフト品管理等、消費財卸特有の機能が強化されており、食品、文具、ギフト品などを主要取扱商品としているお客様に最適です。
(図1参照)

【図1】
以下、受注・売上管理、請求・売掛管理、発注・仕入管理、支払・買掛管理、在庫管理の順に、具体的に説明していきます。(発注・仕入管理、支払・買掛管理、在庫管理は次号での説明となります。
A. 受注・売上管理
1. 在庫数量の即時把握
iSeries Site販売管理では、在庫の更新をリアルタイムに行なっているため、マスター上の在庫はいつでも最新値です。すなわち、出荷の入力を行なえば、即時に在庫が引き落とされ、入荷の入力を行なえば即時に在庫計上されます。よって在庫照会を使えば、いつでも最新の在庫状態が把握できるのです。また、入力時に在庫数量のチェックを行なっているので、誤って在庫数量がマイナスとなってしまうような入力を防止することができる上、現在の在庫数がいくつなのかを表示してくれるため、すぐに何個までなら取引可能かも把握することができるのです。
2. 単価設定・単価管理
iSeries Site販売管理では、商品ごとの販売単価は商品マスターに標準販売単価という名称で登録するようになっています。基本的には、受注や売上の入力で表示される単価はこの標準販売単価なのですが、ある得意先だけ、または、ある商品だけ別の単価を設定したいという時には、得意先契約条件マスターに様々な契約条件で、単価そのものか掛率を設定できるようになっています。
3. 売上計上タイミング
売上計上タイミングは、だいたい、1. 商品の出荷時に売上計上、2. 得意先の受領印確認後売上計上、3.
受注時に売上計上、のいずれかになりますが、iSeries Site販売管理ではこのいずれのパターンにも対応できます。
4. 受注残管理
iSeries Site販売管理では、受注残数量を得意先別に照会する機能と商品別に照会する機能の2種類をサポートしています。
得意先から注文に対する納品状況の問い合わせがあれば、得意先別の受注残照会を見て回答することができます。また物流部門で、ある商品の今後の出荷予定を見たければ、商品別の受注残照会でそれを把握することができます。
5. 消費税計算
消費税の計算タイミング、端数処理方法など、対応が面倒な消費税計算ですが、iSeries
Site販売管理なら簡単です。
- 消費税区分(税込・税抜・非課税の設定)
得意先ごとに非課税・課税税込・課税税抜・商品優先が設定できます。また、商品ごとに非課税・課税税込・課税税抜が設定できます。 - 端数処理区分(消費税の円未満の端数処理方法)
得意先ごとに切り捨て・四捨五入・切り上げが設定できます。 - 消費税算出区分(消費税の計算タイミング)
得意先ごとに請求時計算・伝票合計単位計算・伝票明細単位計算を設定できます。
上記のすべてが得意先ごとに設定できる、ということが重要です。このように得意先との取引形態により、柔軟な対応を行なうことができます。
6. 返品・値引管理
iSeries Site販売管理では、通常売上・売上返品・売上値引はすべて別々の入力画面で入力します。ですから、返品はいくら、値引はいくら、というようにそれぞれ別個に把握できるようになっています。具体的には次のような管理ができるようになっています。
- 総売上数量・金額返品・値引関係なく、売上入力を使用して計上された全売上の数量と金額。
- 売上返品数量・金額売上返品入力によって計上された売上返品数量と金額。
- 売上値引金額売上値引入力によって計上された売上値引金額。
- 純売上数量・金額
次の数式によって計算できる差引売上数量・金額。
純売上数量=総売上数量?売上返品数量
純売上金額=総売上金額?売上返品金額?売上値引金額
これらの数値が得意先別・商品別などの切り口で把握することができます。
7. 様々な荷姿による受注の受付
iSeries Site販売管理では3段階の荷姿に対応しています。大きな荷姿単位からケース・ボール・バラと呼んでいます。鉛筆を例にとって説明しますと、1ボールの中には12バラの鉛筆が入っており、1ケースの中には12ボール、すなわち、12×12=144バラの鉛筆が入っているということになります。
もちろん、鉛筆に関してはボールとかバラなどという単位名を使用しないのであれば、それぞれ箱とか本という単位名に変更することが可能です。iSeries
Site販売管理では荷姿をケース・ボール・バラと総称しているだけです。
もちろん単位名を変更できることだけがiSeries Site販売管理のメリットなのではありません。取引単位として荷姿を指定できることがiSeries
Site販売管理の良いところなのです。
たとえば、さきほどの鉛筆。50ケースの注文があったとします。もし、バラ単位の取引しか対応できていなければ、50ケース×12箱×12本入り=7,200本という手計算をして受注の入力する必要があります。しかし、iSeries
Site販売管理なら注文通り数量50と入力し、単位をケースと指定してあげれば、自動的にバラ7,200本を計算して、在庫の引当を行なってくれます。
もちろん金額計算もバラ数量に換算して行ないます。
これがiSeries Site販売管理の基本なのですが、iSeries Site販売管理・消費財ではさらに細かいことが出来ます。受注段階で荷姿単位を指定するところまでは同じですが、出荷段階でさらに最適な荷姿に換算してくれます。
たとえば、得意先から1,510本の鉛筆の受注があったとします。受注段階ではとにかく注文通りバラで1,510本と登録します。これが出荷段階で鉛筆10ケースと5ボール、10バラと荷姿単位に換算してくれるわけです。これもわざわざ入数をもとに手計算で荷姿換算する煩わしさを解消してくれる機能です。さらに、消費財ではバラだけでなく荷姿ごとに在庫数を管理していますので、同じ商品でもよりきめこまかい在庫状況が把握できるようになっています。つまり、ケース・ボール・バラという荷姿単位で在庫数を把握できるのです。ボール在庫が不足していてケース在庫が多数ある場合、荷姿変更指示入力によりケースをいくつかボールにばらすなどということが可能です。
B. 請求・売掛管理
1. 締日および入金予定日の設定
iSeries Site販売管理では、得意先ごとに月3回まで締日を設定でき、それぞれの締日に対応する入金予定日も設定できます。入金予定日が5ヶ月先などということがあっても大丈夫です。iSeries
Site販売管理では9ヶ月先までの入金予定日設定を行なうことができます。
また、回収条件については現金支払限度額と手形支払比率、標準手形サイトが登録できます。iSeries
Site販売管理には請求先別入金予定日別の入金予定額を把握するために「回収予定表」という帳票があるのですが、回収予定額がこの現金支払限度額以下であれば全額現金回収予定と表示されます。また、回収予定額が現金支払限度額を超えると、回収予定額に手形支払比率を適用して手形回収予定額も表示されます。また、入金予定日に標準手形サイトを加えて手形決済予定日まで表示してくれます。
2. 帳端の処理
売上は当日に計上して請求は次回以降に延ばすことを帳端(ちょうは)と云いますが、iSeries
Site販売管理ではこれがそのまま実現できます。
受注あるいは売上の計上段階で、この売上は今回の請求には含めず次回請求にするという指定が可能です。請求の先延ばしは3回先まで設定できるようになっています。コンピューターに帳端を登録しておけば請求漏れも発生しないでしょう。
3. 手形の取扱い
iSeries Site販売管理の入金入力を使用すれば、入金金額分の売掛金が消し込まれます。この時、手形入金として登録すれば、自動的にその場で未決済手形残高に計上されます。手形入金の場合、手形決済期日も同時入力する形になりますが、これは受取手形自動決済という機能で、未決済手形残高を消し込み、債権残高を正しく把握するためです。
4. 信用限度管理
信用限度額とは、簡単に言えば、この得意先ならこの金額までなら掛売りしても大丈夫という限度のことで、一般には、信用限度額は債権残高の月ごとの平均額に3?4ヶ月を掛け算して設定したりします。
しかし、この設定方法は各社ごとに過去の経験値と照らし合わせ、さらに取引年数・信用度・担保力などを考慮して設定するので、iSeries
Site販売管理では自動的に信用限度額を計算したりする機能は備えていません。手計算により各得意先ごとに信用限度額を求めた上で、得意先マスターに設定するような形をとります。設定した信用限度額に関連する処理は次の2種類です。
- 売掛金管理表
債権残高が信用限度額を超えている場合は警告メッセージを印刷します。 - 受注・出荷・売上入力
得意先コード入力時に、債権残高が信用限度額を超えている場合は警告メッセージを表示します。
5. 売掛金の消し込み方法
「3. 手形の取扱い」で説明しましたように、iSeries Site販売管理の入金入力は入金金額分の売掛金を消し込みます。しかし、これではグロス入金によるグロス売掛の消し込みしか実施していないことになります。
このような消込方法を残高繰越方式と呼んでいますが、これに対し、もっと詳細に入金金額に対応する売上明細を調べ、個別に消し込む方法を個別消込方式と呼びます。
iSeries Site販売管理ではまず全請求先残高消込方式を前提としています。その上で、請求先ごとに個別消込方式を採用するか否かを選択できます。
具体的には、得意先マスターの中で請求先として登録された得意先について、個別消込方式を行なうかどうかを設定します。しかも、個別消込のレベルとして、請求書レベル、伝票合計レベル、伝票明細レベルを設定することができます。
以上、iSeries Site販売管理の「受注・売上管理」と「請求・売掛管理」について説明しました。
次回は、iSeries Site 販売管理の「発注・仕入管理」、「支払・買掛管理」、「在庫管理」について説明する予定です。
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(当連載のバックナンバーも掲載しています)
