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第12回:iSeries Site生産管理(プレミア)

今回は、前回のiSeries Site販売管理(プレミア)に引き続き、iSeries Site生産管理(プレミア)について説明します。この「今!時代はiSeries Siteへ!」の連載第9回と第10回で説明しました「iSeries Site生産管理」の拡張版が「iSeries Site生産管理(プレミア)」です。「iSeries Site生産管理(プレミア)」の新機能は主に下記4つです。今回は、これらのプレミア機能を中心に「ベースとプレミアがどう違うのか?」を話していきたいと思います。

 1. 製造納期回答
 2. 複社購買
 3. 原価計算
 4. 自動FAX/e-mail

A. 製造納期回答

iSeries Site生産管理では、生産管理業務をカバーするとともに販売管理業務部分もサポートしております。つまりiSeries Site生産管理は、生販(生産と販売)の基幹システムをカバーしているのです。(これはベースおよびプレミアも同様です。)iSeries Site生産管理(プレミア)では、この生産業務と販売業務の連携を支援する為の機能として、「製造納期回答」機能を提供しております。
業務的な流れからこの機能を説明していきましょう。営業担当者はお客様から受注をとってきます。受注を受けた時点で、お客様が希望される納期を確認し、在庫があればその分を引当て、在庫が無ければ工場に製造の依頼をするわけです。その際に工場では、他の生産計画を考慮して営業に納期を返答します。これを通常「製造納期回答」といいますが、この部分はこれまで電話およびファックス等でやりとりしてきました。製造納期回答とは営業での受注に対して、工場が納期を回答する機能です。(画面1参照)

画面1
【画面1】

この機能を使う事により営業と工場側の情報交換が即時的に行われます。また受注の時には受注の精度も合わせて入力できます。工場側は受注精度を確認しながら生産計画の立案の作業を行うことができますので、業務の流れを円滑にし、効率を高める事が可能です。


B. 複社購買

複社購買とは、複数の会社からモノを購買する事を言います。iSeries Site生産管理では、ベースでも複社購買をサポートしていますが、プレミアでは更に機能的に拡張したものになっております。
ベースでは、品目マスターに登録された標準購買先を常に初期の購買先としてセットします。標準の購買先ではなく、別の購買先からモノを仕入れる場合は、直接購買先を変更する事による複社購買をサポートしております。またオーダーを分割して(100キロ購入するオーダーを、50キロずつ、A社とB社から購入する)複数の会社から購入する事も出来ます。
ただし100キロまではA社から購入した方が安い、100キロ以上はB社から購入した方が安いなど、発注する量(発注ロットサイズ)によって業者が変動したり、来月からは、100円ではなく90円など、細かい設定ができません。プレミアでは、「単価マスター」で、複数の業者の登録とロットサイズ、および単価が有効な日付を管理し、所要量計算などで購買先をセットする時に、一番安く仕入れる事ができる業者を自動的に選定してきますので、購買担当者が一番安く購入できる
業者を選定する必要がなくなる訳です。(画面2参照)

画面2
【画面2】


C. 原価計算

iSeries Site生産管理(プレミア)では、月次単位で製造品についてのオーダー別原価計算を行う事ができます。プレミアでは、この機能が一番の目玉となる機能です。そこでプレミアの原価計算の詳細を説明する前に、ベースで提供していた原価計算を先におさらいしましょう。

<原価計算とは?>
原価計算とは通常「標準原価」と「実際原価」計算の2つから構成されます。標準原価計算とは「あらかじめ設定された原価」で、「実際原価とは実際の生産活動で発生した原価」とお考え下さい。つまり標準原価で100円としていたモノが、実際には105円かかったという事を把握する事が原価計算の目的のひとつです。

<iSeries Site生産管理(ベース)の原価計算機能>
iSeries Site生産管理(ベース)では、標準原価計算をサポートしています。具体的には「1.標準原価」「2.実勢原価」「3.実際原価」「4.シミュレーション原価」「5.個別原価計算」の5種類の原価計算を行う事ができます。順に個々の違いと特徴を説明していきましょう。

<標準原価計算>
標準原価計算では、構成マスターと工順マスターを元に原価計算をします。構成マスターからは、「何を幾つ使うか?」という情報をもとに、材料費を計算します。材料費を計算する時には、品目マスターに設定されている標準単価を使用します。この標準単価は実際に購入した金額ではなく、品目毎に一律に設定された単価です。標準原価計算では、「ある製品がいくらかかるか?」を求める事ができます。

<実勢原価計算>
実勢原価計算とは「実勢価格」という言葉でも聞くように、最新の購買単価を使用した原価計算です。前述の「標準原価」が品目マスターの標準単価を使用するのに対して、実勢原価計算では、最新単価を使用するのが、標準と実勢の違いになります。

<実際原価計算>
実際原価計算では、賃率の設定の時に実際に発生した費用を使用します。(iSeries Site生産管理で言う実際原価計算は、広義の実際原価計算とは異なりますので注意が必要です。)
つまりiSeries Siteでは賃率ファイルを設定する時に、予算ベースでの金額を元にして賃率を設定するか(=標準原価の賃率設定方法)、実際に発生した金額を元にして賃率を設定するか(=実際原価の賃率設定方法)等、賃率を複数設定できる事が、標準と実際の違いになります。賃率以外で使用するマスターについては、標準原価計算と同じですので、標準原価と実際原価との違いは、単に賃率の設定方法の違いという事になります。なお予算ベースでの賃率設定を行う場合には、iSeries Site経理(ベースまたはプレミア)より配賦予算ファイルを取り込む事も可能になっております。

<シミュレーション原価>
シミュレーション原価計算では、工程情報を別に作成して原価計算を行うことが出来ます。標準原価計算との違いは、工順マスターとの違いになります。これまで社内で製作していたモノを、外注で作成するように変更したりして原価計算をシミュレートする事ができます。

<個別原価計算>
個別原価計算とは、個別製番手配品に対しての原価計算です。個別製番手配では製番単位で原価計算を行います。実際に掛かった時間や購入した金額を使用して原価計算をしますので、広義の実際原価計算に近い形になります

以上の様に、ベースの原価管理では標準原価をサポートしていますが、広義の実際原価計算は行う事はできません。つまりベースで提供している原価計算は、標準原価で設定方法(モード)が4通り(標準・実勢・実際・シミュレーション)あるとご理解いただければ良いかと思います。
原価計算は、会社毎に原価計算の考え方が異なったりするケースが多いので、通常はiSeries Site生産管理にアドオン(=追加開発)する形で別途個別に開発して対応してきました。しかしながら標準原価を行う為に、まず実際原価を把握したいというお客様も非常に多いのが現状です。
プレミアでは、広義の実際原価計算に近い形の原価計算を「オーダー別原価計算」として機能を提供しています。詳細を説明しましょう。

<オーダー別原価計算>
iSeries Site生産管理(プレミア)では、月次単位でのオーダー別原価計算機能を提供しています。オーダーとは製造品目の単位です。オーダー別原価計算では、実際に投入した原材料の量および発生した時間をベースに原価計算をします。在庫評価単価はiSeries Site販売管理のように、標準原価以外にも「月次総平均」「移動平均」等を品目別に設定できますので、より実際に近い原価計算が可能です。
実際のオーダー別原価計算の結果を見てみましょう。まず月次で品目単位での原価計算が行われ(画面3参照)、更にオーダー別の原価に展開し(画面4参照)、使用した原材料レベルでの原価を把握(画面5参照)できます。つまり、ある月の原価が異常に高いまたは安い時には、まずオーダー単位で原価を把握し、そのオーダーで使用している原材料の原価を把握する事が出来る訳です。

画面3
【画面3】

画面4
【画面4】

画面5
【画面5】

今後、iSeries Site生産管理(プレミア)を導入されるお客様は、このオーダー別原価計算の機能をベースに、会社独自の原価計算の仕組みを構築することも出来ますので、より早く原価管理システムを導入する事が可能です。


D. 自動FAX/e-mail

iSeries Site生産管理(プレミア)でも、販売管理プレミアと同様にFAX/e-mail機能を使用する事ができます。(ただしOS/400はバージョン5以上、その他追加のライセンスプログラムが必要となります。)プレミアでは、購買伝票のみFAX/e-mailの機能対応をしております。(購買伝票以外の帳票についてもFAX/e-mail化は可能ですが、帳票出力時に一部カストマイズの必要があります)この機能により、これまで手作業でFAX等で流していた購買伝票(=注文書)の部分を自動化できますので、作業時間の短縮と効率化をはかる事ができます。

以上、iSeries Site生産管理(プレミア)について説明しました。プレミア機能の特徴は御理解いただけましたでしょうか?プレミア機能の実現により、これまでベースではカバーできなかった部分も拡張されておりますので、よりお客様の要望に近い生産管理および販売管理システムを構築することができると思います。

最後にプレミア全体として、ベースと異なる点を記述しておきます。プレミアでは、ベースの取引先コードを5桁から7桁に桁数拡張しております。また手形No.も8桁から10桁に桁数を拡張しております。この桁数につきましてはプレミアの経理・販売管理(生産財・消費財)、生産管理共通となっております。

次回は、「iSeries Site ワークフロー」について説明する予定です。