第14回:iSeries Siteワークフロー(その2)
iSeries Siteワークフローではお客様に最適な申請書システムを用意するための機能を取り揃えています。今回はその機能の詳細とその機能を実現するための構成、iSeries
Site ワークフローの導入効果について説明いたします。
A. ワークフローの詳細な設定が可能
iSeries Siteワークフローのワークフロー設定では、システム上で発行された申請書アプリケーションに対して、複数の承認者が順序立てて承認を行う機能を提供します。
また、ワークフローを設定するファイルは各申請書アプリケーションごとに用意されており、プログラムの外部のファイルとして保持していますので、申請書アプリケーションごとに様々な承認経路を設定できます。具体的には承認者を上司に設定する方法やDBテーブルにあるデータを承認者として設定する方法、申請書アプリケーションの中で動的に承認者を決定する方法、外部ファイルに固定で承認者を設定する方法の4つの方法を用意しています。
また、その他の設定として様々な機能を用意しています。例えば、上司が急な出張のため留守で、長期間承認、または上司自身の申請ができないという場合、業務はいったん停止してしまいます。そんな万一の場面も想定して、iSeries
Siteワークフローでは代行承認や代行申請の許可も外部ファイルで設定できるようになっています。また、承認依頼者にメールを送付して、承認者はいつ誰が申請を行ったのかをすぐに把握できるように設定することも可能です。
このように、ワークフローに関して様々な詳細設定を、申請書アプリケーションごとかつ承認階層ごとに行うことによって、お客様の組織や業務体系に柔軟に対応した業務フローを作成することができるのです。
B. 申請書アプリケーションのカストマイズが可能
iSeries Siteワークフローには48の申請書アプリケーションを標準で用意しており、それらのアプリケーションはソース提供していますので、自由にカストマイズすることが可能です。
例えば、ボタンや入力項目を追加したり、余分な部分を削除したりという変更を自由に行うことができますし、エラーチェックやDBのテーブルとの連携なども、常にお客様の業務に最適なアプリケーションになるようにカストマイズすることができます。
また、必要な申請書アプリケーションを新しく開発することも可能です。例えば現在紙ベースで使っている申請書アプリケーションをそのままのフォーマット、内容でiSeries
Siteワークフローの申請書アプリケーションとして開発することも簡単にできてしまいます。iSeries
Siteワークフローは、各アプリケーションを制御するために必要な共通機能部分と申請書の部分にあたるアプリケーション部分が独立した構成になっていますので、新規に申請書アプリケーションを開発する場合でも、共通機能の部分を変更する必要はありません。申請書アプリケーション部分のみを開発するだけで済みますので、新規の申請書アプリケーションも素早くかつ簡単に開発することができるのです。
C. 2つのフレームワークと開発ツールを利用したアプリケーション開発が可能
iSeries Siteワークフローは、申請書アプリケーションが共通して使う部分をフレームワークとして持っています。フレームワークとはJavaのプログラム用語で、共通に使用される機能のことを意味しています。iSeries
Siteワークフローは、Webアプリケーションに必要な共通部分を提供するフレームワークと、業務フローを提供するフレームワークの2つのフレームワークを持っています。さらに、簡単に申請書アプリケーションを作成するための開発ツールも用意しています。図1をご覧下さい。(図1参照)もしも、iSeries
Siteワークフローを使用せずに、電子申請システムを作成しようとすると、多大な工数(図1の1. の部分)がかかりますが、iSeries Siteワークフローを使用することにより、ほんのわずかのな工数(図1の2.の部分)で、アプリケーション構築が可能となるのです。

【図1】
ではそれぞれの機能について説明いたします。
1. Webアプリケーションに必要な共通部分を提供するフレームワーク
Webのアプリケーション構築を行う上で、必ず必要となる機能があります。例えば、ブラウザからの要求を管理するトランザクションの管理機能や、ブラウザからの要求を処理する汎用サーブレット、データベースとの接続・切断、ログの機能、これらの機能はどのアプリケーションにも必要不可欠ですが個々に作る必要はなく、ひとつあればみんなでその機能を使うことができます。Webアプリケーションに必要な共通部分を提供するフレームワーク部分では、このような共通機能を提供しているのです。
このフレームワークを使用することによって、Webアプリケーションに必要な機能について意識することなく、申請書アプリケーションの開発を行うことができますので、申請書アプリケーションを開発する場合は申請書の部分のみを開発すればよいので、開発工数が削減されるとともに、品質の高い申請書アプリケーションを構築することができます。
2. 業務フローを提供するフレームワーク
業務フローを提供するフレームワークでは、申請ボタンを押した時や、承認ボタンを押した時の処理や、ワークフローの順序などを制御する機能を提供しています。このフレームワークを使用することによって、業務の流れを意識せずにアプリケーションを開発することができます。例えば、出張届を申請する場合、申請者が出張に関する情報を入力して申請を行うと、申請者の一人目の承認者に申請情報が回覧され、承認者は申請内容を確認して、承認することができます。(画面1参照)内容に不備があると、申請内容を差し戻すこともでき、その場合は申請者は差戻された理由を確認し、訂正して再度申請することができます。複数承認者が設定されている場合は、一人目の承認者が承認した後、次の承認者へと申請内容が回覧されます。すべての承認者が承認すると申請は完了となります。

【画面1】

【画面2】
申請者は状況一覧の画面で、自分が申請した申請書アプリケーションの状況を確認することができます。(画面2参照)このように、業務フローを提供するフレームワークでは、申請書アプリケーションの回覧の流れや、状況を管理する機能を提供していますので、申請者や承認者は業務の流れを意識せず、状況を素早く把握しながら、申請業務をスムーズに行うことができるのです。
iSeries Siteの業務フローを提供するフレームワークでは、一般的な業務フローの提供だけではなく、承認経路の複数設定や、同一階層の承認経路の設定も可能ですし、代行承認(画面3参照)や一括承認などの便利な機能も豊富に取り揃えていますので、多種多様な業務フローを実現することができるのです。

【画面3】
また、承認経路に関する情報は外部のファイルで保持していますので、プログラムを修正するこなく、業務の種類に合わせて素早くかつ簡単に設定変更を行うことが可能です。
3. 申請書アプリケーション作成ツール「テンプレート・フォーム」
iSeries Site ワークフローの申請書アプリケーションはJava言語で作成されていますが、複雑なJavaのプログラムを書いたり、外部のファイルと連携するために、つじつまを合わせるのは、Javaのプログラムになれた人にとっても手間のかかる作業だと思いませんか?
そこで便利なのが、iSeries Siteワークフローの申請書作成アプリケーション「テンプレート・フォーム」です。このツールを使用すると、開発者は簡単な規則にしたがって申請書アプリケーション画面用のHTMLを作成し、ツールでコンパイルするだけで、自動的に申請書アプリケーションに必要なモジュールやモジュールの元になるソースファイル、必要な外部ファイル、データベースのテーブル定義ファイルを作成することができます。開発者はコンパイルで作成されたソースに入力チェックや特定の処理などを記述するだけで、申請書アプリケーションを完成することができるのです。このように、テンプレート・フォームを利用することにより、よりすばやく正確な申請書アプリケーションの開発を行うことができます。また、HTMLは「ホームページビルダー」のようなHTMLエディターで作成することもできますので、デザインの良い画面を簡単に設計することが可能となるのです。
D. 導入の効果
iSeries Siteワークフローは、日本アイ・ビー・エム社内において長期間に渡り実践してきた総務業務のBPR(Business
Process Re-Engeneering)をベースに設計されておりますので、社内業務を効率化する、下記のようなさまざまな効果をもたらします。
1. 主管部門(人事部、経理部、総務部等)のワークロード削減
- 個々の社員が入力するため、人事部、経理部、総務部での伝票入力が不要になります。
- わかり易いメニュー、イベントナビゲーション、承認経路情報の提供により、社員の方は必要な申請を自分で理解することができるとともに、申請後の承認状況を画面で確認することができるので、問合せへの対応が大幅に削減されます。
- 立替金精算伝票等の合計金額はシステムが算出しますので、検証のワークロードが削減されます。
- 承認済伝票の申請者への戻しのワークロードが不要になります。
2. ペーパー・レス
- 各事業所にて伝票類のストックが不要になります。
- 記入済伝票の保管が不要になります。
- 給与明細も電子化により、印刷、配布の手間がなくなります。
- 回覧文書等も追加で電子化を行なうことにより全面的なペーパーレスの実現が可能です。
3. キャッシユ・レス
- 立替金は全て銀行振込、仮払金はクレジットカードを社員に配布することで、現場での現金のやりとりを全て廃止することが可能になります。
4. 社員満足度の向上
- 処理時間を短縮します。IBMでは紙で処理していた時には8?10日間要していた社員への立替金の支払が2?3日後には社員の銀行口座に振り込まれるようになりました。
- わかりやすいメニューやイベントナビゲーションによる必要申請書アプリケーションのピックアップをすることで社員の生産性が大幅に向上します。
- 申請済申請書の再利用(コピー機能)や良く使う交通機関経路の登録機能により、入力に関わるワークロードを最小化します。
- 承認状況の確認がいつでも可能なため、社員の方は安心できます。
5.その他
- 伝票類のストックが不要になるため、スペース・レスの効果も図れます。
- 伝票類を配布する社内郵送費用の削減も可能です。
- 申請済申請書の再利用(コピー機能)や良く使う交通機関経路の登録機能により、入力に関わるワークロードを最小化します。
- 承認状況の確認がいつでも可能なため、社員の方は安心できます。
以上、「iSeries Siteワークフロー」について説明しました。
次回は、「iSeries Siteケア・サービス」について説明する予定です。
- iSeries Siteお客様用ホームページ
(当連載のバックナンバーも掲載しています)
