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サプライチェーン・マネジメント

7.「サプライチェーン・マネジメント」による効果

6回の連載を通じて、「サプライチェーン・マネジメント」とはどのようなもので、実際にどのように構築していくのかといった内容を具体的な事例を交えてご紹介してきました。
今回は最終回となりますが、「サプライチェーン・マネジメント」によって得られる効果を述べて、全体をまとめたいと思います。


アプリケーション開発に投資をし、取引先とのパートナーシップを強化し、全社的なBPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)をおこなった結果、「サプライチェーン・マネジメント」は実際どのような効果を各企業にもたらしてくれるのでしょうか?

電子調達やSCMで得られたメリット(複数回答)
電子調達やSCMで得られたメリット

出所:ITマネージャ411人を対象にしたインフォメーションウイーク誌の調査


上のグラフは、実際に電子調達や「サプライチェーン・マネジメント」を実施した411人のITマネージャーにその効果を調査した結果です。
実際、様々な事例を見ても、

といった内容が挙げられており、いずれも最終的には上のグラフに表れている効果に結びついています。
その主だった点について詳しくみてみましょう。

在庫が削減される

通常、企業は不要な在庫を多く抱えています。
以前も飲料水のケースでご紹介したように、企業は多めの在庫を確保することで、「欠品」という不安を解消しています。しかし、在庫を持つという事は、それを置くスペースやそれらを管理する人件費も必要になり、企業にとっては大きな負担となるうえ、食品のように賞味期限のあるものは、その期限が過ぎるとそれらの在庫は損失となるリスクを抱えています。

「サプライチェーン・マネジメント」を実施すると、各サプライチェーンの在庫が取引先同士で把握できるようになるので、卸、メーカー、原材料の供給会社などが余分な在庫を保持することなく、消費者の需要に応じて備えることが可能になります。又、小売店が提供するPOSデータから需要予測をおこなうことにより、生産や配送などを効率よく行う事が可能になり、市場の変化に最小限の在庫で対応できるようになります。
在庫コストの削減は、企業にとっては大きな利益につながります。

商品の回転率が向上する

上と同様、店舗からのPOSデータを活用することにより、商品の売れ筋や消費者のニーズが把握できるようになります。メーカーは、「売れる製品」の製造計画をたて、卸や小売は「売れる商品」の品揃えを強化することにより、商品の回転率が上がります。
商品の回転率が上がるということは、その分粗利率も上がるということになります。

米国のある小売店では、「サプライチェーン・マネジメント」を実施することにより年間3.5回転だった在庫の回転率を6.0回転と、約1.7倍も向上させました。
これまで30%の粗利を確保していたのが、18%でも従来の利益を確保することが可能になったため、この小売店ではその差を「値下げ」という形で価格に反映させる事により、顧客の満足度を高め、最終的には売上げを伸ばす事にも成功しました。

納期が短縮される

「サプライチェーン・マネジメント」により物や情報の流れがスムースになり、原材料の調達から商品が消費者に届くまでのリードタイムが短縮されます。リードタイムが短縮されるということは、お客様の満足度を向上させるだけでなく、原材料などの資材を購入するための支払いを行ってから、製品を販売してお金が支払われるまでの期間が短くなるので、経営にも大きな影響を与えます。


そして、最終的には収益率の向上やお客様の満足度向上など、1社だけでの取り組みでは決して得ることのできない大きな効果が得られます。
これは、「サプライチェーン・マネジメント」という経営手法により、取引きに携わるすべてのプレイヤーがあたかもひとつの企業の中にいるかのように情報を共有しあい、最適化を図っているからです。

「サプライチェーン・マネジメント」を実施するということは、「バーチャル・カンパニー」を設立するということになります。

サプライチェーン・マネジメントというバーチャル・カンパニー

サプライチェーン・マネジメントというバーチャル・カンパニー

実際の会社は、上図のように複数の「バーチャル・カンパニー」に属します。

更に、「サプライチェーン・マネジメント」にはもう一つ大きなポイントがあります。

企業のキャッシュフローが改善される

最近「キャッシュフロー」という言葉をよく耳にします。これは「余剰金資金管理」の事ですが、金融機関による貸し渋りが経営に大きなインパクトを与える今、少しでも資金に余裕を持たせることは、企業にとっての重要課題となっています。このキャッシュフローに影響を与える要因として「設備投資」や「原価償却費」などがあげられますが、実は企業の持つ「在庫」も今はキャッシュフロー改善のために注目されている要因の一つなのです。

「在庫」を増やすと仕入れにともなう支払が発生しますが、実際にはその在庫が売れるまで、もしくは売掛金が回収できるまでは現金の収入がないため、その間のキャッシュフローが滞ってしまいます。
先程も述べましたが、通常、企業は売れる保証がなくても余分な在庫を持っています。
「サプライチェーン・マネジメント」により在庫を最小限に押さえることができるようになると、仕入れのための支払も少なくなり、キャッシュフローが改善され、資金に余裕が出るという意味で経営に大きく貢献します。

新しい会計基準への対応は済んでいますか?
国際会計基準の採用により、2000年から上場企業は従来の「損益計算書」だけでなく「連結キャッシュフロー計算書」の開示が義務づけられています。
「キャッシュフロー」を管理するためには、親会社だけでなく、子/孫を含めた取引を管理しなくてはなりません。
「サプライチェーン・マネジメント」は、調達から生産、販売といった一連の業務の流れの効率化を図りながら、「キャッシュフロー」の管理を実施する経営手法です。
連結決算をとりまとめる親企業にとっても、系列会社との「サプライチェーン・マネジメント」は、この新しい会計基準に対応するための仕組みとして大きな効果をもたらすものです。

実際に、この連結決算処理を目的として「サプライチェーン・マネジメント」に取り組んでいる例も少なくありません。



「話が大きすぎて・・・」、「うちには関係ない・・・」と言っているわけにはいきません。
今、世の中は確実に「サプライチェーン・マネジメント」実現の方向に動いています。「サプライチェーン・マネジメント」に対応できない企業はこれからは取引きの対象からはずされてしまうのです。

人材不足、アプリケーション開発コスト負担、情報共有への抵抗・・・など、「サプライチェーン・マネジメント」実施には多くの課題があります。
しかし、企業が生き残りをかけるのであれば、これらの問題を克服し、新しいビジネス形態に対応していく事は必須となります。

そのためにも、最低限自社の在庫管理を徹底し、取引先との情報交換に耐えられるシステム環境を整えておきましょう。
それが今回のセミナーを通じてお伝えしたかったメッセージです。
iSeriesは、「サプライチェーン・マネジメント」の実現を全面的に支援します。
最新のテクノロジーを活用することにより、お客様のビジネスとともに成長する、最適なプラットフォームです。