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動的ロジカル・パーティショニング(DLPAR)
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- 動的ロジカル・パーティショニングとは?静的LPARとの違いは?動的LPARの利点は?
- パーティショニング・サポートに対する、AIX 5L V5.2でのその他の機能強化にはどのようなものがありますか?
- 動的パーティショニングでは、どんなオペレーティング・システムがサポートされますか?
- DLPARは、自動的なワークロード・バランシングを備えていますか?
- アプリケーションでDLPARのオペレーションについて認識する必要があるかどうかは、どのようにして分かりますか?
- アプリケーションでDLPAR機能を活用する方法
- DLPAR API呼び出しを行うアプリケーションを作成し、テストするには、何が必要ですか?
- AIX 5L V5.1とV5.2で別々のバイナリーをサポートしたくないと考えています。実行可能コードにDLPAR API呼び出しを組み込む必要がありますが、何をする必要があるでしょうか?
- DLPARオペレーションで想定されるパフォーマンス上の影響は?
- AIX 5L V5.1(または AIX V4.3.3)でアプリケーションを作成しました。DLPAR環境のAIX 5L V5.2で正常に動作しますか?
- アプリケーションが WebSphere Application Serverのようなホスティング環境を使用している場合は、動的なリソースの変更によって生じるすべての問題はWebSphereが処理すると考えてよいでしょうか?
- AIX 5L V5.2でDLPAR オペレーションをサポートするのは、どのバージョンのJavaですか?
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動的ロジカル・パーティショニングとは?静的LPARとの違いは?動的LPARの利点は?
静的パーティショニングの場合は、パーティションに割り当てられているリソース、プロセッサー、メモリーおよびI/Oを、パーティションのリブートなしで再割り当てすることはできません。DLPARでは、運用を中断することなく、稼動中にシステム・リソースの再割り当てが行えます。これにより、運用の柔軟性が飛躍的に増し、システムの可用性も向上します。
たとえば、ピーク時のトランザクション処理をサポートするパーティションに、まとまったプロセッサーを割り当てることも可能になります。非ピーク時には、間接部門の処理や複雑な照会を処理するために、リソースを再割り当てすることができます。また、頻繁に使用されることのない、CD-ROMや磁気テープ・ドライブなどの入出力装置を、運用を中断することなく、パーティション間で移動することもできます。稼働中のパーティションから一連のリソースを外し、それらを使用して新たにパーティションを作成してブートすることもできます。
パーティショニング・サポートに対する、AIX 5L V5.2でのその他の機能強化にはどのようなものがありますか?
DLPARのサポートに加えて、より細かくパーティショニングできるようになりました。まず、パーティションに割り当てられる最小メモリー・サイズが、すべてのパーティション・タイプ(AIX 5L V5.1、AIX 5L V5.2 およびLinux)で1GBから256MBへと格段に小さくなりました。
その他の拡張としては、AIX 5L V5.1で使用されていた「実モード・アドレス」メモリーがAIX 5L V5.2では少なくて済むようになりました。これまでは、メモリーの大きなパーティションのために、連続した大きなサイズの物理メモリーが必要でした。HMCでの新規のパーティション・プロファイル・オプションにより、AIX
5L V5.2のパーティションで「スモール実モード・アドレス領域」が使用できるようになりました。これで、メモリー内のほとんどどこにでも収まるようになりました。この新規オプションは、Linuxパーティションに対しても働きます。このオプションはAIX 5L V5.1のパーティションに対しては働かないため、それらのパーティションに対するメモリー割り振り規則は従来のままです。
最後に、AIX 5L V5.2はパーティションあたり最高1:64の比率までメモリー・サイズを拡張することが可能です。(以前のリリースでは、1:16という制約がありました)。これは、言い換えると1パーティションあたり64GBまでメモリー・サイズを拡張したい場合には、最低1GBが必要ということになります。最小メモリー・サイズが1GBのAIX 5L V5.2パーティションは、最大64GBまで拡張することが可能です。(パーティションを設定するモードによって条件は変わります。詳細はマニュアルを参照してください)
ここで説明した機能強化を使用可能にするには、すでに出荷されているシステムでは、ハードウェア管理コンソール(HMC)のソフトウェア・アップグレードを行い、そのあと、システム・マイクロコードをアップデートする必要があります。
DLPARは、自動的なワークロード・バランシングを備えていますか?
LPARのリソース移動は完全に動的に(パーティションを稼働させたまま混乱を起こすことなく)行われますが、必ずしも(なんらかの内部ポリシーまたは条件/応答によって独立してトリガーがかかるように)自動化されているわけではありません。しかし、任意の種類のDLPAR自動化ができるように設定することはできます。
AIXワークロード・マネージャーは、SMPサーバーでの場合と同じように、個々のAIXイメージ内でのリソースの使用を最適化する、同じタイプの機能をAIX 5Lイメージが実行されているLPAR内で提供します。ワークロード・マネージャーはDLPARの働きを認識しており、LPARリソースが追加または除去されると、適切に調整を行いますが、DLPARリソースの追加または除去をコントロールすることはありません。
アプリケーションでDLPARのオペレーションについて認識する必要があるかどうかは、どのようにして分かりますか?
ほとんどの市販のアプリケーションは、なんら変更することなくDLPAR環境で問題なく動作します。しかし、アプリケーションによっては、DLPARオペレーションに合わせる必要があるものがあります。例:データベースのようなミドルウェア・アプリケーション。これらはシステム構成に対応して規模が変わるためです。
- ツール:CPUやメモリーの統計情報をレポートするからです。
- ワークロード・マネージャー:CPUレベルでスケジュールするからです。
- ライセンス・マネージャー:CPUまたはメモリーのキャパシティーに基づいてライセンスを管理するからです。
通常、以下のようなタイプのアプリケーションはDLPARのオペレーションに注意を払い、それに合わせる必要があります。
- システム構成にあわせて規模が変化するように設計されたアプリケーション。これらには、アプリケーションの開始時にオンラインになっているプロセッサーの数や、物理メモリーのサイズを検出するようにコーディングされているアプリケーションや、最大スレッド数、最大バッファー・サイズ、あるいはpinされたメモリーの最大量を決めるために、想定されたプロセッサーおよびメモリーの構成を基に大きさを変えるように指示されているアプリケーションが含まれます。
- オンライン・プロセッサーの数、およびシステム・メモリーの合計量を常に認識するアプリケーション。パフォーマンス・モニター、デバッガー、システム・クラッシュ・ツール、ワークロード・マネージャー、およびライセンス・マネージャーがそれらに当たります。ユーザー・ベースのライセンス・マネージャーには、影響はありません。
- アプリケーション・データ、テキストまたはスタックをplockシステム・コールによりpinするアプリケーション。
- Pinオプション(SHM_PIN)を指定してSystem Vシェアード・メモリー・セグメントを使用するアプリケーション。
- bindprocessorシステム・コールを使用してプロセッサーにバインドするアプリケーション。
AIX 5L V5.2には、DLPARオペレーションについてアプリケーションに通知する2つの方法があります。スクリプトまたはAPIを使用して、動的にDLPARのオペレーションに適応することができます。スクリプトは、通常、DLPARのイベントに関して独自のポリシーを定義するシステム管理者が使用します。
サンプルのDLPARスクリプトが、ベースのAIX 5L V5.2のファイルセットbos.adt.samplesに入っています。それらはディレクトリー
/usr/samples/dr/scripts にインストールされています。
カーネル・エクステンションも同様にDLPARイベントの通知を受け取ることができ、それに従って反応します。
DLPARオペレーションで想定されるパフォーマンス上の影響は?
大半のDLPARオペレーションは、メモリーの削除以外は、実行中のシステムにほとんど影響することなく行われます。メモリーの削除によるパフォーマンスへの影響はユーザーが指定したメモリーの量によって変わります。プロセッサーの追加や取り外しに関しては、DLPARオペレーションはそのシステム上で実行されている他のプロセスと同様に、CPUリソースに関して競合します。CPUの競合状態が30秒を超えることはありませんが、その後、新規の構成でブートされた場合に行われるであろうレベルでシステムが動作を開始するのに、約1分かかります。
メモリーの追加または削除の場合は、その結果、システム内に残されているメモリーの量に比例してファイルシステム・バッファーおよびネットワーク・バッファーの増減につながるため、もうすこし複雑です。この種の2次的な影響は、実効ページ・セットが再設定される際にシステムが自動的に処理します。しかし、メモリーが不十分なパーティションが残されると、ページングが頻繁に発生します。適切なリソースがパーティションに割り当てられるように、そのパーティションでのワークロードに必要なリソース、特にメモリー、を理解することが重要です。大量のメモリーを使用するアプリケーションでは、メモリーの削除操作中にかなりのページングが発生しますが、いったんその占有領域が再設定されると、その操作のあと数分以内に安定するはずです。通常、パーティション内のメモリーの状態にもよりますが、4GBのメモリーを削除するのに1から2分かかります。
メモリーのフラグメント化が激しいか、プロセッサーが配置上分離してしまった構成になっている(多くのDLPARオペレーションがリブートなしでマシンに対して行われたときに発生しそうな状態)最悪の状態を想定したシステムを使用して行った初期のテストでは、マルチユーザーのベンチマークで、パフォーマンスに対する影響は、わずか3.5%でした。
AIX 5L V5.1(または AIX V4.3.3)でアプリケーションを作成しました。DLPAR環境のAIX 5L V5.2で正常に動作しますか?
大多数のアプリケーションがそうであるように、そのアプリケーションをDLPARオペレーションに適応させる必要がなければ、動的パーティショニング環境で正常に動作するでしょう。AIX 5L バージョン5.2は、以前のレベルのAIXとのバイナリー互換性を維持しています。以前のバージョンのAIX上で作成されたバイナリー・プログラムは、変更することなくAIX 5L V5.2で実行できます。DLPARは、いかなるアプリケーションあるいはカーネル・エクステンションにも影響することはありません。ただし、ご使用のアプリケーションおよびミドルウェアをAIX 5L V5.2で再度テストすることをお勧めします。
