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株式会社モスフードサービス

WASサーバー 7台のシステムをIBM eServer p5 570で統合化。AIXの既存資産を活用しつつ、運用面でTCO約40%削減を狙う。

社屋の写真
モスフードサービス本社社屋
掲載日 2005年07月07日

「モスバーガー」チェーンを全国展開する株式会社モスフードサービス(以下、モスフードサービス)は経営中期計画「V.I.P.21」を策定し、ファーストフード業態からファストカジュアル業態への進化やBPRの推進による業務の効率化、グループ経営の推進、本社屋の移転等に取り組んでいる。これに伴い、分散型で構築する同社基幹システムである販売管理システムや情報系システム等のサーバーを統合化し、さらにグループ企業全体を統括するシステムへの変換が急務となっている。この、システム統合プロジェクトの第1フェーズが、今回ご紹介する同社情報系システム「e-mossles(イーモッスルズ)」のWeb Application Server群の統合とメーカー向け生産支援システムMos-Nileのサーバー統合化だ。
このシステム統合プロジェクトにより、情報系システムe-mosslesは、本社・加盟店オーナー店舗に向けた情報サイトからグループ企業全体をも結ぶモスフードサービス・グループ全体のポータルの位置付けを担う準備が始まり、その重要度を増すことになる。e-mosslesのシステムを一新し、2年をかけて再構築していく段階にある。そのインフラが、UNIX® サーバーIBM eServer™ p5 570、OSはAIX 5L™ V5.3、ミドルウェアはWebSphere® Application Serverである。


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お客様ニーズ

社内各部門から上がる新システム構築ニーズに求められるすばやい対応。

永井正彦氏の写真
株式会社モスフードサービス
管理本部情報システムグループ
グループリーダー
永井 正彦 氏

全1472店舗(2005年6月現在)へ食材を供給し、多店舗展開するモスフードサービスのシステム群構成は、POSシステムから上がる売上データ、発注データを処理する販売管理システムのGENESISが基幹システムとなっている。
「今まではモスバーガーの1社のみを考えたシステム構築でよかったのですが、モスバーガーはファーストフードからファストカジュアルへの業態進化を推進中であり、またBPRの推進による業務の効率化、グループ経営の推進を進めていく上で、販売管理を含めて複数の業態をいかに管理していくかが大きな課題となっており、システムを含めた再構築が求められています」と語るのは、同社管理本部情報システムグループグループリーダーの永井正彦氏だ。
情報系システムの本格的な構築は2000年7月からだが、最初は1996年より基幹系のGENESISで提供してきた営業情報(売上情報)や紙媒体で各店舗へ郵送している通達や、連絡文書をWeb化し、e-mosslesとして本部のスーパーバイザー(店舗オーナーに店舗経営や運営全般を指導する)向けの仕組みとしてスタートした。その後、本部内の情報共有に発展し、2002年からは全加盟店舗オーナーにも共有情報を提供。基幹系から流れていた紙媒体による情報類(加盟店への請求明細等)も全てWebに置き換え、紙媒体の社内報「mossles(モッスルズ)」のWeb化、研修等の参加申込みのWeb化、就業管理システムとの連携へと拡大し発展してきた。
こうした拡充の中でサーバー類も分散していくこととなり、システムの変更に伴う入れ替えやメンテナンス等、かなりの作業負荷とリスクが出てきていた。
「課題のひとつが、システム変更時の作業負荷やリスクの低減でした。また、グループ経営の推進という経営戦略上、現行の分散型の手法ではグループ全体の情報ポータル化を図る上で、リスクを拡大していくだけになります」と永井氏は言う。
システムは5から6年を1サイクルとして考えて再構築し、経営戦略に合わせて定期的に変更してきた同社だが、永井氏はさらに、社内各部門から上がるシステム構築要求にタイムリーに応えられない点を指摘する。「これがしたい、あれが欲しいと導入を急ぐ社内の開発要求には分散型システム特有のネックが出てきました。Aをやるのにあちこち他を変更する必要があり、すばやい要求に対応できないわけです。eラーニング、マニュアルのデータ化、動画をどう取り込むか等々。現状では、新システム構築ごとにサーバーを増やしていくことになり、開発等の費用も膨らみます」
Web化推進の半面、3-tierデザインによりサーバー数が増加し、CPU使用率も低下している同社の現行手法を根本的に変更し、グループ企業全体を網羅する情報系システムを構築するインフラへの変換が急務となっていた。
モスフードサービスの基幹系、情報系システム開発を担当する株式会社電通国際情報サービス(以下、ISID)からシステム統合による5年計画でのトータルな費用削減提案を受けたモスフードサービスは、サーバー統合を決定した。

システム全体図

システム全体図

渡邉力英氏の写真
株式会社ISIDインターテクノロジー
システムマネージメントサービス本部
産業サービス1部 グループマネージャー
渡邉 力英 氏

株式会社 ISIDインターテクノロジーのシステムマネージメントサービス本部 産業サービス1部 グループマネージャー 渡邉力英氏によれば、統合系のシステム提案を考慮した同社のポイントは次の四つである。

ソリューション

メインフレームで培った仮想化機能を搭載したIBM eServer p5。
優れた柔軟性で、リソースの使用効率を画期的に向上。
システムを止めずに増強や変更ができるメリット。


今回のシステム統合プロジェクトは2003年後半から計画。2004年12月から2005年6月の第1フェーズで情報系サーバーの統合化が完了し、6月の第2フェーズでは基幹系のサーバー統合化を行う。
2000年7月の立ち上げ以来、e-mosslesはUNIXサーバーを主体として運用してきたが、システムの機能拡張とともに、サーバー数は増大していった。一方、経営戦略上、グループ企業の情報ポータルへと重要度が増す中で、インフラの脆弱さを整備し、経費削減とシステムのグレードアップを行う次世代Webへと転換する時期を迎えていた。
そうした中で、先進の仮想化技術を搭載したUNIXサーバー、IBM eServer p5 570の導入が決定した。p5のマイクロ・パーティショニング(Micro-Partitioning™)やシェアド・プロセッサー・プール(Shared Processor Pool)等のPOWER5™ とAIX 5L V5.3による先進の仮想化機能をフルに活用した国内では初の導入事例であり、その際の社内の議論を、永井氏は次のように説明する。
「新システムで国内初導入のリスクがあり、新しいものに賭けようと判断するまでにはかなり社内でも議論しました。現行の分散型で行くか、新しい統合型で行くのか。分散型のままリプレースした場合と、統合化した場合のメリット・デメリットを比較検討しました。仮想化技術を使った新システムの提案は技術的には理解できたが、それが我々にとってどのようなメリットになるかが重要なのです。コストも含め、我々の目指すシステム化の方向性と合致し、どちらが柔軟性と拡張性があるかです」
現行の情報系システムe-mosslesは、本部向けサイトの「うみ」、加盟店(店舗・オーナー)向けサイトの「やま」、直営店向けサイトの「おひさま」の3サイト構成だ。従来は、1サーバーごとに2サイトを入れてリスクを回避しつつ経費を押さえる構成となっていた。それが、統合化により、パーティションを区切ることで物理的には1台のp5上にWASサーバーを統合できた。また導入後も構成に容易に変更できるため、非常に柔軟性の高いシステムが完成した。
「最終的には、統合化した方が資源を有効利用でき、統合化によるコストメリットがあると評価しました。機器増強なしに拡張でき、システムを止めずに増強や変更が自由にできる点が、次のシステム拡張を控える我々には非常なメリットになることを確信して導入を決めました」と語る永井氏だ。
「うみ」「やま」「おひさま」の3サイトは、システムにかかる負荷のピークのバランスがずれており、シェアド・プロセッサー・プール機能によりCPU使用の効率化を図ることが可能だ。また、従来はシステムの増強時には機器を買い足す必要が出たが、AIX 5L V5.3とPOWER5プロセッサーの組み合わせにより導入可能なマイクロ・パーティショニング機能を活用して、機器増強の必要が無いように設計した。もちろん、新世代64ビット・プロセッサーPOWER5を搭載している。メインフレーム譲りの高い信頼性を持ち、課題であった同社情報系サーバーの可用性の向上を担うに足る先進サーバーである。

Web画面

導入効果

WAS7台のシステム統合化で、CPU数とライセンス数が
7数個から3個へ。大幅なコスト削減を実現。


川島寛貴氏の写真
株式会社電通国際情報サービス
ビジネスソリューション事業部
産業ソリューション営業部
ソリューショングループアシスタントマネージャー
川島 寛貴 氏

情報系システムのサーバーを統合化したモスフードサービスでは、従来のWASサーバー7台でCPU数が7個から3個へ、ソフトウェア・ライセンス数も3つに整理統合されている。
株式会社電通国際情報サービスビジネスソリューション事業部産業ソリューション営業部ソリューショングループアシスタントマネージャー川島寛貴氏は、IBM eServer p5 570による統合化を提案した理由にコストメリットを挙げる。このソフトウェア・ライセンス費用が3CPU分のみの負担で済むようになったことが、費用削減の大きなポイントだ。既存のWAS 7台の統合化により、TCOでみても、約40%削減と試算している。
「サーバー1台ごとにWebSphereを買っていけばもちろん高価になります。それが、今回は3つの購入で済むことは大きいです。既存流用案、IBM Linux® 案、他社製品案を比較検討し、一番メリットを出せるのがp5だと判断して提案したが、決定までに提出した見積書は、何版にもなりました」
さらに、渡邉氏が付け加えて、「新サイトや検証サイト等の立ち上げ要望をいただいた時、分散型のままでは新たなサーバー購入が前提となり、また新サーバーのシステム構築を新たに始める必要があり、素早い対応が難しいと予想されました。それが、p5-570の仮想化技術により、機器増強なしに仮想サーバー(OS領域)を容易に作ることができ、その中に新サイトや検証サイトを作り、上手くすればそのまま本番として稼働させることができます。また必要ならそのサイトを潰すこともでき、臨機応変に仮想的にサーバーの購入・返却が可能なことが大きなメリット。その際にも全く機器増強の費用がかかりません」
この柔軟性は、次回のシステム変更を控えるモスフードサービスには大きな魅力だが、新システム導入にあたっては、課題と解決の連続だったと渡邉氏は語る。
「従来の1サーバー2サイト方式では、万一、障害が発生した場合に、1サイトの障害がもう一つのサイトに影響を及ぼし、障害が拡大するケースが有り得るものでした。このやり方を変え、新システムでは1パーティションのみの影響で済むように、設計・導入には様々な工夫を重ねました。同一筐体内の仮想的なサーバー分割である為、筐体障害になれば元も子もありません。そのため、SPoFを徹底的に排除し、24時間365日稼動できるハードウェアが重要でした。」
また、e-mosslesの統合化を終え、さらにメーカー向けの生産支援システムMos-Nileのサーバーもこのp5に統合化して第1フェーズを完了し、第2フェーズの基幹系GENESISのサーバー統合化へと進むが、今回の統合化によりe-mosslesがモスグループ全体のポータルサイト化へ発展する為の、インフラのベースが出来上がることになる。

将来の展望

グループ全体のポータルへと変化した情報系の位置付けに柔軟に対応。

モスフードサービスの情報系は、グループ企業だけではなく、メーカーや倉庫等の取引先企業まで情報を共有化し、その中で協業していくという同社独自の企業姿勢を反映しており、業界の中でもユニークなシステムである。
BPRの推進による業務の効率化とグループ経営強化、本社屋の移転等の経営戦略に伴い、統合されたインフラと情報ポータルサイトを構築していく目標がある。これに向け、同社では情報系の拡充を図る予定だ。Web化の流れとして、次の4ステップでの拡充を目指す。

現在でも既に店舗オーナーは、e-mosslesで本部からの請求の全明細を閲覧できる。お客様からの声(お褒めやクレーム)もe-mosslesに取り込み、クレーム処理内容等もWeb上で本部・店舗・加盟店オーナー全員が閲覧でき、またメーカーも商品に関するお客様からの声を閲覧でき、商品の改善提案や新商品の提案に役立てている。加盟店を集めた全国大会や事業方針説明会、研修への参加・宿泊等の申込みも昨年度からWeb化をした。これまでは情報発信のみだったが、Web上での各種申込み等がスタートし、今後はアンケートのWeb化等、双方向Webへと加速することになる。
さらに、メーカーから店舗へ直納する厨房内小備品等はPOSシステムから発注させずにイラスト入りの別カタログからの電話注文となっているが、e-mossles画面からのWeb発注に切り換える意向だ。今後、積極的に業務処理の取込みを進め、業務の効率に繋げていくことになる。また、2006年を目処にモスフードサービスのポータルから、グループ全体のポータルかつ各グループ企業の共通ポータル化へと開発を進めている。そして、2世代先のバージョンアップでは、POSのストアコントローラーで行っている店舗の事務処理や店舗管理は全てWeb化してe-mosslesに移行させ、e-mosslesに店舗管理機能を持たせる意向だ。こうした拡充構想からも、情報系e-mosslesがグループ全体のポータルサイトへと変貌していく姿が窺える。

WASを稼動している10台のAIX仮想サーバーが、1台のp5-570上に統合。3CPUをシェアド・プロセッサー・プールの活用で10台共有。

お客様情報

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製品・技術情報

・ ハードウェア:

IBM eServer p5 570


・ ソフトウェア:

WebSphere Application Server AIX 5L V5.3


本事例中に記載の肩書や数値、固有名詞等は初掲載当時のものであり、閲覧される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。 事例は特定のお客様での事例であり、すべてのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。

IBM、IBMロゴ、AIX 5L、eServer、WebSphereはInternational Business Machines Corporationの米国およびその他の国における商標です。
UNIXはThe Open Groupの米国およびその他の国における登録商標。
Linuxは、Linus Torvaldsの米国およびその他の国における商標。
他の会社名、製品名およびサービス名等はそれぞれ各社の商標。

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