タブの始まり
- 事業拡大がもたらすシステム負荷の増大 IBM Power Systemsの高性能に注目
- 楽天トラベルが求める速さをIBM Power Systemsで実現
- 今後もPOWERテクノロジーを活用し世界規模の「あって当たり前」に挑戦
日本最大級の総合旅行サイトとして、国内2万5千件/海外5万9千件を超える宿泊施設の情報を提供し、月間300万泊に迫る予約を受け付けている楽天トラベル(2010年11月現在)。航空会社や鉄道会社とのシステム連携など、楽天トラベルの巨大なサイトを支えるシステムは、一種の社会インフラと言えるまでに成長している。24時間、365日を休むことなくお客様の旅行手配の利便性向上と、企業・宿泊施設の販売機会獲得ために稼働を続ける楽天トラベルのITインフラについて、楽天トラベル株式会社 鬼本氏と日本アイ・ビー・エム株式会社 鈴木が対談した。
紹介
楽天トラベル株式会社
第一技術プロデュース部 インフラグループ マネージャー
鬼本 康博氏
日本アイ・ビー・エム株式会社
理事 システム製品事業 ゼネラル・ビジネス営業担当
鈴木 ゆう子
事業拡大がもたらすシステム負荷の増大 IBM Power Systemsの高性能に注目
鈴木:楽天トラベル様は日本最大級のネット旅行サイトということで企業や個人に幅広く利用されていると思います。楽天トラベル様のインターネット・サービスに対する取り組みや、最近の旅行業界の動向について教えてください。
鬼本:1996年に「ホテルの窓口」として営業を開始してから、1999年に「旅の窓口」、2001年に「楽天トラベル」と規模を拡大してきました。2004年には楽天トラベルに社名を変更。元々は企業の出張者を中心とした宿泊手配つまりビジネス需要が多かったのですが、交通と宿泊を組み合わせて手配できる「ダイナミックパッケージ」の発売以来、従来のビジネス需要に加え、個人やレジャーの需要が着実に増えています。お蔭様で、毎年売上高や予約実績は堅調に伸びておりますが、それ以上に増加しているのが楽天トラベル・サイトへのアクセス件数です。これは「すでに決まった旅行や出張に必要な予約をするため」だけではなく、「旅行を検討、相談するため」に楽天トラベル・サイトが利用されていることの表れです。旅行情報・観光名所や穴場・おすすめ情報などをお客様が投稿できる“旅コミ”や、宿泊施設からの最新情報をお届けする“女将・支配人ブログ”、旅の目的に合わせた豊富な検索機能を提供するなど、楽天トラベル・サイトが旅のポータルサイトとしての役割を果たしていると考えています。
鈴木:サービスの拡大により、ワンストップで旅のさまざまな情報を得ることができるようになり、多くのお客様から、「楽天トラベル・サイト」=「旅のポータルサイト」としての認知度が着実に向上していると言うことですね。お客様の増加やサービス拡充に伴って処理件数が増大するなか、楽天トラベル様の成長を支えるシステムとして重要視しているポイントは何でしょうか?
鬼本:トランザクション件数の増大に対応できるよう、処理能力がスケールできるかが重要なポイントです。お客様が求める情報をいち早く提供できなければ、楽天トラベル・サイトの利便性が減少するだけでなく、様々なサービスを楽天トラベル・サイトでご提供いただいている企業・宿泊施設の皆さまの販売機会を損失してしまうことになります。その意味で、高い処理能力は堅牢なシステム上で実現されなければなりません。楽天トラベル・サイトのお客様が増えるにつれ、さまざまな企業・宿泊施設との連携が深まるにつれ、堅牢なシステムへの思いを一層強くしています。楽天トラベルが提供しているポータルサイトは、「絶対にダウンしてはいけない」サイトなのです。
鈴木:企業として成長を続ける中でシステム要件も進化していると思います。スケールできること、堅牢であることに加えて、他に重視していることはありますか。
鬼本:ITインフラへの投資を行っている立場からすると、投資に見合うビジネスへの貢献ができているかは常に重要視しているポイントです。お客様の利用形態が変化してくるのに伴って、楽天トラベル・サイトでの成約件数に対するアクセス件数や検索件数は増加の一途です。お客様による検索1つ1つが、企業・宿泊施設の皆さまや楽天トラベルにとっての販売機会そのものなのです。効率よく大量の処理ができるか、投資対効果が一番発揮できるシステムかは、大変重要なポイントです。
楽天トラベルが求める速さをIBM Power Systemsで実現
鈴木:楽天トラベル様を支えるITインフラには、性能・堅牢性・投資効率に優れたシステムとしてUNIX系のサーバーをお使いになっていたのでしょうか?
鬼本:サービスを開始して数年間は、当時インターネット・サービス事業者の間でよく使われていたSUNのサーバーにOracleデータベースを採用していました。しかし、2001年の入れ替え時に他社のUNIXサーバーを含めてベンチマークを実施したところ、IBMのUNIXサーバーには明らかに性能面とコスト面でのメリットが確認できました。ちょうどIBM POWER4™ が登場した時期です。その後の増強ではIBM POWER® プロセッサーを搭載したUNIXサーバーを選択していますが、IBM POWER7® になってCPUあたりのコア数や同時処理スレッド数が倍増したことは大きく評価できます。楽天トラベルは参照系の処理が多く、多量の情報を問い合わせて一気に書き出す処理が必要だからです。POWERプロセッサーは、これらの処理が一番速いと考えて採用しています。また、Oracleデータベース関連のコストを増やすこと無く処理能力を増やせるかという観点においても、POWERプロセッサーの処理速度は優れています。
鈴木:POWERプロセッサーの特徴の1つは、まさに処理の速さであり、楽天トラベル様のビジネスをしっかりと支える縁の下の力持ちだと思っております。
鬼本:そうですね。もう1つの特徴は、ハードウェア・レベルで実装された信頼性の高い仮想化です。2004年にはPower Systems™(当時のpSeries®)での仮想化機能とOracle Real Application Cluster (Oracle RAC)を組み合わせたシステムを構築しました。Oracle RACは台数を増やすと性能・可用性が高まりますが、台数が増えるだけデータセンター内のスペースも必要になります。Power Systemsの筐体は2台、3台だが論理分割機能(LPAR)を利用することで仮想サーバー区画を作成し、5ノード構成としました。
2010年に導入されたPower 780は、大きな処理能力を持ちながらも省スペースなのも有効な評価ポイントです。直近ではデータセンター内のスペースを確保するだけでも大変でしたが、CPUをフル搭載してLPAR機能でノード数を増やすことができます。スペースを犠牲にせず仮想化機能で容易に可用性を高めることができるのは、Power Systemsの信頼性が高いからこそできる構成です。Oracleデータベースを稼動させるプラットフォームとして、Power Systemsは理想的ですね。
鈴木:システムの中核となるデータベース・サーバーにIBM Power Systemsをお使いいただいていますが、一般的なIAサーバーを並べて構成することは検討されませんでしたか?
鬼本:フロント・エンドやアプリケーション・サーバーについては、ITインフラ全体の中での位置づけや投資対効果を考えてIAサーバーを採用しています。直近では、IBMのeX5テクノロジーを採用したSystem x® 3850 X5を採用しています。従来はメモリー容量がボトルネックとなり、処理能力を増やすためにサーバー本体を追加していました。eX5のおかげで、一般的な他社IAサーバーよりも搭載可能なメモリー容量が多く、サーバー台数を少なくすることができました。
鈴木:IBM POWER7搭載のPower 780を導入されて、どのような効果がありましたでしょうか?
鬼本:宿泊施設の皆さまからは、以前よりも「宿泊プランの一覧を表示するスピードが速くなった」といった声も寄せられています。宿泊施設では、電話やファックス、インターネット経由など、多岐にわたる予約方法に対応されています。ダブルブッキングを防ぎつつ、予約件数を最大化する意味で、この速さは重要だと感じています。
今後もPOWERテクノロジーを活用し世界規模の「あって当たり前」に挑戦
鈴木:今後のシステムの増強についてのお考えや、IBMに対するご要望についてお聞かせください。
鬼本:現在はPOWER5™ 、POWER6® が混在しているので、よりコストパフォーマンスに優れたPOWER7への移行を進めたいと考えています。Oracleライセンス数は同じでも処理速度を高められるのは大変魅力的です。例えば、お客様のリクエストに迅速に対応するスピード感が重要です。1リクエストに対する検索結果を1秒で返したい場合、今は大丈夫でも検索対象となるデータ量は増え続けているので、暫くすると応答時間が長くなる。ディスクのスピード強化と同時に、データベース・サーバーの入れ替えで性能向上を進めてきており、今後もIBM POWERプロセッサーの継続的な処理能力向上に期待したいと思います。当社にとって、アプリケーションを改修することなく速さと堅牢性を手に入れることができるメリットは大変大きいと考えています。
鈴木:IBM POWERプロセッサーの研究開発には巨額の研究投資を継続しており、2001年に初めてご採用いただいたPOWER4プロセッサー以降、POWER5、POWER6、POWER7と3年毎に革新的なテクノロジーを採用したプロセッサーをご提供してきました。10年間にわたりロードマップ通りご提供できたのは、他社にはないIBMの強みだと思っています。
IBM POWERプロセッサー・テクノロジー
IBMの継続したテクノロジー投資で、一貫した信頼できるロードマップをご提供
この10年間で全世界の多くのお客様の重要なシステムにご採用いただいており、2005年以降は全世界でNo.1のUNIXサーバーとなっています。今後も継続した性能向上、エネルギーの効率化を進め、お客様のご要望に応えたいと思います。
鬼本:今後、楽天トラベルはお客様のさらなる利便性の向上や海外の企業・宿泊施設との連携を一層推し進めていきます。それに伴って、アクセス数はますます伸びるものと予測しています。例えば、中国、韓国の現地法人を含めて、全世界のホテルを網羅した形で旅行業を実施しており、楽天トラベル・サイトの多言語対応(英語、中国語2種類、韓国語)をしています。海外のお客様による利用も増えており、昨年比 + 50%の伸びを示しています。IBM Power Systemsの活用で、安心で堅牢なシステム運用を行い、お客様や連携している企業・宿泊施設の皆さまの求める「あって当たり前」のサービスを世界規模で維持し、さらなるサービスの向上に努めていきたいと考えております。
鈴木:楽天トラベル様の成長が私たちの成長でもあります。これからもシステムを支える側として、楽天トラベル様と一体となり、今後の世界戦略の展開にご協力できればと思います。本日はありがとうございました。
鬼本:ありがとうございました。
IBM、IBMロゴ、ibm.com、POWER、POWER4、POWER5、POWER6、POWER7、Power Systems、pSeries、System xは、世界の多くの国で登録されたInternational Business Machines Corporationの商標です。他の製品名およびサービス名等は、それぞれIBMまたは各社の商標である場合があります。現時点でのIBMの商標リストについては、www.ibm.com/legal/copytrade.shtml(US)をご覧ください。
UNIXはThe Open Groupの米国およびその他の国における登録商標です。
