共有も統合も、システム要件に応じて選べるラインアップ
仮想化の新たな適応領域について検証してきたところで、先進の仮想化技術を組み入れたIBMのシステム製品のラインアップを見ておきたいと思う。
図1は、仮想化によるスケール・アップとスケール・アウトのいずれにも選択肢を用意しているIBMのサーバー・ラインアップである。メインフレームであるIBM System z、従来のIBM System iとIBM System pを統合したIBM Power Systems、そしてx86サーバーであるIBM System xを縦軸にマッピングしている。これはパーティショニングなどによるリソース共有を図りながら、スケール・アップしていくシステム要件に応えるラインアップになっている。
そして、横軸に置かれているのがIBM BladeCenter®で、これは高集積で省スペース、省エネルギーなシステム環境を求めるスケール・アウト構成に応えていくものとしてラインアップされている。
重要なことは、いずれのシステムを選択しても、アプリケーションなどの既存資産をそのまま新しいシステムで利用できるよう、仮想化技術を組み込んだものとして提供されるということ、それがIBMにおける仮想化技術の基本的な考え方になっているということだ。
今回はこのラインアップの中から、IBM Power SystemsとIBM BladeCenterにスポットを当て、その仮想化機能の特徴などについて紹介させていただこうと思う。

図1.システム要件に応じた豊富な選択肢
IBM Power Systemsの誕生
IBMでは、今年2008年の4月に、IBM AIX®、IBM i(旧称 i5/OS®)、Linux®の各OSのアプリケーションを、IBM PowerVMという仮想化機能の上で同時に実行させることができるIBM Power Systemsをリリースした。これは、ハードウェアとOS、OSとアプリケーションとの結びつきを仮想化することで、従来のSystem iやSystem pで蓄積してきた企業の情報資産を継承し、POWER6の強力なシステム・リソースの活用を可能にする新しいプラットフォームの誕生である。

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図2.サーバー仮想化の機能
3つのOSアプリケーション
15,000+利用可能
業界をリードする仮想化機能で
>60%利用効率向上
POWER6のクロック周波数
~5GHz
ベンチマークテストで上位
70+
異種混在ブレードを1台のシャーシで同時稼働 IBM BladeCenter
IBM BladeCenterは、POWER6ベースのブレードとx86ベースのブレードを仮想化機能によって1台のシャーシに納め、同時に稼働させることが可能である。しかも、異なるアーキテクチャーとOSが混在するシステム環境を、統合された管理画面によって一元的に管理することができる。さらに、100V電源で利用できるBladeCenter Sと組み合わせれば、サーバー・ルームがなくても一般のオフィスでの運用も可能になる。
IBM BladeCenter H

RIGHT
お客様の環境に合わせて筐体を含めた柔軟な選択が可能
OPEN
業界標準の最先端技術を利用可能
EASY
統合化され管理ツールで高度なシステム管理を容易に実現
GREEN
消費電力を抑えながら最高のパフォーマンスを提供
IBM BladeCenter S

100V対応のBladeCenter Sと組み合わせれば、オフィス環境でさまざまなサーバーを統合し1つのコンソールから一元管理が可能になります。
IBM BladeCenter HS12
IBM BladeCenterのエントリー・モデル登場。最新Intelクアッドコア搭載モデルも発表。
- ブレードをはじめたい人に最適
- ホットスワップ・ハードディスク対応で選択肢が大幅に増加
- 電源経路もハードディスクもリダンダントな安心設計
IBM BladeCenter JS12
POWER6搭載のエントリー・モデルも登場。最先端のCPUと仮想化テクノロジーを低価格で。
- データベース・サーバーのTCO削減に最適
- 最新仮想化管理ツールが標準装備
- Linux、AIX、i5/OSをサポートし豊富なアプリケーションに対応
POWER6搭載システムの優位性
IBM Power SystemsとIBM BladeCenter JS12,JS22は、最先端の64ビット・プロセッサーPOWER6を搭載したサーバーだが、このPOWER6搭載サーバーにはPowerVMが実装され仮想化機能としても下記に示すような優位性がある。
IBM Power Systems/BladeCenter JSの優位点
- Itanium2サーバーの3倍以上のパフォーマンスを発揮し、CPU課金のデータベースなどのコストを大幅に削減可能
- POWER6による業界ナンバー1(※)の性能と仮想化機能により、より多くのLinux/UNIX®サーバーの統合が可能
- 先進の仮想化機能(DLPAR/Micro-Partitioning)でシステム利用率を向上させ、投資効率を最適化
- 基幹システムを含めた、長年にわたる仮想化の経験と実績。IBM Power Systemsの仮想化の実装率は100%
※Source: http://www.tpc.org/
参照:IBM Power Systems performance benchmarks (US)
仮想化におけるIBMの優位性
IBMが仮想化に取り組み始めたのは、1960年代の後半だ。以来40年にわたり仮想化ソリューションを提供し続けている。そして、メインフレーム、 IBM i、UNIX、Linux、x86サーバーのすべてのITインフラで仮想化技術を提供し、企業のITインフラ全体を仮想化することで、最適化を推進することが可能になっている。
PowerVMの先進的な特長
仮想化技術におけるIBMの経験やノウハウが結集されたPowerVMは、他社が提供する仮想化技術には無い幾つか先進的な特長がある。以下主だったものを概観してみる。
- Micro-Partitioning
プロセッサー1個あたり最大10のパーティショニングが可能。それぞれ独立したシステムを稼働させながらパーティション間でハードウェア資源を動的に融通。細かくパーティションが行えることで、リソースを無駄なく利用することが可能になる。 - 仮想I/Oサーバー(VIOS)
仮想イーサネットや仮想SCSIなどのI/Oについても仮想化することができる。 - ライブ・パーティション・モビリティー
稼働中のパーティションを、アプリケーションやOSを停めることなく、別の筐体のサーバーに移動させることが可能になる。これにより、代替サーバーが必要なハードウェアの保守、プロビジョニング、障害復旧、HAクラスターなど短い時間で行うことができるようになる。この、仮想化におけるモビリティー機能をUNIXやLinux環境で提供しているのは、現時点でIBMだけである。

図4.PowerVMの特長
-
Micro-Partitioning
- 複数の区画でプロセッサーを共有
- 区画あたり最小で1/10プロセッサー
- AIX V5.3/V6
- Linux
-
仮想I/Oサーバー(VIOS)
- 共有Ethernet
- 共有SCSIと共有ファイバー・チャネル
- Integrated Virtualization Manager
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ライブ・パーティション・モビリティー
- サービス稼働中の仮想OSをほぼ無停止で別の筐体に移動可能
業務への影響は、およそ2秒以内 - AIX、Linux環境でのモビリティー機能への提供
- サービス稼働中の仮想OSをほぼ無停止で別の筐体に移動可能
x86 Linuxパーティショニング事例
さて、この章の最後に、仮想化技術であるパーティショニングによって、1台のサーバーに30のLinux環境を共有した事例を紹介しよう。この事例となった企業では、Linuxサーバーが増殖をつづけ、サーバー・ルームのスペースを圧迫するとともに、運用・管理も複雑になっていた。特にサーバーからの排熱を冷却する空調にかかる電気代や、管理コストが大きな問題になっていた。そこで、2つの事業拠点にまたがり、合計7台に分散していた30個のアプリケーションを、1台のサーバーにパーティショニングして統合した。これにより、システムの年間コストを45%削減することに成功した。
システムの年間総コストを45%削減 !
容易に追加できるLINUXサーバー→サーバー運用のコストの増加
移行前
- 増え続けるラック・スペース、消費電力
- 煩雑なケーブル(一緒に増えるネットワーク・スイッチ)
- 減らないハードウェア保守費用
- 陳腐化したx86サーバー(600MHz)、保守切れなど
- ラックあたりの電力制限(20A)によりスカスカのラック構成
移行後
- 仮想化技術で1CPU上に10個のLinux環境を起動
- 仮想LANはケーブル要らず
- 3年間のハードウェア補償
- 仮想化技術を使用して1台のマシンに
- 30個のLinux環境を構成

図5.x86 Linux統合事例 : 電力、スペースの大幅な削減
- chapter1.仮想化技術とシステム管理者の悩み
- chapter2.IBMの仮想化システムとアドバンテージ
- chapter3.失敗しない仮想化導入プロセス
- chapter4.仮想化と今後の企業ITインフラ
IBM, IBMロゴ, AIX, BladeCenter, i5/OS, Micro-Partitioning, POWER6, Power Systems, PowerVM, System i, System p, System x, System zは、International Business Machines Corporationの米国およびその他の国における商標。
Intel, Itanium は Intel Corporationまたは子会社の米国およびその他の国における商標または登録商標。
UNIXはThe Open Groupの米国およびその他の国における登録商標。
Linuxは、Linus Torvaldsの米国およびその他の国における商標。

