一向に減らないIT部門の負荷
IDC Japanは、国内サーバー統合市場は2008年にピークを迎え、以降は縮小に向かうとしている(マルチクライアント調査レポート「2007年国内サーバー統合市場分析」より)。実際、サーバー統合プロジェクトが一段落し、一息ついている企業も少なくないだろう。しかし、早い段階でサーバー統合を完了した企業では、すでに次の課題も見えてきた。IT部門が依然として手を焼いている、膨大な数のクライアントPCの運用管理である。
全ユーザーの利用状況を継続的に監視、コントロールしていくのは容易ではない。遠隔地に拠点がある場合はなおさらだ。おまけに、個々にインストールされるソフトウェアや、利用する時間、場所、頻度も異なり、部門ごとの業務要件の違いから、安易に利用環境を統一できない難しさもある。また、トラブルが発生すれば直接足を運び、組織変更があればハードウェアの設置や現地での設定作業が必要になるなど、IT部門による個別対応はつきものである。さらに、環境が多様化すればするほど、これらの作業にはより多くの時間を要することになる。
加えて、セキュリティー面の課題も残されている。企業による情報漏えい事件が後を絶たず、いまだに多くの企業が不安にさらされているのが実情だ。事実、2007年度の個人情報漏えいは、2006年からさらに約800万人増え、3,000万人を超えたとのデータがある。件数にして864件、想定被害額は2兆円を突破した。さらにその原因をたどると、紛失や置き忘れ、盗難によるものが実に約36%を占める。
次なる統合への動きが加速
企業は、決して対策を怠ってきたわけではない。従来の情報漏えい対策のアプローチは、大きく分けて2つ。1つは、各種ログの取得、ファイルの暗号化、メール・コンテンツの内容監査、外部デバイスの使用制限など、クライアントのアクセス管理を強化すること。もう一つは、ハードウェアやソフトウェアによるパスワード認証、または生体認証などによって、外部からの不正侵入を防ぐこと。
問題は、こうした仕組みをもってしても十分でないという事実である。「個人情報が格納されたノートPCを紛失したり盗まれたりした場合は、警察に届け出なければなりません。いかなる対策が取られていようと、100%の安全性が保証されない限り、最悪の事態は起こり得るということです。また、各種メディアで“盗難/紛失によるお客様情報流出懸念のお詫び”などのメッセージを目にします。ノートPCの場合には、たとえセキュリティー対策済みであっても、情報を公開せざるを得ないケースがほとんどです」と真壁氏。つまり、2次災害を防ぐのではなく、情報漏えいそのものを根本から食い止める必要があるということだ。
そこで、情報漏えい対策のひとつとして、クライアント統合ソリューションが期待を集めている。これは、クライアントPCのアプリケーションやデータをサーバー側に集約し、一元管理を可能にするものだが、一向に減らないIT部門の運用管理負担の軽減にも有効な解決策となる。例えば、インストールやバージョンアップ、セキュリティー・パッチの適用、ユーザーのアクセス制御などがサーバー側で一元的に行えるようになるほか、クライアントPCをディスク・レスにすることで発生頻度の高いハードディスクのトラブルを回避。また、CPU処理をサーバー側で実行するため、クライアントPCはロースペックでも良く、寿命が延びるという副次的な効果もある。
内容
- chapter1.サーバー統合からクライアント統合へ
- chapter2.最適な実装方法の検討
- chapter3.仮想PC型ソリューションに見る導入効果
- chapter4.ハイエンド・サーバーを推奨する理由
IBM, IBMロゴは、International Business Machines Corporationの米国およびその他の国における商標。


