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最適な実装方法の検討

特集記事:運用効率化とセキュリティー向上に効果的なクライアント統合-Chapter2/4

4つの実装方法の違い

各ベンダーから提供されるクライアント統合ソリューションは、実装方法の違いによって、主に次の4つのタイプに分けられる。優劣を付けるというものではなく、個々のビジネス要件に合わせた最適なソリューションの選択が重要だ。そのためにも、それぞれの特徴について理解しておきたい。

(1)ネットワーク・ブート型ソリューション

ディスク・レスのクライアントPCを、ネットワーク経由でブートする方法。比較的容易に構築できるため、比較的実績もある。ネットワーク・ブートでは、毎回、OSやアプリケーションなどの必要なファイルをクライアントPCのメモリー上に展開する。このため、ネットワーク帯域を十分に確保する必要があり、ネットワーク設計には慎重さが求められる。さらに、部門ごとにブート・サーバーを設置する必要があり、異なるOSを混在させると、ブートOSを別々に作成しなければならないため、利用環境を統一しやすい教育機関などで使われるケースが目立つ。

[適用シーン例]設計部門、教育機関、コールセンターなど
[適用規模]小規模

(2)ブレードPC型ソリューション

クライアントPCのシステム装置だけをセンターに集約するという考え方。クライアントとブレードが1対1の関係であるため、ユーザーがCPUやメモリーを専有できるメリットがある。移行の手間も少ない。反面、ユーザーが増えるごとにブレードを追加する必要があり、ブレードPCの消費電力、熱、ラック・スペースを考慮すると大規模構成は現実的ではない。また、リソースを複数のユーザー間で融通できないデメリットもある。

[適用シーン例]コールセンター等

(3)画面転送型ソリューション

サーバー上のアプリケーションをクライアントPCから遠隔操作する。Citrix社の「XepApp」で豊富な実績のある方法で、アプリケーション共有型、またはターミナル・サーバー型とも呼ばれる。サーバーとの間で、画面イメージと入出力データのみを圧縮、暗号化して送受信するため、モバイル環境でのレスポンスも速く、ストレスがない。1つのアプリケーションを複数ユーザーで共有でき、メンテナンスも効率的に行える。通常のPCで、特定のアプリケーションに限り、この方法を活用するケースも多い。ただし、ネットワーク共有に対応していないアプリケーションは利用できないため、稼働確認は必須。この点で“万能”とは言いにくい面もある。

[適用シーン例]ERPやCRMなどのクライアント/サーバー・アプリケーション、Web/Javaアプリケーション、ノートPCによるリモート接続、シンクライアントでの利用(ネットワーク共有アプリケーションが前提)
[適用規模]小規模〜大規模(全社展開が可能)

(4)仮想PC型ソリューション

画面転送型の弱点をカバーすべく登場した。VMwareやXenなどの仮想化ソフトウェアを活用し、サーバー上の仮想OSにクライアント環境をOSごと移行する。いわば「リモート・デスクトップ」である。ユーザー間で、サーバーのリソースをダイナミックに融通できるのが強み。余剰リソースがあれば、ユーザー追加時にサーバーを購入する必要もない。また、ハードウェアやソフトウェアの価格が高いほか、サーバー上のクライアント環境を個別に管理する必要があるなど課題も残るが、解決策となるテクノロジーの開発も進んでおり、さらなる進化が期待される新しいソリューションである。

[適用シーン例]開発環境、シンクライアントに最適
[適用規模]小〜中規模

さらに、4つの違いをまとめたのが次の表。先にも少し触れたように、適用対象の規模や業務領域、既存のIT環境、予算、将来的なシステム構想などを踏まえて、どのソリューションが最適かを見極めることが大切。ただ、今後は「実績豊富な(3)画面転送型と、(4)幅広いニーズに適応する仮想PC型の2つが主流になっていくだろう」と真壁氏は語る。

表:4つの実装方法の違い
ネットワーク
・ブート型
ブレードPC型 画面転送型 仮想PC型
導入実績 導入実績のネットワーク・ブート型はgood 導入実績のブレードPC型はgood 導入実績の画面転送型はExcellent 導入実績の仮想PC型はpoor
1サーバー辺りのユーザー数 30~40 1 40~60 10~25
WindowsXPアプリケーション
の相互性は?
WindowsXPアプリケーションの相互性は?ネットワーク・ブート型はExcellent WindowsXPアプリケーションの相互性は?ブレードPC型はgood WindowsXPアプリケーションの相互性は?画面転送型はpoor WindowsXPアプリケーションの相互性は?仮想PC型はgood
ノートPC等でのネットワーク
対応が可能か?
ノートPC等でのネットワーク対応が可能か?ネットワーク・ブート型はbad ノートPC等でのネットワーク対応が可能か?ブレードPC型はpoor ノートPC等でのネットワーク対応が可能か?画面転送型はExcellent ノートPC等でのネットワーク対応が可能か?仮想PC型はgood
既存のPCを利用可能か? 既存のPCを利用可能か?ネットワーク・ブート型はpoor 既存のPCを利用可能か?ブレードPC型はpoor 既存のPCを利用可能か?画面転送型はExcellent 既存のPCを利用可能か?仮想PC型はExcellent
ネットワーク帯域は? 100Mbps 20~100kbps 10~50kbpas 20~100kbps
動画/音声が必要か? 動画/音声が必要か?ネットワーク・ブート型はExcellentから 動画/音声が必要か?ブレードPC型はbadからpoor 動画/音声が必要か?画面転送型はbadからpoor 動画/音声が必要か?仮想PC型はbadからpoor
ユーザー毎の個別アプリ
のインストール
ユーザー毎の個別アプリのインストールのネットワーク・ブート型はbad ユーザー毎の個別アプリのインストールのブレードPC型はgood ユーザー毎の個別アプリのインストールの画面転送型はbad ユーザー毎の個別アプリのインストールの仮想PC型はgood
対応クライアントOS WindowsXP
Vista
WindowsXP
Vista
Windows2000
WindowsXP
Vista,Linux
WindowsXP
クライアント環境の移行 クライアント環境の移行のネットワーク・ブート型はgood クライアント環境の移行のブレードPC型はpoor クライアント環境の移行の画面転送型はgood クライアント環境の移行の仮想PC型はExcellent
プロトコル - RDP ICA RDP
ユーザー規模 小規模 小~中規模 小~大規模 小~中規模
コスト コストのネットワーク・ブート型はgood コストのブレードPC型はgood コストの画面転送型はgood コストの仮想PC型はpoor

◎:Excellent  ○:good  △:poor  ×:bad

IBM, IBMロゴ, BladeCenterは、International Business Machines Corporationの米国およびその他の国における商標。

 

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