コスト効率に優れた運用管理の実現
ここではChapter. 2 (4)仮想PC型ソリューションを例に、通常のPCと比較しながら、クライアント統合による運用面での効果をもう少し具体的に考察してみよう。
PCの増設時
新規にPCを導入する場合、個別にセットアップを行う、ソフトウェア配布ツールを利用する、といった方法がある。台数が多い場合には、事前にキッティングしてPCを展開する方法もある。しかし、いずれも多くの時間やコストを要するのは避けられない。仮想PC型ソリューションでは、センター側でクライアント・アプリケーションの導入およびテストを行うことができるため、コストをかけずに迅速な導入が可能だ。例えば、VMwareのオプション製品「Virtual Center」などを使ってテンプレートを作成。このテンプレートをコピーすれば、30分程度でユーザー環境の設定が完了する。これなら、新しいスタッフが増えても、PCさえあればすぐに業務をスタートできる。
セキュリティー対策
ユーザーが決められた対策を実施しているか、OSのセキュリティー・パッチを当てているか、Winnyなどの禁止ソフトウェアをインストールしていないか、ウイルス感染はないかなど、IT部門の心配は尽きることがない。仮想PC型ソリューションなら、セキュリティー統制も容易になる。例えば、WSUS(Windows Server Update Services)などの無償パッチ配布ツールを使えば、IT部門の手を煩わせることなく最新のセキュリティー・ポリシーを維持できる。もちろん、外部デバイスの使用制限も可能だ。これにより、1台ごとに適用していた各種セキュリティー対策ソフトウェアの導入コスト、保守コストなどの大幅な削減が期待される。ユーザー任せになりがちなバックアップ運用も同じこと。サーバー側で管理を徹底できれば、万一のデータ消失にも素早く対処できる。
障害対策
PCになんらかの障害が発生した場合、これまでは代替機を用意して限定的に業務を再開するか、復旧まで業務を止めるしかなかった。ディスク・レスのクライアントPCなら、ハードディスク障害の発生そのものを抑えることが可能。万一障害が発生した場合にも、予備サーバーに切り替えて素早く業務を再開させる方法がある。VMware HAなどのフェイルオーバー機能を利用すれば、障害時の自動切り替えも行える。
負荷増大時
PCのレスポンスが著しく低下したら、通常はメモリーの増設か買い替えを検討するだろう。仮想PC型ソリューションでは、アプリケーションへ柔軟にCPUリソースを割り当てることができる。また、VMware DRSなどの機能を利用して、リソース・プール全体の利用状況を監視。負荷の高いサーバーから低いサーバーへ、ユーザーをダイナミックに再配置させることができる。これにより、リソースの平準化が図られ、極力無駄なIT投資を発生させない。
グリーンITへの貢献
一方で、環境負荷の低減効果も見逃せない。IBMの算出によれば、サーバー(IBM System x ™3850 M2)6台で200台のクライアントPCを統合した場合、通常のPCでの運用に比べて約40%も消費電力を削減できるという。この点からも、サーバー統合に加え、さらにクライアント統合に着手する意義は大きいと言えよう。
例:200ユーザーの場合
【現行】

デスクトップ平均 77W
ディスプレイ平均 40W
200ユーザー×117W=23,400W

シン・クライアント平均 5W
ディスプレイ平均 35W
サーバー平均 6,060W
SANストレージ平均 280W
200ユーザー×40W+6,060W+280W=14,340W
平均 72W/ユーザー
内容
- chapter1.サーバー統合からクライアント統合へ
- chapter2.最適な実装方法の検討
- chapter3.仮想PC型ソリューションに見る導入効果
- chapter4.ハイエンド・サーバーを推奨する理由
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