テープ・ライブラリー共用(Tape Resource Sharing)は、Tivoli Storage Manager(TSM、別名ADSM)などのバックアップ・ソフトが持つ機能の1つです。テープ・ライブラリーとドライブはSANを介してすべてのホストに接続されているとき、この機能によって、同じテープ・ライブラリーやドライブを複数のTSMサーバーから利用することができます。従来は、テープ・ライブラリーが物理的に接続されているのは、1つのバックアップ用サーバーだけで、ほかのすべてのサーバーは、このバックアップの専用サーバーに対してLAN経由でデータを送り、ライブラリーにデータを保管していました。
テープ・ライブラリー共用では、1つのバックアップ用サーバーがライブラリー・マネージャーとして指定され、ライブラリーの操作を制御します。操作とは、たとえば、マウント、ディスマウント、ボリュームの所有権、ライブラリーのインベントリーなどです。ほかのサーバーは、ライブラリー・マネージャーのライブラリー・クライアントとして機能します。ライブラリー・クライアントとライブラリー・マネージャー間のサーバー間通信は、TCP/IPで行われます。
- ライブラリー・マネージャーは、テープ・ライブラリーの物理的な制御を担当します。すべての制御コマンド(マウント、ディスマウント、ボリュームの照会など)は、ライブラリー・マネージャーが処理します。ドライブへのアクセスの直列化などは、ライブラリー・マネージャーによって制御されます。
- ライブラリー・クライアントは、ライブラリー・マネージャーを経由して、物理的なテープ・ドライブやコントローラーとやりとりします。ライブラリー・マネージャーによりテープ・ドライブがライブラリー・クライアントに割り当てられると、そのクライアントは、割り当てられたテープ・ドライブに対して直接読み書きすることが可能になります。
- データ・アクセスはホスト・サーバーとオペレーティング・システム、そしてファイル・システムに依存し、通常、データはほかのホストと共有されることはありません。
このSAN環境での「テープ・ライブラリー共用」では、大量データの移動、すなわち集中的なバックアップ・トラフィックには直接接続されたファイバー・チャネルを使い、制御コマンドの通知、メッセージのやりとりなどの小さな制御情報はLANインターフェースを使っています。
