
SANの管理は、複数のレベルに分けられ、「エンタープライズ・システム管理」として統合されたものと考えることができます。各ノードまたはファブリックなどの各コンポーネントは、個々に管理機能を持ちながら、かつ、管理環境全体に対応していなければなりません。ステータスとイベント・データは、管理アーキテクチャーの上位レベルへ「パーコレート(回復機能委任)」されます。また、ステータスの照会などのコマンドは、適切な下位レベルまで下がって処理されます。
- SANストレージ:このレベルは、さまざまなストレージ装置とストレージ・サブシステムで構成されます。これらのノードは、それにアクセスするように構成された各サーバー・ノードと、さまざまな論理関係を形成します。
SAN対応のストレージ・サブシステムの大部分は、SCSIプロトコルを使っています。たとえば、SCSI-3シリアル・プロトコルには、SES(SCSI Enclosure Services)というコマンドがあり、ストレージ装置(エンクロージャー)から装置のステータス情報を取すことができます。このコマンドを実行すると、電源のステータス、温度、ファンの回転速度などのパラメーターを確認することが可能です。
- SANファブリック:このレベルは、SANケーブル、HBA、ハブ、スイッチ、ゲートウェイといった、SANネットワーク・ファブリックのコンポーネントです。スイッチ・ゾーニングなどのこれらのコンポーネントが提供する機能を使って、SANファブリック内のノードのサブセット間で論理的な関係を確立することができます。
SANインフラストラクチャーは、LAN/WANのネットワーキングをモデルとしており、同じような属性を持っています。LAN環境のネットワーク・コンポーネントは、ネットワーク管理用にSNMP(Simple Network Management Protocol)を利用しています。SANベンダーの多くは、SANコンポーネントにSNMPを利用しています。
- ESRM(Enterprise Storage Resource Management):ESRMは、SAN管理をさまざまな分野に分類しています。たとえば、資産管理、容量管理、構成管理、データ/装置/メディアの移行、イベント管理とアラート、パフォーマンス管理、ポリシー管理、リムーバブル・メディアの管理などはESRMが取り扱います。
- ストレージ管理:ESRMの上位レベルがストレージ管理です。このほか、ストレージ管理として定義されているものとして、バックアップ/リストア、アーカイブ/リトリーブ、空間利用率管理、災害時回復、権限、課金などがあります。
- システム管理:ストレージ管理はシステム管理の一部です。システム管理として定義されているこのほかの分野には、ネットワーク管理、アプリケーション管理、オペレーティング・システム管理、変更管理、問題管理、ソフトウェア配布、プリンター管理、ヘルプ・デスク、Web管理などがあります。
