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日本アイ・ビー・エム株式会社
ストレージ事業部 製品企画
システムズ&テクノロジー・エバンジェリスト
佐野 正和1986年入社。20年に渡りIBMストレージ製品の技術サポートや営業推進、ソリューション推進、製品企画などに携わる。システムズ&テクノロジー・エバンジェリスト。
実はドライブの寿命がボトルネック
メディアの耐久性より気にすべきこと
法規制などへの対応を含め、社会的にもデータの長期保管へのニーズが高まっています。しかし、一言で“長期”と言っても、どの程度の期間を指すのでしょうか。明確に答えられる人は意外と少ないものです。米国などを見ると、カルテなどの医療情報は、その人が死ぬまで保持し続けなければならないようですし、企業の重要な記録、あるいはテレビなどの映像の世界でも、「永久保管」を望むのは当たり前になりつつあります。また、データの長期保管に関するプロセスを人の一生に例え、ILM(Information Lifecycle Management)、すなわち情報ライフサイクル管理という考え方が注目を集めています。
データの長期保管について相談を受ける際、「テープに記録されたデータは、何年持つのですか?」と聞かれることがよくあります。残念ながら、これはまったく無意味な質問と言えます。なぜなら、メディアが劣化してデータが読み込めなくなる前に、メディアを再生するためのドライブが入手できなくなる可能性が高いからです。
時代の流れと技術の進化がもたらした現実
身近な例として、音楽の話で考えてみましょう。最近では、インターネットから楽曲をダウンロードしたり、メモリー型の音楽プレーヤーを利用したりして音楽を楽しむのが主流のようです。現代の若者の中には、「実物のレコード盤を見たことがない」という方もいて、時代の流れの速さには驚かされます。もちろん、レコード盤をご家庭で大切に所持し続けている方も少なくないのでしょうが、今でも毎日のようにレコードを聴いているという方は、かなり少数派だと思われます。
このようにレコードを聴く機会が減ったのは、レコード盤が劣化して音が出なくなったからではありません。レコード盤には当時の音がしっかりと記録されているはずです。しかし、肝心のレコード・プレーヤーが流通しておらず、容易に手に入らないため、レコードを聴くという行為が困難になっているのです。似たような現象は、音楽用カセットテープや、DVDレコーダーに押され気味な家庭用VTR用カセットテープなどにも見られます(図1)。そして、コンピューターの世界でも、これと同じようなことが起こっています。
図1 メディアの寿命に比べてドライブの寿命は短い

