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第2回 開発の現場にみる進化の軌跡

24時間体制で世界中のお客様の声に耳を傾け、日米が“One Team”となることで市場をリード

目次

  • 尾関 和弘の写真

    日本アイ・ビー・エム株式会社
    大和システム開発研究所
    ストレージ・システムズ開発
    尾関 和弘

    1985年入社。ホスト系端末エミュレーション・ソフトの開発を経て、2002年よりLTOテープ・ドライブのファームウェア開発に参加。LTOファームウェアのリーダーとして、米国ツーソン研究所と協業している。

ポジティブ・スパイラルを生む開発体制

まさに“GlobalなOne Team”がなせる技
IBMのLTOテープ・ドライブは、米国アリゾナ州のツーソン研究所と日本の大和研究所で共同開発されています。大和研究所のチームが担当しているコンポーネントは、テープ・ドライブの心臓部としてデータ・フローを司るASIC(特定用途向けの集積回路)と、ASICを搭載するカード、これらを制御するファームウェアです。それぞれのコンポーネントを開発するチームがツーソンと大和の両方にあるため、常にコミュニケーションを取り合いながら、“GlobalなOne Team”として日々の作業をこなしています。米国西部に位置するツーソン研究所との時差をうまく利用し、まさに24時間の開発体制、お客様サポート体制で稼動しているのです。

一般的には、新製品の開発を担当するチームと、すでに出荷された製品の保守を担当するチームは別であることが多いのですが、私たちはこの2つを、1つのチームで同じ人間が一貫して行っています。そのため、不幸にもお客様の環境で発生してしまった問題の修正などを、タイムリーに開発中の製品に反映する体制が確立しています。たとえば、前の世代で実装した新機能は、ほとんどそのまま次世代の製品でも活かされ、ある世代で発生してしまった問題は、次世代の製品では必ず修正される、という具合です。逆に、新製品で実装した機能を、前の世代の製品に移植するといったことも行っています。

「新規開発と製品の保守を同時に行うとなると、どっちつかずにならないか?」という疑問もあるかもしれません。しかし、市場に投入した製品が高い信頼性と品質を確保していれば、お客様から報告される問題も少なくなるのは当然でしょう。幸い私たちのチームは「製品の品質が安定している」、よって「それだけ新製品の開発にかける時間が増える」、よって「品質の高い新製品が出せる」という“ポジティブ・スパイラル”の上で開発ができている、と自負しています。さらに去年より、お客様の技術サポート・チームが開発チームと同じ部門の下で協業するようになったのも大きな強みです。これで一層開発チームとお客様との距離が近くなり、共通の部門方針のもと、お客様の満足度をさらに高めるべく“One Team”として作業しています。

IBMテープ製品開発のしくみ

IBMテープ製品開発のしくみを説明している図です。