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第4回 テープの特性を利用してコストダウン

高い拡張性を備えたテープ・ライブラリー・システムで、ビジネス環境の変化に低コストで柔軟に対応

目次

  • 片桐 隆司の写真

    日本アイ・ビー・エム株式会社
    大和システム開発研究所
    片桐 隆司

    2002年よりテープ・ドライブのマイクロ・コードの開発チームに参加。2007年より、TS1120のマイクロ・コード・チームのリーダーとしてテープ・ドライブの開発に従事。

データセンターを悩ます電力コスト

データの長期保管に伴う問題が深刻化
データセンターを構成するサーバーやストレージの消費電力と、これらの機器からの排出熱を処理するための空調設備により、データセンターの維持管理にかかる電力コストの増加が問題になっています。今の状況が続けば、近い将来、1カ所のデータセンターの維持管理コストが、新しいデータセンターの構築コストを上回るだろうとまで言われています。さらに電力コストの増加に拍車をかけるもう1つの要因として、データセンターが扱うデータ量の増加が挙げられます。

データセンター内のデータ量が増え続けるのは、次々と新しいデータが生成されると同時に、一度生成されたデータが長期間にわたって保管されるためです。また、企業のコンプライアンスへの取り組みにより、半永久的に保管されるデータが大幅に増えつつあることも一因と考えられます。そこで、データの維持管理コストを抑えるため、長期保管されるデータのうちアクセス頻度の低いものについて、消費電力の小さいテープ・ライブラリー・システムに移行する方法が注目されています。

仕組みの違いに見る電力コスト
2008年現在、最新の第4世代LTOテープ・ドライブのRead/Writeの転送速度は、非圧縮状態で最大120MB/秒、テープ・カートリッジ1本のデータ容量は800GBです。さらに、テープ・ライブラリーに、テープ・カートリッジ約130本以上とドライブ数台を設置すれば、ホスト・アプリケーションはペタバイト以上もの大容量データの読み書きが可能になります。

また、ライブラリー内のカートリッジは、必要な時にドライブに装てんされてから使用されます。ここに、テープ・ライブラリー・システムの優位性があります。すべてのハードディスク・ドライブに電力を供給し、常に読み書きできる状態にあるシステムと比較すると、データへのアクセス速度は劣るものの、待機電力が少なくて済むのです。もちろん、ハードディスク・ドライブとテープ・ドライブの個々の消費電力にも差異はありますが、同じデータ量を扱う場合に必要なドライブ数は、テープ・ライブラリー・システムの方が圧倒的に少なくなり、電力コストの観点で優れていると言えます。

モデルによる比較
名称 TS2340 TS3100 TS3200 TS3310 TS3500
ドライブ数 1 1 1~2 1~4 1~12
最大カートリッジ・スロット数 1 24 48 92 440
最大容量(非縮時) 800GB 19.2TB 38.4TB 318TB 5.5PB
最大容量(2:1圧縮時) 1.6TB 38.4TB 76.8TB 636TB 11PB