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第5回 最新鋭テープ・ドライブ「TS1130」の実力

新技術を取り込みながら進化を続ける、IBMのもう1つの高性能&高信頼性テープ・ドライブ

目次

  • 板垣 浩の写真

    日本アイ・ビー・エム株式会社
    大和システム開発研究所
    ストレージ・システムズ開発
    板垣 浩

    1993年入社。1998年からマイクロ・コードの開発エンジニアとしてテープ・ドライブの開発に参加。その後大和チームのプロジェクト・リーダーとして3592シリーズの開発を進めている。

自慢の大容量と高速データ転送

IBMが生んだハイエンドのテープ・ドライブ
IBM System Storage TS1130テープ・ドライブの製品写真
IBM System Storage TS1130
テープ・ドライブ
IT業界に携わる人でさえ、「コンピューター用のテープ・ドライブ」と言えば誰もが知っている、というわけではなさそうです。システムのメンテナンスを経験した人なら、テープにバックアップを取ったことがあるかもしれません。とりわけストレージに詳しい方なら、100万台の出荷を達成したLTOテープ・ドライブについては、きっとご存じでしょう。IBMでは、実はLTOテープ・ドライブの他にもう1つ、大規模なシステムやメインフレーム接続にふさわしい高性能と高信頼性を備えた、ハイエンドのテープ・ドライブを開発・製造しています。今回は、そのエンタープライズ向けのテープ・ドライブについてお話します。

2008年7月、IBMは最新のテープ・ドライブ「IBM System Storage TS1130テープ・ドライブ(以下、TS1130)」を発表しました。2005年に発売を開始したTS1120テープ・ドライブ(以下、TS1120)の後継となる新製品です。TS1120を使用すると700GBのデータを書き込めるテープ・カートリッジに、TS1130なら1,000GB、つまり1TBのデータを記録することができます。さらにその大量のデータを、1秒間に160MBのスピードで読み書きすることができるのです。

ところで、1TBとはどのくらいのデータ量なのでしょう?家庭でも利用機会が増えてきたDVD-Rメディアの場合、その容量は4.7GB。したがって、1本のテープ・カートリッジに、なんと200枚以上ものDVDの内容を記録できることになります。では、転送スピードはどうでしょうか?同様にDVDの例で考えてみましょう。

最近の秋葉原で買えるコンピューター用DVDドライブは、20倍速でDVD-Rへの読み書きが行えるそうです。1倍速を約60分と考えると、20倍速のドライブでは、4.7GBのデータを約3分間で書き込めることになります。それなら、TS1130ではどうでしょう?1秒間に160MBのスピードですから、4.7GBを160MBで割ると秒数が計算できます。結果はなんと約30秒!DVDの倍速に換算すると、120倍速に相当するスピードです。1枚のDVD-Rに記録できるデータ量なら、TS1130はたったの30秒で読み書きできる。まさにこれが、IBMの最新鋭テープ・ドライブの実力なのです。