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第6回 テープ・バックアップの賢い使い方

高速で災害にも強いバックアップを可能にする、仮想テープ・ソリューションに注目!

目次

  • 今井 慶太郎の写真

    日本アイ・ビー・エム株式会社
    システムズ・テクニカル・セールス システム・ストレージ
    今井 慶太郎

    2002年入社。2003年からATSにてオープン系ディスクのテクニカル・サポートを担当し、2007年からテープ、TSMなどのバックアップ・ソリューションの技術支援を行っている。

テープは本当に遅いのか?

ディスクより高速な場合もある
近年、企業が扱うデータの重要性が増す中で、おそらくバックアップを取っていないというお客様はほとんどいないでしょう。私は、さまざまなお客様を対象にシステムのバックアップ・ソリューションをコンサルティングしていますが、ほとんどのお客様が、データのバックアップにテープを活用しています。

ところで、「テープ・バックアップ」という言葉を聞いて、皆さんはどのようなイメージを持たれるでしょうか?私がよく耳にするのは、「テープってディスクより遅いよね」という声です。実際にテープ・バックアップを行っている方々の中にも、「バックアップやリストアが遅い」と感じたことのある方がいらっしゃると思います。

確かに、テープはシーケンシャル・アクセスであるため、データを読み書きするには、テープをドライブにマウントした後で巻き戻しや早送りの作業を行う必要があります。このため、テープ上に分散したデータへのアクセスは、ランダム・アクセスが可能なディスクに比べて極端に遅い可能性があります。この点では、「テープはディスクより遅い」という理解は正しいと言えます。しかし、テープ・ドライブ単体の転送能力としてはどうでしょうか?下のグラフは、LTO Ultrium4対応テープ・ドライブの書き込み速度を、データのブロック・サイズごとに表したグラフです。

LTO Ultrium4対応テープ・ドライブの書き込み速度

LTO Ultrium4対応テープ・ドライブの書き込み速度をデータのブロック・サイズごとに表したグラフ

(2:1=圧縮率2倍、1:1=圧縮なし、NE=暗号化なし、AME、SME=暗号化あり)

ブロック・サイズが小さい場合の転送速度は遅いものの、16KB以上では圧縮なしで120MB/秒、2:1圧縮の場合は倍の240MB/秒、さらに圧縮率が上がれば、インターフェース帯域幅の上限値に近いほどの転送速度が出ます。ディスクでこれだけの転送速度を実現しようとすると、それなりのHDD数とRAIDコントローラが必要になります。このグラフは連続して書き込みを行っている場合の数値であり、マウントや早送り、巻き戻しは想定していませんが、マルチメディア・ファイルや、DB表領域などの連続したシーケンシャル・データの場合、実はテープの方がより高速なバックアップを実現できる可能性があるのです。