GPGPUによる高性能コンピューティング
近年、高性能コンピューティング(HPC)領域で注目を集めるグラフィックス・プロセッシング・ユニット(GPU)による高速な演算処理は、より高速かつコスト・パフォーマンスに優れるHPC環境として急速な広がりを見せています。
GPGPU(General-Purpose Computing on Graphics Processing Units)は、GPUの持つ特定処理の高いパフォーマンスに着目し、その処理能力をHPCのコンピューティング・パワーに生かす手法です。浮動小数点の演算能力はGPU1個で数百ギガFLOPSにも達し、CPUの浮動小数点演算能力をはるかに超えています。HPCでは浮動小数点を扱う大量の計算をできるだけ短い時間で処理する必要があるため、処理能力が高く、比較的安価で、大量に展開することができるGPUが注目されるようになりました。
IBMは、GPUを用いたHPC環境を構築するために、汎用GPU製品を提供しています。これをiDataPlexと組み合わせることで、環境や電力消費などに配慮した次世代のHPC環境を構築できます。
iDataPlexのオプションとして、NVIDIA TeslaをはじめとするGPUを取りそろえ、1ノード当たり2基搭載(dx360 M3)することで、InfiniBandによる高速なノード間接続とともに、従来のHPC環境を越える高い計算力を提供します。
また、GPU製品の特長として、消費電力が極めて低いことが挙げられます。数多くの計算ノードを必要とするHPC環境では、システム全体の消費電力が膨大になるため、この特長とiDataPlex製品の低消費電力を組み合わせることで、運用面におけるコスト・パフォーマンスの高いHPC環境を実現できます。
革新的なGPU アーキテクチャー 「CUDA」
iDataPlexのGPUに採用されているNVIDIA Teslaは、「CUDA」と呼ばれるアーキテクチャーに基づいてデザインされた製品です。Teslaは、グラフィックス目的ではなく、GPUによる汎用計算(GPGPU)を目的としてデザインされた、次世代CUDAアーキテクチャー(コードネーム「Fermi」)に基づくGPUです。
iDataPlex オプション製品として提供するTesla M2070は、次のような特長を持っています。
- 演算コアを448個搭載
- ECCによるメモリー保護機能
- GDDR5 によるGPU-メモリー間の高速データ転送
- PCI Express 2.0対応
- コア演算中のデータ非同期転送
- NVIDIA GigaThreadエンジン搭載
- NVIDIA Parallel DataCacheテクノロジー
- パッシブ・ヒートシンクを搭載
- CUDAプログラミング環境も対応
- モニタリング機能
iDataPlex dx360 M3に最大2基のTesla M2070を搭載した場合、GPU部分だけでも896個の演算コアを持ちます。これにより、1ノードで1TFlopsを超える優れた演算能力を発揮できます。