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セレスティン ホテル 様

“優しいITホテル”を演出するVOD(ビデオ・オン・デマンド)システムにxSeriesが貢献。

「セレスティン ホテル」は、環境に配慮した施設/アメニティーの整備や、全客室への高品質なベッドの導入など、さまざまな特色を備える“きめ細やかでハートあふれるホスピタリティー”を提供する21世紀型のホテルをめざして、2002年7月に誕生した。また同時に、“優しいITホテル”をめざして、“ブロードバンドによるマルチメディア”システム、「ブロメディア」システムを館内全域に張りめぐらせ、ギガビットの高速LAN上でのフル・デジタルVOD(ビデオ・オン・デマンド)システムを構築したことでも話題を呼んでいる。

セレスティン ホテル

株式会社エム・ピー・テクノロジーズ

“21世紀型ホテル”にふさわしいITシステムの構築をめざす


セレスティン ホテル
副総支配人
兼営業グループ
総括支配人
橋口 孝司氏
セレスティン ホテルは、東京・芝 薩摩藩上屋敷跡に建つインテリジェント・ビル「セレスティン芝三井ビル」内の1階をロビーなどのレセプション・フロアとし、14階~17階に243室のゲスト・フロアを配して誕生。“天空(セレスティン)のようにひとまわり大きなリラクゼーションと1ランク上のホスピタリティー、そして、真の上質感を提供する21世紀型ホテル”たることをめざしてオープンした。

このコンセプトを具現化させ、今回の「ブロメディア」システムを構築したのが、同ホテルの副総支配人兼営業グループ総括支配人である橋口孝司氏だ。橋口氏は、同ホテルの運営母体である株式会社 国際観光会館 経営のホテル等において長年、飲料部門のマネージャー等として勤務するかたわら、個人的にIT関連の知識を蓄積。書籍を著すほどのお酒に対する深い造詣とITの知識とを生かして、飲料に関するWebサイト構築やCD-ROMの開発などにも関わってきた。「ブロメディア」はそうした知識と経験が生み出したシステムといえる。

当初検討していたUNIXベースのシステムは、実は、開業の半年前に至ってもまだ、未知数の多いレベルであった。そのまま開発を進めても、橋口氏が望むようなパフォーマンスは得られそうになく、必要なパフォーマンスや要件を満たすにはさらなる追加投資が必要になってしまっていた。

資金的、時間的に切迫してくる中、未知数の多いシステムで開業を迎えるか、それとも、あくまで理想を追求して“次の手”を模索するべきか橋口氏は迷っていた。そんな時に紹介されたのが、今回のシステムを手がけた、株式会社エム・ピー・テクノロジーズ(以下、MPTと略称)の吉本万寿夫氏だった。

全客室を1GbpsのLANで結びxSeriesでコンテンツを配信


株式会社
エム・ピー・テクノロジーズ
代表取締役社長
吉本 万寿夫氏
吉本氏に実現を訴え、橋口氏が当初からめざした「ブロメディア」システムは、セレスティンホテルの理念をITの分野で具現化する、“優しいITホテル”という構想の核をなすシステムだった。

「個人的な興味もあり、多くのホテルのITインフラを見てきましたが、満足できるものは皆無でした。例えば、お客様が“自分のノートPCを持ち込み、インターネットにつないで使いたい”と思っても、接続が手軽にできない、設定が分からない、接続できても速度が遅い、そんなホテルばかりです。そこで私たちは、そうしたお客様にも簡単に、便利に、快適にITがご利用いただけるようなシステムの構築をめざしたのです」(橋口氏)
具体的にはまず、最大100Mbpsの高速通信が可能なNTTのBフレッツを導入。アクセス時には、設定不要でIPアドレスが自動的に割り振られるプラグ&プレイ・システムを採用するなど、“優しいITホテル”らしい配慮を施している。また、フレッツのワイヤレス版であるMフレッツも導入し、1階のレセプション・フロアや14階の宿泊客向けラウンジ等で、快適なワイヤレス・ブロードバンド環境を満喫することができる。宿泊客が持ち込んだノートPCで利用できるのはもちろんだが、希望者にはIBM ThinkPad®貸し出すサービスも行っている。

そして、これらとは別に、館内の全客室などを光ファイバーで結んで1Gbpsの高速LAN環境を整備。この上に、新作のハリウッド映画や各種のオリジナル・コンテンツ等を客室のテレビ・モニターで手軽に楽しめる「セレスティン・ブロメディア」システムを構築した。

このシステムには、配信用サーバーとして3台の、LinuxベースのIBM eServer xSeries 330を使用。配信用のサーバー・ソフトウェアには、MPTが販売代理権を有している「Kasenna MediaBase」を搭載した。このサーバーと、各客室に配したセット・トップ・ボックスとを1GbpsのLANで結び、100室の宿泊客が異なるコンテンツを同時に視聴することができる、フル・デジタルのVOD(ビデオ・オン・デマンド)システムを完成させた。おそらく、これだけの規模を有するフル・デジタルVODシステムは、日本のホテルでは初めてであろう、とのことだ。

“費用対効果に優れたLinuxをIBMのサーバーで使いたい”


ラックに収納された1Uサイズの
xSeries
このVODシステムを“Linux+xSeries”という組み合わせで構築しようと提案したのはMPTの吉本氏だった。

「しかし実は、Linuxを使いたいというのは、橋口さんの希望でもあったのです。というのも、Linuxを使えば、より費用対効果に優れたシステムになるのでは、という思いを、橋口さんはお持ちだったんですね」(吉本氏)
ITに詳しいホテルマンである橋口氏は、コスト面でのLinuxの利点について熟知していた。実際、今回のVODシステムは、OSにLinuxを採用し、その上で稼働する配信ソフトウェアを利用したこと、そしてサーバーにIAサーバーを利用したことで、従来のUNIXサーバーを用いたシステムと比べて、価格性能比で約40%も向上する、とのことだ。

これによって、橋口氏が思い描いていたパフォーマンスはほぼ実現できた上、コスト面で、かなりの圧縮が実現できた。このコスト圧縮がなければ、橋口氏の理想は“絵に描いた餅”に終わる可能性もあった、といえる。というのも、吉本氏と出会った2002年初め頃の時点で、既に、インフラとサーバーの契約は他社と締結し終わっていたため、予算は半分程度しか残っていなかったのだ。
「本当に、その頃はもう、クライアント分の予算しか残っていなかったわけです。しかしそれで、セット・トップ・ボックスに加え、xSeries 3台分の費用がまかなえてしまったのですから、助かりました」(橋口氏)

そしてもうひとつ、今回“Linux上でVODシステムが構築できた”背景には、大きな“理由”がある。
「ハードウェアはもちろん、Linuxに関しても、IBMさんにサポートしていただけるということになり、それで今回、ためらいなくLinux+xSeriesという組み合わせを選ぶことができたのです」(吉本氏)

コスト面で優れていることは分かっていても、オープン・ソースのLinuxを利用することは、サポート等の面で心配だ……との声もあるが、今回のシステムはIBMが万全のサポート体制を敷くことでその懸念が払拭され、MPT側も安心してLinux上でのシステム開発を選択できた、というわけだ。

「最後に、“なぜxSeriesか?”ということで言えば、私はIBMというブランドを信じているんです。というのも、仕事柄、ワールド・ワイドで活躍されているお客様のお話を聞くことも多く、その皆さんがいちように口にされる名前が“IBM”であるわけです。世界中で信任されているという、何よりの証ですよね。
ですから今回、数千万円もの資金を投じて購入する機器を、時間がなくて、わずか一週間で決定しなければいけないという場面で、“サーバーはIBMでいきましょう”と言われた時には、安心しました。“ああ、これで確かなシステムができそうだ”と思って」(橋口氏)

本稼働が始まって以後も大きなトラブルは発生していないとのことで、xSeriesに対しては引き続き高くご信頼いただいている。

構築して終わり、ではなく、常に進化し続けるシステムをめざす


全客室のTV画面上から「ブロメディア」
のコンテンツが自在に楽しめる
現在稼働中の「ブロメディア」上では、ホテルの施設紹介や近隣情報などを提供する「e-コンシェルジュ」、最新のハリウッド映画や過去のヒット作、名作映画を配信する有料の「セレスティン・チャンネル」、同ホテルの理念に共鳴する企業等から提供された“衣食住”に関わる情報映像を無料で放映する「セレスティン・アライアンス」などを展開。加えて、100Mbpsの高速回線による「インターネット」もTV画面を通して利用することができる。

橋口氏は、この「ブロメディア」システムを活用して多様な“仕掛け”を試みようとしている。
「例えば、映画の試写会。新作映画を、客室でくつろぎながら試写していただいたり、それに先だって披露パーティーを行ったり。試写後は、その映画に関連する料理やお酒を楽しんでいただく、といった催しもいいでしょうね」(橋口氏)

また今後は、オリジナルのコンテンツ作りにも力を入れるという。例えば、ホテルが薩摩藩邸跡地にあるという縁で、薩摩・島津家にゆかりの美術品等についてのコンテンツ作成が進んでいるほか、諸外国の観光情報等に関するムービーや、飲料メーカーからビールやウィスキーの製造工程を紹介する映像の提供も受けている。

「それらの映像も、何らかのイベントと結びつけて、付加価値を付けた展開を図りたいですね。
とにかく、素晴らしいシステムはできましたが、構築それ自体が目的ではない。このシステムを活用して、お客様に上質の喜びやくつろぎをお届けすること-それこそが、私たちのホスピタリティー・ビジネスにおける目的であり、またそれを実現しないことにはお客様に支持はされず、投下した資本の回収もできないでしょう。
そのためには、常に新しい試みを続け、このシステムを進化させなければならない、と考えています」(橋口氏)

一方、このIBM eServer xSeries + Linux + 映像配信ソフトウェアによるVODシステムについて、MPTの吉本氏は、「こうしたフル・デジタルのコンテンツ配信システムは、マンションやアパート等の集合住宅や、ホテル/病院/老人ホーム/図書館/美術館/博物館、そして企業内事業所などのさまざまな場所での利用が増加すると予想されます。私たちは今後も日本IBMさんとの協業販売を行い、需要の高まりが予想されるブロードバンド・コンテンツ配信システムの分野でのニーズに対応していきたいと考えています」と語っています。

IBM、eServer、xSeriesはInternational Business Machines Corporationの米国およびその他の国における商標。
UNIXは、The Open Groupがライセンスしている米国およびその他の国における登録商標。
他の会社名、製品名、およびサービス名等は、それぞれ各社の商標または登録商標。