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処理性能の向上

System z10 ECは、従来のSystem z製品と比較して大幅な性能向上を実現しました。個々のプロセッサー・ユニット(PU: Processor Unit)の処理能力の向上に加え、サーバーあたりの搭載可能PU数を増やすことにより、System z9™ ECと比較して単一プロセッサーあたり50%、最大のプロセッサー搭載構成の場合には70%の処理能力が向上しています。

System z10 ECは、モジュラー・マルチブック設計を採用しており、サーバーあたり1から4つのブックと呼ばれるコンポーネントを搭載することができます。System z10 ECで使用されるブックには、新たに設計されたCMOS 11S技術を用いた複数のチップを搭載するマルチチップ・モジュール(MCM: Multi Chip Module)が搭載されます。MCMに搭載される新しいクアッド・コア・プロセッサー・チップは、高いクロック周波数で稼働し、CPU能力が要求される処理を高速に実行します。System z10 ECは、1個から64個のPUを搭載することができ、構成によって5つのモデルを提供しています。

System z10 ECの各モデルには、2つのスペア用のPUとブック数に応じた数の入出力処理用System Assist Processor(SAP)が搭載されます。搭載されているPUはお客様の用途に応じて中央処理装置(CP : Central Processor)、Linux専用プロセッサー(IFL: Integrated Facility for Linux)、Java専用プロセッサー(zAAP : System z10 Application Assist Processor)、DB専用プロセッサー(zIIP: System z10 Integrated Information Processor)、結合機構(ICF : Internal Coupling Facility)、または追加のSAPとして使用することが可能です。

System z10 ECは、最大1.5TBの実メモリーを搭載することができます。これは従来製品であるSystemz9ECと比較して3倍の容量となります。使用可能なメモリー容量が増えることによって、DB2®、WebSphere®および各種Linuxのアプリケーションを高速に実行することが可能となります。

アプリケーション要件に応える高いレベルのトランザクションのスループットを実現するためには、データとネットワークの高速通信を実現する高い処理能力が重要です。System z10 ECには、業界標準として採用されているInfiniBandを使用したホスト・バス・インターフェースが搭載され、6GB/秒の転送速度を実現します。これは、ICFによるSystem z10 EC間の接続、セキュア・コプロセッサーと新しいSSLトランザクションを使用するCrypto Express2、ESCON®/FICON®またはFCPを使用するI/O接続、新しいOSA-Express3 10 Gigabit EthernetやOSA-Express2 Gigabit Ethernetおよび1000BASE-T Ethernetを使用するLAN接続をはじめとする、クラスタリング、暗号化、I/OおよびLAN接続処理能力を強化します。

System z10 ECは、Multiple Sub Channel Set(MSS)を使用したI/Oの制約の緩和により、より大規模のI/O構成を実現します。z/OS V1.10とDS8000™ V3.1の組み合わせにより、現在の65,520シリンダー(55.7GB)の上限を超えるボリュームの拡張をサポートする新しいExtended Address Volume(EAV)を実現し、1つのEAVあたり262,668シリンダー(223GB)を定義することが可能になります。

専用プロセッサーによる新しい適用業務エリアの拡大

System z10 ECは、お客様の様々な基幹系業務をメインフレームの高いサービスレベルの環境でかつ低価格にご利用いただくために、用途別の専用プロセッサーの機能強化を行っています。zIIP上では、ビジネス・インテリジェンス(BI)、ERP、CRMおよび XMLアプリケーションの処理を実行することができます。zIIPは機能拡張によりIPSecの処理をサポートし、セキュリティーが要求される通信を行う場合のIPSec暗号化エンジンとして使用することができます。また、z/OS Global Mirror(XRC)ディスク・コピーをサポートする機能が拡張され、連続可用性向上にも使用できます。zAAPは、Java™やXML処理など新しいアプリケーション技術をz/OS上で使用することができます。

System z10 ECは、オープンスタンダードとして定評のあるLinuxを稼働させるためにIFLを提供します。Linuxは、System z10 EC上で直接もしくは仮想化機能を使用することによって稼働し、豊富なLinuxアプリケーションが利用できます。

10進浮動小数点演算ユニットによる処理の高速化

System z10 ECの10進浮動小数点ユニットは従来のSystem z9 ECからさらに性能の向上が図られました。10進浮動小数点を用いる計算は主に商用アプリケーションに多く使用されます。従来はこれらの計算は、ライブラリーなどを使用したソフトウェアにより実行されていましたが、System z10 ECに搭載される10進浮動小数点ユニットを使用することにより、これらの処理の一部を直接ハードウェアで実行し、高速化することができます。